先日のことです。
たまたま，
ケンタッキーフライドチキンを食べたい，
と思うことがありました。
思っただけです。
口にしていないし，書いてもいません。
ところが，翌日，外出していた家族が，
ケンタッキーフライドチキンを買って帰ってきました。
さて，ここで問題です。
この私の，
「ケンタッキーフライドチキン」
を食べたい。
そう思ったこと。
それと，翌日，目の前に，
実際にケンタッキーフライドチキンが存在したこと。
この間に，因果関係があるのでしょうか。
一昔前に，
「引き寄せの法則」
というものが，ずいぶんと流行しました。
「ザ・シークレット」
をはじめとした様々な書籍が出版。
あるいは作品によってはDVDまで販売されていました。
この，引き寄せの法則ですが，
本当に存在するのでしょうか。
ケンタッキーフライドチキンを食べたい。
この思いと，実際に目の前にある，ということ。
ここには何ら因果関係は存在していません。
家族には，
ケンタッキーフライドチキンを買ってきて，
と言ったわけでもなければメールしたわけでもありません。
たまたま，
家族がケンタッキーフライドチキンを食べたいから
買ってきた…ということであったとしたら，
それは因果関係がある，とは言えません。
では，引き寄せの法則は存在しないのでしょうか。
これは…結論から言えば，
「わからない」としか言えません。
なぜなら，
「存在しないことは証明できない」
からです。
昔，某総理大臣が，
「大量破壊兵器が存在しないことを，
自ら証明しなければならない」
という暴言を吐いたことを
覚えている人はどれだけいるでしょうか。
世の中，
存在しないことは証明できないのです。
悪魔の証明とも言われます。
つまり，
悪魔を一体捕まえれば，
悪魔が存在していることは証明できます。
ですが，
存在しないことを証明するためには，
この地球上，
あるいはこの全宇宙を
リアルタイムで完全に調べ尽くして，
それでも見つからない，
ということでなければ，
「存在しない」とはいい切れません。
だから，存在しないことは証明できないのです。
ですので，引き寄せの法則は，
証明できないからといって「存在しない」とは言えません。
ならば，どう使うか。
これに尽きます。
私は，
「引き寄せの法則」
については，ビジネスには使えない。
そう思っています。
だから，ビジネスにおいて，
引き寄せの法則を掲げる人については，
ただの詐欺師か寝言を言っている人，だと思っています。
なぜでしょうか。
ビジネスは…基本的に
「再現性」が命だからです。
例えば，チラシを作って撒きます。
すると，お客様が来る…こともあれば，
来ないこともあります。
これは，全ては原因と結果，
因果関係がわかるものです。
コピーライティングを駆使すれば，
よりよいチラシにはなります。
ただ，それでも１００％確実に集客できるかどうか，
というものではありません。
あくまでも，確率の問題です。
一番恐いものは…たまたまうまくいくことです。
具体的には，
試しに３０００枚くらいチラシを撒きます。
すると，顧客が来ました。
これを見て，
「あ，やっぱりチラシはいいんだな」
と思って，２０万枚くらい印刷して大量に撒きまくります。
すると…お客様の数が
変わらなかったらどうなるでしょうか。
大惨事という他ありません。
その，
「たまたま上手く行った」
出来事を，その背後や原因について，
ろくに検証もせずに，
「うまくいった」
と判断する。
これは，非常に危険だというほかないでしょう。
もちろん，
この反対も同じです。
チラシを撒いてみて，全く反応がなかった。
だから，
「チラシはダメだ」
と，チラシそのものを断罪してしまうこと。
これも，愚かだと言う他ないでしょう。
例えば，
新興住宅街で，
お盆休みに主婦向けのチラシを配布。
お盆ラッシュなどで，
どこかに行っている可能性が高いときに，
チラシを撒いたところで反応は取れません。
このお盆の時期にチラシを撒いて反応がなかったから，
「あ，チラシは駄目なんだな」
と思うことです。
表層の目の前の出来事は，
ただの偶然かもしれません。
必然かもしれません。
因果関係が，
目で見て判断できないだけで，
何らかの意味があるかもしれません。
ただ…その目の前の，一過性の出来事について，
「あ，これは〜なんだな」
と思うこと。
その究極系が，
ある意味「引き寄せの法則」ではないでしょうか。
念ずれば，願いは叶う。
これは否定しません。
ただ，
その願いを叶えるために必要な代償…
努力やコストを掛けるなどをして，
上手く行かせるための行動をしてこそ，
上手くいくものです。
それらを一切せずに，
たまたま上手く行ったときに，
「引き寄せの法則は凄い」
と思うこと。
これがファンタジーなのです。
上手く行ったときには，
必ず何か原因があるはずです。
それを探して，
繰り返してみて下さい。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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