知り合いのトレーダーが、
「見てみて!これ、皮算用表」
と言って、エクセルワークシートを見せてくれました。
投資の初期資金。
トレードの頻度と、ある程度の勝率を設定。
その上で月間何日勝つかを予測。
そのままずっとそれを1年繰り返していくと、最終的な利回りは●%、という計算表になっています。
私自身はトレードができるわけではないので、その表に書かれた内容が適切なのか荒唐無稽なのかはわかりません。
だからこそ、わからないなりに私からのアドバイスとして
「そこは、【皮算用】と言わずに【トレード計画表】と言えば?」
と伝えました。
もちろん、私のようなコピーライティングを生業にしている者としては、やはり言葉の持つ影響力をいかに駆使するか、それに尽きます。
そして、その言葉はそのコピーを読んだ顧客だけには限りません。
自分の発している自分自身に対する言葉も、そのまま影響をもたらします。
ありきたりですが、まさに「言霊」とでも表現すればいいのでしょうか。
「皮算用」
とは、ことわざ「取らぬ狸の皮算用」から来ています。
つまり、荒唐無稽で空想のような意味合いを含みます。
だからこそ、
「これ、皮算用」
などと言ってしまったら、本当に皮算用で終わってしまいます。
ですが。
「計画表」
とすればどうでしょうか。
計画である以上、うまく行くときもあるしうまく行かない時もあります。
うまく行けばそのまま続け、うまく行かないのであれば、必要な修正をすることになります。
ところが。
計画をきっちり立てる人は、かえって裏目に出てしまうこともあります。
到達したいゴールに向かって計画をたてるべきなのに、計画をきっちり立てて計画通りに進めていきたいがために、
「計画通りにきっちり進む内容のもの」
をゴールにしてしまう、という本末転倒な状況に陥ってしまうのです。
例えば。
売上アップを目標にするにあたって、現状月間で100万売れているとしたら、計画として101万円の売上を立てる…といったことになります。
でも、そもそもなぜ売上アップを実現したいのでしょうか。
単に「1万円多く稼ぐこと」ではないはずです。
これでは本末転倒なのです。
ならばどうすればいいのか。
細かな計画を一旦手放して、
「皮算用」
してみてください。
「月商で100万円が、200万円になったらどうしよう!」
こんなノリで大丈夫です。
ワクワクしたり嬉しくなるようなゴールにしてみてください。
そして、荒唐無稽な計画を立てて下さい。
きっちりとしたものは作りません。
皮算用ですから。
これで実行してみるのです。
…もちろんうまくは行かないでしょう。
でも、「うまくいくか行かないか」の二元論で考えたらうまくは言っていないかもしれません。
けれど、気がつけば月商130万円とかになっていたりするのです。
先ほどの計画通り「月商101万円」とは大きな違いです。
これが皮算用を試してみることの醍醐味でしょう。
最近はやるべきことに追われて機械のように毎日を過ごしているな、と思ったら、リハビリを兼ねて皮算用をしてみてください。