先日,語学学習のテーマに関するセミナーに参加したときのことです。
講師の一人が,13年くらい前に知り合った友人です。
…といっても,私が北海道に引っ越してしまった関係で,疎遠になっていました。
久々に会ったのが,セミナー会場で,私が受講者側で,彼女が講師側。
どこかのセールスレターみたいで,面白い偶然だと感じていました。
さて,セミナー中のことです。
別の方がメイン講師なので,その方が前に立って,熱弁を振るっています。
それはそれでいいのですが,その間も,その友人は後ろでずっとカタカタカタカタ,MacBookで作業をしています。
うるさいなぁ。
耳障りだなぁ。
と思いつつ…気にしすぎても仕方ないので,そのままスルー。
ところが…メイン講師が受講生全員に,目を閉じるように指示。
そのままメイン講師がずっと語りかけるように話をして…いわゆるイメージング的な要素に突入しました。
それでも彼女は一切構わず,キーボードをカタカタカタカタ。
さすがにこれはどうかと思い,後ろを振り向くと,男性スタッフがいたので,その人に目で合図をしてから,彼女を指さしました。
彼女と違って察しのいいそのスタッフは,彼女に作業を止めさせました。
パソコンのカタカタカタカタはようやくストップです。
ところが…今度は,彼女が別の女性スタッフとおしゃべりをはじめました。
声を抑えているのでしょうが,後ろの方から絶え間なく声が聞こえてきます。
また後ろを振り返って,先程の男性スタッフに目で合図。
黙らせさせました。
金額の多寡はさておき,有料のセミナーです。
前で,熱心にメイン講師が熱弁を奮っています。
そのメイン講師の気高い,そして真摯な思いを真剣に伝えています。
その後ろで,カタカタカタカタ,ひそひそひそ…。
有料で,時間と労力をかけて参加しに来た受講生よりも,自分の仕事や「話したい」という欲求を優先させた,ということです。
これはフロントエンドのセミナーなのでバンクエンドとして,メインのコンテンツがあります。
メイン講師一人ならともかく,彼女も講師の一人。スタッフの一人です。
メイン講師の語学プログラムがどれだけすごくても,どれだけ魅力的でも…彼女と一緒に勉強する…言い換えると,時間と労力をかけて,彼女と同じ空間で学びたくない。
つくづくそう実感しました。
セミナー終了後,彼女には目も合わせずに,さっさと帰りました。
時間を無駄にした感じがして,どっと疲労感たっぷりです。
さて,ここで気がついたことがあります。
私が日頃出ているセミナーについてです。
セミナー参加者で,モラル意識の低い人が,
「パソコン禁止」
と言われているのにカタカタカタカタとやっていたり,携帯電話を鳴らすドアホウがいます。
しかし,記憶の中で思い出せるのはそれだけです。
つまり,私が日頃参加しているセミナーの運営スタッフは,上述のスタッフ講師と違って,きちんと受講生に配慮できる,ということです。
実際に,セミナー受講中に,パソコンで作業しているのは一緒です。
けれど,そのキーボードやマウスの操作音で気を散らされることは,これまでに一度たりともありませんでした。
それだけ配慮しているからです。
このセミナー運営会場にある椅子は,キャスター付です。
キャスターがついている椅子と,ついていない椅子では,もちろん後者のほうが安上がりです。
けれど,このセミナー運営会場は,わざわざキャスター付の椅子を設置しています。
なぜか。
あくまでも推測です。
グループワークで,隣の人や,後ろの人と向かい合って話すことを想定しているからでしょう。
その時に,キャスターがついていれば,スムーズに後ろや横をみることができます。
キャスターがなければ,引っかかったり,大きな音を立てることになります。
だから,キャスター付の椅子なのです。
この会社のスタッフは,一人ひとりが,セミナー運営のプロフェッショナルです。
徹頭徹尾,セミナー講師や受講生のことを考えての一挙手一投足ということです。
ですが…恥ずかしいことに,このセミナー会社とお付き合いするよになって3年ほど経ちますが,気づきませんでした。
なぜか。
本当の気遣いは,目に見えないからです。
冒頭の,自己中心的で,受講生のことなどカケラほども思いやらない人の振る舞いを見て…この人が属する会社のセミナーは,二度と行きたくない,と思い知らさせることで…
「ああ,本当に気を遣ってくださっているんだな」
と気づいたのです。
本当の気遣いは目に見えません。
だからこそ,他と比較することで気づき,学ぶことができます。
私もたまにセミナーや勉強会を開催することがあるので…本当に良い学びになりました。
本当の気遣いは目に見えないのです。
目に見えないものに気づいて,それを学びに変えることができれば,きっと今までよりも,ずっといい結果になることでしょう。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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