コンサルティング実施の心得 その2

コンサルティング実施の心得 その2

読んで役に立つ,学びがあったと思った方は「いいね」やシェアをお願いします。

昨日は、コンサルティングを行う際には、必ず一対一で行うべきであること、そして一対一を実現するためのちょっとしたテクニックを紹介しました。
8e6d0f0b00b4a672a4ac18bde87a177f_s
今日は昨日の続きです。
その2 ですが、内容自体はほとんど昨日とある意味同じです。

私が特に心掛けていること。
それは、
【必ず本人】
を相手にコンサルティングする、ということです。

よほどの事情だったり、あるいはよほど信用あるいは信頼があって、問題にはならないという確信が無い限りは、本人以外にはコンサルティングを行ってはいけません。

もともと、司法書士として債務整理の法律相談の時によく遭遇した例です。

流れとしては、こんな感じです。

1.アポが入る
債務整理のアポが入ります。日時を決めて来所いただきます。

2.来所時に本人でないことが発覚
債務整理の場合、債務の状況を明らかにしないと、判断することができません。
そこで、本人にどこからいくら借りているのか、おおよそでいいので一通り尋ねます。
その時に、目の前の人が本人じゃなかったらどうなるでしょうか。
ありがちなのが、同居の親族です。督促の手紙や電話の多さに閉口して法律相談にきますが、これらの質問に答えられるはずがありません。

3.受託の問題
仮に、手続きの概要として、債務整理の基本を案内したとします。
親族としても、
「じゃあ先生、債務整理をお願いします」
と言われたとします。
では、これで依頼を受けることが可能でしょうか。

本人から依頼を受けずに、親族が代わりに依頼をする、などというマネができるはずがありません。
法律上、本人確認や意思確認などの義務はありますが、そんなことはこの際どうでもいいです。

本人抜きで、本人の代わりに債務整理を始めたら、どんな問題が起きるでしょうか。
確実に私自身が本人を敵に回すことになります。
なぜなら、ある日突然クレジットや借り入れがすべてストップしてしまうからです。
例えば、親族としては、浪費家で繰り返し借金する本人の尻拭いを何度もしてきたので、いい加減借金するのを防ぐために、ブラックリストに載せたいのでしょう。だからといって、それをしてしまうわけにはいきません。

4.伝言ゲームの怖さ
法律の手続きを本人ではない人…仮に親族に案内した場合、伝言ゲームの怖さが生じます。
司法書士が「できない」と言ったことを、代わりに聞いた親族が「できる」などと伝えてしまうかもしれません。
これも大きなトラブルの元になります。

今回もわかりやすさのために、法律を例に紹介しました。
では、マーケティングコンサルティングに話を戻しましょう。

会社の売上が伸び悩んでいるからといって、社長の代わりに別の取締役や一社員がコンサルティングの場に現れたらどうなるでしょうか。

もちろん、一定以上の規模の企業であれば、社長自ら…となるとは限りません。
マーケティング部門などがあるでしょうから。
でも、このブログをご覧のような方は、そのような大規模な会社を相手にコンサルティングという場面は想定いにくいでしょうから、ここでは詳細を省きます。

ありがちな問題点では、
「頑固な職人型社長」
がこれまでのやり方に固執し続けて、売上は下がる一方。
それを見かねた別の人が、売り上げを上げるために、コンサルティングを受けて実践しようものなら、どうなるでしょうか。
…某大塚家●のような問題になるかもしれません。

あそこまでの規模でなかったとしても、ちょっと考えてみてください。

例えば、夫の頑固社長ががんばっています。
妻が見かねて、友人のコンサルタントにアドバイスを受けたとします。

妻が、夫に
「〜の場合、コンサルタントに聞いたんだけど、○×のようにすればいいって言ってたよ」
などと言ったらどうなるでしょうか。

ただでさえ売上が伸び悩んで、面目がつぶれている夫の、最後のプライドを打ち砕きかねません。
男はプライドの固まりです。
例えば私のアドバイス、などと言った場合、夫からしてみたら、
「妻がよそのわけのわからん男からアドバイスを受けてきた」
ことになります。
一歩間違えたら、
「妻がよその男と一対一で会ってきた」
などという面倒な事態になることもあり得るのです。

細々と書きましたが、本人以外にコンサルティングを実施したところで、百害あって一利なし、ということはご理解いただけたのではないでしょうか。