虚構新聞というコンテンツがあります。
「現実のニュースをパロディにした諷刺・皮肉」
とした、非常に面白おかしいニュースをパロディにしたコンテンツです。
その中で、こんなニュース(嘘ニュース)を見かけて、吹き出しました。
(引用ここから)
山手線、日暮里エクスプレス開業へ 来年3月から
JR東京は12日、日暮里―西日暮里間をノンストップで走る超特急「日暮里エクスプレス」を来年3月のダイヤ改正に合わせて開業させると発表した。(中略)
日暮里駅から西日暮里駅まで、各駅停車の山手線では27駅・約60分かかる(後略)
(虚構新聞 http://kyoko-np.net/2013081301.html )
この記事を見て、吹き出し…なるほどなぁ、と驚きました。
山手線を知らない方に、簡単に解説です。
・山手線は環状線です。
・日暮里ー西日暮里は、隣駅です。
つまり、本来1駅数分でたどり着くところを、環状線の反対周りで乗ることにより、60分掛かる、ということなのです。
これはネタ記事なので、
「いや隣駅だから」
「なにをわざわざ反対周りで行かなくても…」
などと突っ込んで、笑い飛ばす話です。
個人的に面白いのが、
「事実を面白おかしく描写している」
ということです。
全く存在しない嘘を話したところで、ただのファンタジーです。
しかし、この記事は、
・日暮里駅の存在
・西日暮里駅の存在
・山手線は環状線である
・日暮里ー西日暮里は、隣駅
・山手線一周で約60分
と、本当の事実だけを集めて、それを「反対周り」にすることで、面白おかしく仕上げたネタだ、ということです。
隣駅まで、一駅数分を、わざわざ反対周りで60分…というところに、笑いがあります。
が、笑い飛ばす以上に感心したのが、
・普通は隣駅まで山手線で反対周りには乗らない
という、「普通」を脱却したその発想にあります。
世の中において、大きな成果を出している人がいます。
その大きな成果を手に入れる突破口…それが「普通」の脱却です。
全てが全て、とはいいません。
ですが、普通のことを普通にやっていたら、普通の結果しか出ません。
普通ではない発想で何かをするから、普通ではない結果に繋がるのです
例えば、寝台夜行。
電車で移動…これを「普通」に捉えると「目的地にたどり着くための交通手段」です。
しかし、これを普通と捉えずに、普通ではない捉え方をしたところ、
「移動の時間そのものを目的」
にしたのが、寝台列車。
もう無くなってしまいましたが、トワイライトエクスプレスなどが好例です。
札幌駅から大阪駅まで約23時間掛けて移動します。
飛行機だと、新千歳空港から関西国際空港まで飛行時間は1時間50分。
飛行機とくらべて、12倍も時間がかかります。
…だからこそ、非常に贅沢な旅程となります。
さらに、それを贅沢にバージョンアップしたのが、豪華寝台列車「ななつぼし」です。
3泊4日の旅程で、九州を一周します。
移動だけならば…そんなに時間を掛けないでしょう。
逆に、時間を掛けるからこそ、贅沢になるのです
さすがに、日暮里ー西日暮里間を60分掛けても、さほど意味は無いかもしれません。
ですが。
例えば、学生カップルが、
「駅まで送る」
と称して、日暮里から西日暮里に移動するとします。
ただ、「駅まで送る」という前提を守りつつ、二人の時間を長く持つ…ということであれば、逆周りで60分、という手もあるでしょう。60分、たっぷり話ができます。
何かを反対にすることで、これまでと全然違う価値の創造に繋がる…かもしれません。
余談です。
コンサルティングも、同じかもしれません。
最短最速で結果を出すために、コンサルタントとしてプランを提案する、というのが本来の形でしょう。
ですが、時間を掛けてでも、コンサルタントから学んで、その知識経験を身に着けたい、という人もいるかもしれません。
なぜなら、コンサルタントをつけている間は問題解決しますが、すべてコンサルタントの言いなりでは、その人がいなくなったら問題解決しなくなるからです。
自分で問題解決できるようになりたい、そんな方もいることでしょう。
私は、そんな方のために、どちらかと言えば「一緒に考える」コンサルティングを多用しています。
例えるならば、「経営者のためのマーケティング家庭教師」とでも言えるかもしれません。
…これまで、自分のやっていることを、言語化してこなかったのですが、ある意味こういった表現にすることができるかもしれません。