覆水盆に返らすマーケティング

覆水盆に返らすマーケティング

覆水盆に返らすマーケティング
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私が小学生の頃の話。
当時の愛読書は,四字熟語・ことわざ辞典。
枕元に置いておき,寝る前に読みふけり…眠くなったらそのまま寝落ちする。そんな生活を送っていました。

その時に読んだエピソードで,印象深かったのが,「覆水盆に返らず」です。

古代中国の話です。
朝から晩まで本を読んでいる男性に対し,妻である女性が愛想を尽かして出ていきます。
その後,男性は科挙と呼ばれる国家試験に合格します。合格すれば孫の代まで豪遊して生活できる,というそんな試験です。

それを聞いた元妻がやってきて復縁を希望。
そこでその男性は,お盆に溜めた水をばら撒き,
「この水をお盆に戻すことができれば,よりを戻しましょう」
という提案をしたのだとか。

そこから「覆水盆に返らず」とは,一度壊れた男女関係は二度と戻らない,という意味で使われます。

…という話を,当時12歳の私が,
「へー,なるほど。一度壊れた男女関係は,もとにもどらないのか〜」
などと,しみじみ納得していました。

そんな「覆水盆に返らず」ですが…マーケティングではどうでしょうか。

ちなみに,今日のタイトル
「覆水盆に返らす」
は,「返らせる」という意味で「返らす」と使っています。誤字ではありませんので念のため。

先日,ワイモバイルでiPhoneに機種変更しました。
その特典として,本来有料のYahoo!プレミアムサービスが,契約期間中は無料で使えることが発覚。

そこで,Yahoo!プレミアムを解約しようとしたのですが…
これがまた実に解約しづらい。

「本当に解約しますか」
といったボタンを5回くらいクリックした記憶があります。
クリックする度に,解約すると,どんなデメリットがあるのかを,いちいち強調。

そしてその5回目の時に,
「月末まで同一料金なので,このままプレミアムサービスを使う」
といった,そんなボタンまで用意されていました。

例えば,15日だった場合,解約してしまうと,サービスは即時に停止します。
ですが,すでに課金されており,月末まで使う権利はあります。
そこで,
「解約するなら月末まで使ってからにしてはいかがですか?」
という,親切な提案をしているかのように見せかけて…そのまま
「解約申請」を忘れされる…という見え透いた手です。

個人的には,
「覆水盆に返らず,だろ」
とは思います。
つまり,解約しようと思わせた時点で,もう関係は終わっている,ということです。
そこを,冒頭の逸話の女性のようによりを戻そうと食い下がっても,ダメなものはダメ。
それこそ,ばらまいた水をお盆に戻すかのようなファンタジーでも起きない限りは,復活できないでしょう。

ただ,あくまでも個人的な見解です。
Yahoo!の検索ボックスを,1ピクセル単位で大きさをテストしているような会社です。
実際に5回くらい画面を変遷させれば,音を上げて,契約継続する…というデータがあるのかもしれません。
…そこまでして,お金を払わせることに,どんな意味があるのか。個人的には理解に苦しみますが,これが会社の方針であり,ビジョンなのでしょう。

これが,
「覆水盆に返らすマーケティング」
です。
苦しいです。
もう関係が冷めてしまっているにも関わらず,そこを食い下がって執拗に復縁を迫る。
実にイタい関係です。
終わってしまったのなら,後腐れなくさっさとお別れしたほうが,まだマシな印象があります。

とはいえ。
この「覆水盆に返らすマーケティング」には,一つ大きな役割をしていることがあります。
それは,「誤解を解く」というものです。
今の時代,デマや騙し討ちで他社を平気で貶める人はいます。
悪意がなく貶める人もいるから,実にたちが悪い。
それはさておき,そのデマを真に受けて解約したい…となった場合。
「誤解を解く」
ことで,契約維持ができるかもしれません

あるいは,使い勝手が悪いから解約したい。
と思ってサポートセンターに連絡したところ,間違った使い方をしており,実際に得られる結果の10分の1くらいのメリットしか受けていないことが発覚。
ちょっと使い方を改善しただけで,劇的に使い勝手が改善。
「これなら便利なので,もう少し使ってみます」
となるかもしれません。

こういった面から,
「覆水盆に返らすマーケティング」
…言い換えると,無駄なキャンセル,契約終了を防ぐことはできるかもしれません。

ですが。
そういったフォローアップやサポートは,
「解約します」
という連絡が来る前に,はじめからやっておけ…という話です。

結局,「覆水盆に返らすマーケティング」をするくらいなら,日頃から顧客にこまめにサポートをしておいたほうがいい,ということでした。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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