こんにちは。
アップスタッツ合同会社の代表,
経営軍師の飯山です。
今日は,
賞品やサービスの品質向上と,
良さを伝える技術の向上とでは,
どちらが大切か,
という話をします。
答え自体は
1行で書けるのですが,
実際に運用していく上で
どのようなスタンスを
取っていけばいいのか
ひとつの考え方をお伝えします。
世の中,
色んな人がいろんな言い方をしていて,
混乱してしまうかもしれません。
解決策は,
自分が「コレ!」と決めることです。
今日は,
その決めるための考え方を
お伝えしていきます。
迷いが減るだけで,
行動量も上がり,
成果にもつながっていきやすく
なるでしょう。
最後までお付き合いください。
最後に食べたラーメン屋の話
北海道に住んでいた
ときのことです。
人口2万人弱の
小さな田舎町で,
隣に比較的大きい
地方都市があります。
あるところで
口コミを耳にして,
ラーメン屋に行きました。
ラーメン屋の口コミで,
2つの店について
耳にしたのですが。
そのうち一つです。
実際,おいしい。
ショッピングモールの前の
大通りで,駐車場も広く
行きやすい。
店員も,
活気あふれる接客です。
店主も,
私のことを知ったようで
来店時に店主がいると,
毎回小さく会釈してくれました。
新メニューも,
よく出るようになり…
試しに食べてみて…
すると店主がやってきて
感想を尋ねてくることも
ありました。
が。
ある時期をすぎると,
店主を見かけることが
ほとんどなくなり…
ふと気づくと,
量も減っていたり…
「あれ?こんな味だっけ…?」
と疑問に思う回数が増え…
そのまま戻ることもなく,
ある時から
まったく行かなくなりました。
ショッピングモールの前なので,
視界には入ります。
見かけるたびに,
残念な気持ちになります。
一方。
口コミで耳にした
もう一方のラーメン店。
そこは…
ショッピングモール付近ということはなく,
その地方都市の外れで
何もありません。
海と荒野だけです。
駐車場もそれほど
広いわけではありません。
店主は…スキンヘッドに
手ぬぐいをまいて厨房で仁王立ち。
なかなかに迫力があります。
その店主の,
ものすごく低い声で
「らっしゃいませ」
を聞くと…
「ああ,ラーメン店ってこうだよね」
みたいな,謎の満足感があります。
お店のコンセプトとして,
ラーメンを「極めようとする」
スタンスです。
なので…
メニューが変わります。
アップデートしたので
以前のメニューはもうない,
ということですね。
割とお気に入りだったメニューが
アップデートのあおりで
なくなってしまいましたが,
その分,新メニューも
十分に堪能できるのがありがたいところ。
そんなある日。
そのラーメン店の二号店が,
札幌に出店することになりました。
そのニュースを見て…
がっかりです。
味は良いし,
どんどんより良くしていこうという
コンセプトも素晴らしい。
…が。
この店主あってのこと。
店主が札幌に行ったら,
もう,この味はこの店では
楽しめないだろうな…
と思い,
なんとなく足が遠のきました。
ある時,たまたま
その店の前を通りかかり,
久々に行くと…
「らっしゃいませ~」
やたら低い声で
そのいかつい風貌の店主が
いたのです。
「札幌進出」
というのは地方都市の人にとって
「憧れ」
として見られることが多い。
だからこの店主も,
札幌に行ってしまったのだろうな…
と思いこんでいたのですが。
札幌に行くこと無く,
その地方都市の片隅,
小さな店舗にいたのです。
これには驚きました。
それから何度か訪れても,
毎回,スキンヘッドの
いかつい風貌で
「らっしゃいませ~」
を耳にし,
おいしいラーメンを腹いっぱい食べて
帰ることができました。
だから…
私が,
引っ越しで北海道を離れる際
「最後に行った」
ラーメン店はその店だったのです。
どちらが大事かは明らか
さて。
今日のお題。
品質とプロモーション。
どちらが大事なのか。
答えは明らか。
品質です。
でないと,
上述の
前者のラーメン店のように
なってしまいます。
プロモーション…宣伝において
絶対に守らなければいけない
ルールがあります。
品質以上の宣伝を
してはいけないことです。
誇大広告となり,
法令違反になります。
…が。
それだけでなく,
顧客を失望させ,
風評が広がり,
信用に取り返しのつかない
ダメージを被ります。
商売の根本から
台無しになりかねない行為です。
決して
決して
品質以上の宣伝はしてはいけない。
ですので,
品質が一定以上でないと,
そもそも宣伝すら成り立たないのです。
という大前提の上で…
現実的にはどうなのでしょうか。
世の中には,
良い品質のものよりも,
良い売り方,宣伝が出来ている方が
売れているのが現実。
よく
マーケティングで耳にするのが
社長が競合他社の商品を買い,
「なんでこんな品質のものがこんな値段するんだ」
と激怒している,という話です。
「ウチよりも遥かに品質が
劣っているのに,
ウチよりも遥かに値段が高い」
ということですね。
何よりも,
「なんでこんなモノが
ウチよりもずっと売れているんだ」
…と怒り狂うわけです。
まさに,品質よりも,
良い売り方,宣伝が出来ている方が
売れているということですね。
そして…
その現実を作っている共犯者が,
その激怒している社長だということに
本人は気づいていない。
その会社が,
本来の品質をしっかり宣伝していれば,
顧客はそんな粗悪な商品を買うことは
ないわけですから。
宣伝が下手だから,
よく見える粗悪商品を買ってしまう。
粗悪商品を世に広げる共犯者と言われても
やむを得ないでしょう。
ですから,
品質は重要ですが,
現実問題として,
売り方,見せ方も大事です。
目指すべき方向性
単純に客単価アップという観点からは
「品質改善や向上は最後の手段」
とお伝えしました。
<参照>
これは,
客単価アップの話です。
もともとの商品の魅力が
まるで伝わっていないのに,
さらに品質向上したら,
ますますマニアックで売れない
高コストな商品になるだけですから。
ですので
売り方や見せ方は
とても大事。
ですが…
売り方や見せ方に偏ると,
冒頭のラーメン店…
前者のようになってしまいます。
バランスが大事です。
ラーメン店
後者の例ですね。
お店のコンセプトとして,
ラーメンを「極めようとする」
スタンスです。
つまり,
そのコンセプトが
店の中に,しっかり書いてあります。
キャッチフレーズが,
ラーメン丼に書いてあります。
メニューに,
「以前のメニューは
アップデートしたのでなくなりました」
と書いてあります。
が。
本人が…絶えること無く
品質向上を目指し続ける
大前提があるから。
きらびやかな札幌の地へ…
なんて思いを馳せること無く,
自分の店舗で,徹底的に
味を磨き上げていく。
札幌の2号店に
店主が行くこと無く,
厨房に立ち続ける。
その姿勢が,
コンセプトと噛み合っているから,
宣伝に説得力が出るのです。
実際…
ラーメンのどちらがどのように
どれくらいおいしいか,
なんてわかりません。
ただ…その店のラーメンは
「特別感がある」
それは,
品質向上と宣伝が
しっかり噛み合っているからです。
多くの会社では,
品質が…仮に100くらいあったとして…
実際に売り方で伝わる価値は
10くらいしか無いのが現実です。
客単価アップで考えるなら
品質100のうち,
価値を90くらいまで伝えられるようになったら,
品質を150にする。
…というのが理想です。
が。
現実問題として,
品質も,
伝えられる価値も
指数化はできませんから…
売り方3
品質向上1
くらいの労力で
努力していくのがいいかもしれませんね。
数字は,上述の通り,
100の価値ある商品のうち
1割も伝わっていない会社の場合を
想定しています。
自社の事情に合わせて…
社長のあなたが,
どれくらいのリソースを
品質向上に割いて…
どれくらいのリソースを
宣伝に割くのかを
決めればいいのです。
最後に。
アイキャッチ画像は,
後者の店のラーメン。
夏季限定のつけ麺で,
がごめ昆布を練り込んだ麺です。
一番,向上しなければいけないのは,
美味しいラーメンを綺麗に美味しそうに撮る
私の撮影の腕,でしょうね…
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
アップスタッツ合同会社 経営軍師 飯山陽平
アップスタッツ合同会社のブログを
メールで受け取りませんか?
ブログ記事の内容を,メルマガで配信いたします。
ブログ記事内容とは別に,
メルマガ読者限定コンテンツの
配信もあります。
毎朝午前5時に,ブログ記事をメルマガ配信。
週2を目処に,メルマガ限定記事を配信します。
特に,ブログでは公開しづらいノウハウなどは,
メルマガ限定でご案内いたします。
今すぐ下記フォームよりご登録ください。