ネットで,
「強引なセールス」
を批判するような記事を見かけました。
具体的には,
「強引なセールスをしなくても売るには…」
といった感じの内容です。
これを見て,
「強引なセールスの何が悪いのだろうか」
と,ふと疑問に思いました。
もちろん,私は強引なセールスをするのは嫌いです。
なぜなら,面倒だからです。
買う気のない顧客に,強引に売り込んでも,困るのは自分です。
商品のように,一度売ったらそれで終わりというものではありません。
そこからコンサルティングやコピーライティングのために,コミュニケーションが継続するのです。
その度に,
「強引に買わされた…」
とふくれっ面のクライアントを相手にするのは勘弁願いたいところ。
ですが,だからといって上述のような
「強引なセールス」=「悪」
のようなものも違和感があります。
そこで,あらためて,
「強引なセールスの何が悪いのか」
それ以前に,
「強引なセールスってなんだろう」
と思ったので,今日の記事にします。
13年ほど前,私が司法書士事務所を独立開業した後のことです。
コピー複合機を,ヤフオクで5万円で購入。
しかし,OA機器について全く知識がない私は「メンテナンス」という発想がありませんでした。
何度もコピーしたり印刷していると,だんだん紙面に黒い筋が出てきて,ひどい状態になってきます。
仮にも司法書士事務所です。
書類は,司法書士事務所の「生産物」です。
にもかかわらず,黒い筋が出てきて,読みづらい書類。
ですが,当時の私にはどうしたらいいかわからず…
開業して間もないため,資金も売上もほとんどない状態で,途方にくれていました。
そんなある日,一本の電話が。
昔の話なので,よく覚えていません。
おそらく,売り込みのテレアポだったと思います。
よくわからないままに,会うことになりました。
セールスマンが事務所に来訪。
結局,コピー機をリース契約で導入することにしました。
そして…壊れかけのヤフオクで買った複合機を5万円で下取りしてくれることになったのです。
5万円で買ったものを,5万円で下取りしてくれたのです。
その後,調子が悪くなったらすぐにメンテナンスしてもらい…そのセールスマンとは,その時以来13年越しの付き合いです。
コピー機は3回ほど買い替えました。
あとはセキュリティ装置に,空気清浄機,業務用金庫など,様々なものを提供いただきました。
元を正せば,テレアポの一本の電話から始まった取引でありセールスです。
セールス。
そんなに悪いものなのでしょうか。
テレアポ。
強引な売り込みを仕掛けられる感じがして,印象が悪い感じ,していないでしょうか。
13年前の私は,そのテレアポに助けてもらったのです。
そう考えると,
「強引なセールス」
というものが何か,見えてきます。
1.興味がない人に対する強引な売り込み
きちんと興味関心を惹ければ,欲しくなる…かもしれません。
ですが,興味関心を惹く前から売り込むので,
「(まだ)欲しいと思っていないものを執拗に売り込まれる」
ことになります。これが「強引な売り込み」です。
2.欲しくない人に対する強引な売り込み
もっとひどいのが,明らかに欲しくないとわかっているものを,買うまで引き下がらずに,執拗なセールスを繰り返すことです。
ここまで来ると,法律問題に発展します。
実際に,このような非人道的な売り込みが頻発しなければ,
「消費者契約法」
「特定商取引法」
などといった消費者保護の為の法律は必要ありませんでした。
このように,セールスから逃れるには「買うしかない」という解決策。
これが許されざる強引なセールスです。
他にも類型はあるかもしれませんが,基本的に,この2つが許されざる強引なセールスでしょう。
では,許される強引なセールスとは何でしょうか。
それは,相手が「欲しい」「買いたい」と思っている場合だけでしょう。
欲しいし,買いたい。必要だとわかっている。
けれど,踏ん切りがつかない。決断が着かない。
そんな時だけは,思い切って,迫るセールスをするのもありです。
もちろん,大前提として,その商品やサービスの品質が優れていること。
それを買うことで顧客が今よりもずっと良い状態になる,という確信があること。
これは絶対に外せません。
それを買うことで顧客が幸せになるとわかっている。
顧客はそれを興味があるし,欲しいし,買う必要があることはわかっている。
それでも決断できない。
もし,この顧客は,その時に決断できずに買わなかったらどうなるでしょうか。
この商品を買うことで,幸せになれるのであれば,買わなければ不幸になる,ということです。
セールスに失敗すると,顧客を不幸にすることになるのです。
しかも。
顧客があなたから買わなかったら,あなたよりもずっと品質の劣った,価格の高い,価値の低い商品を「強引なセールス」で売りつけられる可能性があります。
さらに顧客は不幸になります。
だからこそ,そんな顧客には多少強引でも真剣にセールスする必要があるのです。
ただ,もちろん大前提としてマーケティングが必要です。
なぜなら,
「必要だとわかっている」
「欲しい」
と思ってもらう前段階で,「興味がある」状態をクリアしなければならないからです。
顧客が,これを買えば絶対に幸せになる確信があっても,興味関心が芽生える前に強引なセールスを仕掛けたら,1番のパターンに陥ります。
強引なセールスが許される唯一の場合は,たった一つ。
相手が欲しい状態の時のクロージングなのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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