こんにちは。
アップスタッツの飯山です。
今日は
ある種のコミュニケーションの難しさについて
いろいろ考えたものの…
大したオチにはなりませんね。
あえて言うなら…
コミュニケーションの危機管理…
とでも言えばいいでしょうか。
わかる人にはわかる
わからない人にはわからない。
この違い。
以下,
ご確認ください。
ある税理士のボヤキ
たまたま
ちょっとしたきっかけで
税務調査の対応に関する
解説コンテンツを
目にすることがありました。
私は
現状,税務調査というものを
経験したことがありません。
昔は
毎月の売上がすごかったし…
不正をやらかす同職も多く,
業種的に徹底的に
税務調査で狙われた…らしいのですが。
私のところには来ませんでした。
お世話になっていた
税理士の信用があるからでしょうか。
さて,
税務調査ですが,
経験したことがない人には
さっぱりわからないので,
ものは試しに読んでみました。
興味深かかったのが,
解説コンテンツを書いている
税理士のボヤキです。
内容が,
「聞かれたことにのみ答える」
という項目です。
でも,
これができない人が多いから
困る…というニュアンスで
解説していました。
社長は生粋のセールスマンだから,
質問をきっかけに
税務職員に
プレゼンというか売り込みを始めてしまう…
という嘆きでしょうか。
周辺情報まで
なんでもぺらぺら喋ってしまい,
言わなくてもいいことを言い,
不用意に,相手方に
情報を与えてしまう。
…とまでは書いていませんでしたが。
ピンと来る人はすぐにわかる。
わからない人にはわからない
ということですね。
この質問に対する回答の選択肢
税務関係は
専門外なので…
全く別の質問で
この内容を解説します。
例えば…
「恋人っていますか?」
と聞かれた時に…
上述のボヤキは,
例えばここで
「いまはまだいません」
と答えるようなものでしょうか。
質問に答えるとしたら,
回答は,
Yes
No
のどちらかになります。
でも
いまはまだいません,
という答え。
これは…
恋人関係にはなっていないけど,
候補者はいる…
といった,
「周辺情報」
やその可能性を
与えてしまっていることに
気づいていないのでしょうね。
恋人云々ならともかく,
税務調査において
不用意な発言から
辻褄が合わなくなって,
より面倒で億劫な調査になってしまう
かもしれない,
という危機意識がないのでしょう。
でも…
これって,
わかる人にはわかるけど
わからない人にはわからないわけです。
なお,
上述の
「恋人っていますか?」
という質問。
答えないというのが
ひとつの正解でしょう。
質問に答えない例
別の質問で解説すると…
かつて
飛び込み営業の
撃退法として
一時期使っていたことがあります。
以前に事務所をやっていた時に,
飛び込み営業がやってきて…
いろいろと矢継ぎ早に
質問を仕掛けてきます。
コミュ障なので,
それらをうまく捌けない。
でも…
それこそまさに答える必要のない質問です。
例えば…
コピー機の売り込みで…
今コピー機を使ってますか?
メーカーはどこですか?
何年リースですか?
…といった様々なことを
畳み掛けるように尋ねると,
コミュ障だと途方に暮れます。
そこで…
ある時,
こんな返答をしました。
「その質問に答えなければならない
法的な根拠を示してください」
これを言うと,
一発で黙ります。
その隙に,追い出す
という感じでしょうか。
もっとも,
慣れてくると,
入ってきた瞬間に
追い出せるようになりますが。
答えなくてもいい質問に
答えない,
という感覚は
これで伝わるでしょうか。
こうして秘密は漏れる
15年以上前の話です。
私が法務職をしていたころ,
ある人から相談を受けました。
AさんとBさんの民事紛争で
Aさんから相談を受けました。
対応策をAさんにアドバイスしたところ
後日…
Bさんが怒り狂って
事務所に怒鳴り込んできました。
私は外出しており
いなかったので
他の事務員から報告を受けたのですが。
対応に出た事務員が
怒鳴り散らしながら
「Aさんの相談,あの答えなんなの」
と怒り狂っているわけです。
それを聞いた事務員が…
「Aさん…あー,はいはい」
と納得して頷いた,
ということで,他の事務員から報告を受け
私は,その対応に出た事務員を
厳しく叱責しました。
なぜなら…
Bさんの前で,
「Aさん…あー,はいはい」
と答えたからです。
つまり,この答えで,
Aさんから相談を受けている,
という情報を漏洩していることに
本人が気づいていないのが
致命的です。
そもそも,
目の前のBさんが
本人かどうかもわからない。
本人だったとしても,
対立当事者である。
にもかかわらず,
Aさんからの法的な相談を受けている,
という情報を漏らすのは問題です。
法律上の守秘義務違反の
範囲にはならないようですが。
(それも微妙な話ですね)
こういった
機密の扱いは
徹底的に指導したつもりでしたが,
なかなか
「センス」
によるところが大きいので難しいですね。
今日のこの話。
何が問題なのか。
わかるひとにはわかる,
わからない人にはわからないのです。
実際問題として,
日常生活で情報を守るということは
なかなか実感できないかもしれません。
ただ
守るべき情報を守れないと,
信用が失墜して,二度と取り戻すことは
できないでしょう。
頭の片隅には
入れておいて欲しい話でした。
あなたがより「アップスタッツ」な明日になりますように。
アップスタッツ 飯山陽平