銀行とかに行けばよく見かける機械。
お金を数える機械。
きっと見たことがあるでしょう。
紙幣計算機と言います。
紙幣計数機とも言います。
あるいは,ノートカウンターということもあるらしいです。
(出典 ウィキペディアより)
数年前のことです。
何を血迷ったのか,これを欲しい…と思ったことがありました。
理由は,単純にお金を数えるために,
「あったほうがいい」
と思ったからです。
今はあまり受けないようにしているので,数は減っていますが,当時は「不動産売買決済」の案件が,それなりの件数ありました。
司法書士事務所に関係者が集まって,売買契約書の取り交わしをしたり,その場で決済したりします。
住宅ローンを使う場合は,銀行の応接室で決済するのですが,現金取引の場合,事務所に札束を持ってきて,その場で現金取引をしたりします。
その時の…売主さんが,買主さんから払ってもらったお金の札束を延々と数えている時間が何とも手持ち無沙汰で間延びがします。
そんな時に,この紙幣計算機があればいい…そう思ったのです。
逆に,紙幣計算機があれば,なんか「かっこいい」とすら思いました。
売買取引の際に,がーっとお金を数えている様子を想像すると,いい感じがします。
ネットでどれくらいの価格がするのか調べて,
「ちょっと高い」
とか,
「何とか安く手に入らないかな…」
とか思って…
そのまま忘れてしまいました。
思い出した時に,ふと我に返りました。
「この紙幣計算機があったら,ウチに何件の売買案件が増えるのだろうか」
と。
正解は…もちろん,増えません。
もしかしたら増えるかもしれませんが,増えないかもしれません。
何より,増えたところで,その紙幣計算機と,増えた件数との間に因果関係があるのかどうかすらわかりません。
そうなった場合,紙幣計算機を買うメリットとは何でしょうか。
結論としては,ただの見栄でしかない,ということになります。
もちろん,売主さんが一生懸命札束を数えている時間は短くなる,という生産性向上に寄与するかもしれません。
だからといって…これを入れることで,売買件数があと1件増える…というものでもないのです。
全てが全て,売上に直結するものだけを買えばいい…というストイックな姿勢が必要かどうかは脇におきます。
道楽だ,とわかっていながら買うのであれば問題ないでしょう。
無駄遣いとわかっていながら,節税する,という考えもあるかもしれません。
ただ,ここで一番の問題なのは,
「紙幣計算機があれば売上が伸びる」
という妄想です。
必要ないもの,売上アップとは直接因果関係がわからないものを買って,
「これで売上があがr」
と思い込んでしまう。
これが問題です。
本当にそれは,
「売上が上がる」
のでしょうか。
上がるのであれば問題ありません。
あるいは「上がるとは思っていない」と思いながら買うのであれば,問題ありません。
別の例を出すならば,英語学習などが例に当たるでしょう。
もちろん,一部の業種は英語力が直接売上に直結することもあります。
ただ,私の場合は,
「原書を読みたい」
とか,
「英語のセミナーに出たい」
ということであれば,【直接】売上が上がる,とは言い切れないものがあります。
それを,
「売上の為」
と免罪符を付けて売ってしまうから問題なのです。
一度,自分がやっていること,買っているものを見直してみて下さい。
それは本当に売上とは直結しているでしょうか。
会社のパンフレット。
ホームページ。
それがあることで,電話が何件鳴るでしょうか。
売上がいくら増えるでしょうか。
それが計算できないのであれば…一旦脇において,もっと直接売上に貢献するものにお金を払うのを先に選ぶのも手です。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
売上を上げようと,がむしゃらにがんばってきたけど…疲れてきた。
そんなあなたは,一度こちらをご覧ください。