顧客から裏切られない為の「当たり前」ではない「当たり前」の話

顧客から裏切られない為の「当たり前」ではない「当たり前」の話

顧客から裏切られない為の「当たり前」ではない「当たり前」の話
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指先を釘に引っ掛けて、怪我をしました。
大した怪我ではないのですが、書類を血で汚すわけにはいきません。
「血塗られた権利証」
とか、笑い事ではありませんから。

まあそれはさておき。
書類だけではなく、今この文章を打っているMacBookのキーボードも血塗れになって性能が劣化しても困るので、あきらめて絆創膏で処置しました。

すると、大変困ったことが起きました。
MacBookのトラックパッドの操作ができないのです。
クリックなど、上から物理的な力を加える動作は作用します。
けれど、タップしたりスワイプしたり…といった動作が、絆創膏を巻いているせいで、認識しないのです。

非常に不便です。
もちろん、キーボードもいつもどおり打つことはできていません。
いつもよりも誤字脱字が多いことでしょう。

いつも通り、トラックパッドの操作ができないと、イライラします。
そう、イライラするのです。

そして、イライラした時に、
「なるほど」
と思って、今日のブログのネタにすることにしました。

なぜイライラするのでしょうか。
それは、
「これまで当たり前のように操作してきたことができないから」
です。

では、これまで、指先を怪我してイライラする事はあったのか。
これはありません。
なぜならこれまではWindowsのデスクトップパソコンをメインに使っていたからです。
すなわち、マウスを使っている以上、指先でこするような繊細な操作はしてこなかったのです。

Windowsを使っていた時は、マウスを使うのが「当たり前」でした。

そして、MacBookを買ってから、このトラックパッドのあまりに素晴らしい操作性に感動。
なんて使いやすいのだろうかと思いながら、マウスを手放しました。

それから数ヶ月。
すっかりトラックパッドの快適さに慣れきった今日、指先を怪我してしまい、絆創膏でトラックパッドを封じられたのです。
その結果「当たり前だったトラックパッドの快適さ」を享受できず、イライラしたのです。

数カ月まで、20年以上Windowsを使い続けていた時は、「トラックパッドの快適さ」など知らなかったことが「当たり前」だったのにです。

そうです。
「トラックパッドの快適さ」は「当たり前」ではなかったのです。
使い始めた時は、快適さに嬉しく思います。けれど…すぐに慣れ親しんでしまい、それが当たり前になるのです。
こうして、顧客はある意味贅沢になっていくのでしょう。

「当たり前」は「当たり前」ではないのです。

(1)もともと、何らかの不便や不快な状態がありました。
(2)あなたの商品やサービスによって、(1)の状態よりもずっと良い状態になることができました。
(3)(1)の状態よりも良い状態になったことが当たり前になっていきます。

例えば、腰痛。
ずっと腰痛に苦しんでいる人がいました。
ある時、腕の良い治療院へ行き、腰痛が改善します。
次第に、腰痛が改善して痛みを感じなくなることが当たり前になります。
すると…その治療院へ行かなくなります。
その結果…腰痛が再発します。

恐ろしいのはここからです。
腰痛が再発すると、顧客は何を思うのでしょうか。
「ああ、最近行くのさぼってたからなぁ」
と思ってもらえれば、それはそれで素晴らしいことです。

ですが。
もともと、その治療院の技術によって、腰痛を感じなくなるのが当たり前になるくらいまで改善したのに、本人の責任で通うのをやめた結果、腰痛が再発。そして
「ちっともあの治療院はの治療はダメだな。結局は腰痛がするじゃないか」
と思って、他の治療院を探し…そして、
「あの治療院は駄目だ」
などと悪評を垂れ流すことすらありえるのです。

繰り返しますが、その治療院のおかげで、「腰痛がないのが当たり前」になるくらいまで改善したのに、です。

「当たり前」は「当たり前」ではないのです。
あなたの商品やサービスによって、顧客に何らかの良い状態をもたらしていて、かつそれが当たり前になっているのです。

当たり前になると…あなたのおかげで良い状態をもたらしている、ということを顧客は忘れるのです。

その結果、たまにいる恩を忘れた顧客は、敵対的な行動を取ることもあるのです。

ではどうすればいいのか。
言葉を選ばずに言うならば、
「恩着せがましく言うこと」
となります。

「前は腰痛がひどかった」
「今は改善している」
ということを、たまにでいいので、思い出してもらえばいいのです。

ということで、アップル…MacBookのトラックパッドの技術に感謝とリスペクトをしつつ、今日のブログといたします。

 

 

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