今日は，全世界で７０００万部売れた…とされる，ある本についての話です。
なぜその本が７０００万部も売れたのか。その秘密についてです。
その本は，自己啓発書のカテゴリに入ります。
この自己啓発書では，１３のカテゴリに分けて紹介しています。
この１３項目を実践する必要性を説いています。
この自己啓発書の内容のダイジェスト版である別の書籍の目次から，この１３項目を紹介すると，次の通りです。
１．願望
２．信念
３．深層自己説得
４．知識
５．想像力
６．計画
７．決断力
８．忍耐力
９．マスターマインド
１０．性衝動
１１．潜在意識
１２．頭脳
１３．インスピレーション
この１３のリストはいかがでしょうか。
例えば，１の願望を抱く必要性。
２の信念を抱く必要性。
４の知識を高める必要性。
５の想像力を駆使する必要性。
６の，きちんと計画を立てる必要性。
７の日頃から決断力を高めておく必要性。
８の，物事が計画通りに行かなかったとしても耐え忍ぶ忍耐力。
これらの項目「だけ」を見ると，ごく普通のありふれた道徳の教科書みたいな内容です。
なんでこんなありふれた「お説教じみた本」が世界で７０００万部も売れているのか。
そこには秘密があるのです。
わかる人にはわかるでしょう。
そろそろ，この本が何かのかネタばらしをします。
成功哲学の祖と言われるナポレオン・ヒルの著書『思考は現実化する』（原題『Think and Grow Rich』）です。
この本の逸話は有名なので，あなたもご存知かもしれません。
まだ若かったナポレオン・ヒルが，当時の仕事であった新聞記者として，成功者であり一代で大富豪になった，アンドリュー・カーネギーをインタビュー。
その中で，成功哲学を２０年間掛けて体系化するように，カーネギーから依頼された，という話です。
ただし２０年間，資金援助はゼロ。
成功哲学を体系化して実践する以上，資金援助などしなくても，お金に困ることはない，という理屈です。
これに対して決断するまでに２９秒。
カーネギーの中で，１分以内に決断できなければ，その話はなかったことにするつもりだった。
ということから「２９秒の決断」というタイトルがつけられることもあります。
さて，成功哲学や自己啓発に興味がある方は，一度や二度は耳にしたことがあるこの有名な逸話。
あるいは，「思考は現実化する」というこの書籍。
隠された秘密があります。
１つは，ナポレオン・ヒル本人は，この著書の発売当時，ひどい貧困にあえいでおり，この本がブレイクしたから，大富豪になった，という話です。
つまり，カーネギーの直伝，そして自らの調査に基づき体系化した成功哲学を「自ら実践して，成果が出たものを書籍としてまとめた」わけではない，ということです。
この点については，さほど重要な論点ではないですが，知らない方も多いので挙げておきます。
もう一つの，秘密。
実は…先程の逸話の元となる出来事が全て「フィクション」だったとしたら…？
という話です。
実は，ナポレオン・ヒルに，成功哲学の体系化を依頼したとされる，アンドリュー・カーネギー。
彼の公式WEBサイトや，彼のことをまとめたウィキペディアに，一言も「ナポレオン・ヒル」のことは書いていません。
ここでいう公式WEBサイトやアンドリュー・カーネギーのウィキペディアとはもちろん，英語版です。
日本語版のウィキペディアには，ナポレオン・ヒルのことは書いてありますが，英語のウィキペディア，そしてアンドリュー・カーネギーの公式WEBサイト（英語版）に，ナポレオン・ヒルのことは一切触れられていないのです。
大富豪であるアンドリュー・カーネギーは，ナポレオン・ヒルに対し，資金援助はしませんでしたが，カーネギーが「この人は将来きっと成功する」という５００人以上の人に，手紙を送った，とされています。
つまり，ナポレオン・ヒルが成功哲学を体系化しているから，協力して欲しい，というカーネギーの依頼書です。
５００人以上にカーネギーは手紙を送り，このすべての人が成功した，ということになっています。
ですが…実際に１枚たりとも，カーネギーの書簡について写真が公開されているわけではありません。
もちろん，ナポレオン・ヒル側は，カーネギーからの依頼である，ということを主張しています。
ですが，証拠がないのです。
つまり，依頼したという事実は証明できないので，「フィクションではないか」ということです。
この隠された真実。
これが７０００万部の売上に繋がったのです。
具体的には…説明が長くなったので，詳細は明日解説します。
ぜひ，なぜこのフィクションが７０００万部の売上に繋がったのかを考えてみて下さい。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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