今となっては広告は嫌われることすらできない

今となっては広告は嫌われることすらできない

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以前、あるコンテンツ動画の中で、なかなか興味深い話がありました。
それは、
「マーケッターのような話し方をしたら、ぶん殴られるだろう」
というものです。

海外でのコンテンツの話ですので、少々物騒な表現になっています。

…というところも含めて、
「大げさだなぁ」
くらいに思って聞いていました。

ただ、ある日、あるテレビCMを見ていて、
「ああ、これはぶん殴られても仕方ないかも」
と思うことがありました。

※ぶん殴る行為は暴行または傷害です。犯罪を肯定する意図はありません、念のため。

そのCMがこちら。
YouTubeに動画が残っていました。
30秒で終わるので、こちらをご覧ください。

動画が見られない方のために、内容をざっくり解説します。
CMは、ソニー損保のものです。
ある人が、ファストフード店らしきところでドライブスルーの窓口で、
「Aセットを…」
と言ったら、店員の女性が、
「自動車保険ですね、ソニー損保では…」
と宣伝を始めます。

最後に、その顧客は
「なるほど…」
と返しています。

私だったら…ぶん殴りはしませんが、怒鳴りつけるくらいのことはするかもしれません。

ドライブスルーです。そもそも車を駐めて店内に買いに行けばいいものを、わざわざ車から降りずに済むことで、手早く買える、というシステムです。

ちょっと想像してみてください。
例えば、マクド◯ルドかなにかでセットメニューを注文したら、
「自動車保険ですね?」
と宣伝されたらどう思うでしょうか。

今日のタイトル、
「今となっては広告は嫌われることすらできない」
としました。

単純に広告は嫌われる傾向にあります。
その理由。
それは、何かを買わせられるから…だけではありません。それもあるかもしれませんが、より大きな要因があります。
お金を損するから…だけでもありません。それもあるかもしれませんが、もっと大きな要因があります。

再度想像してみてください。
人間関係において、苦痛な時間とはどんな時でしょうか。

私は、かつての職場で、就業時間後に上司に連れられ飲みに行くのがたまらなく苦痛でした。
お酒は飲めるかもしれませんが、自分の自由時間を拘束され、一方的に上司の話を聞かされ続けるのです。

別の例です。
ちょうど、心理学とかカウンセリングの技術に興味を持って勉強していたことがあります。
その時に、ある女性と電話で話をしたことがあります。
内容のについて詳細はさけますが、非常に荒唐無稽な話でした。
ただ、それについてその勉強中だった「傾聴」の技術のトレーニングだと思ってひたすら聴いていたところ…2時間半同じ話が続きました。

その夜には、その話でうなされ…病気になり…自分自身が、別のカウンセリング技術の「治療」を受けることになりました。

これは一つの例です。それだけ、自分に関係ないことを一方的に聞き続けることは苦痛なのです。
それ以上に酷いのが、このCM。
自分の言ったことは無視して、相手の言いたいことを一方的に話し続ける人を、あなたはどう感じるでしょうか。
その上、相手は「なるほど…」と聞いてもらえるかのような演出です。
これが、ソニー損保のCMです。

かつて、ソニー損保を使っていたことに対して、恥を感じるCMです。

ですが、これはソニー損保に限ったことではありません。
だいたい世の中の9割以上の広告が、こんなことをやっているのです。
嫌われる…を通り越して、視界に入れようとしない、無視を通り越して認識すらされないように、現代人は最適化されているのです。

「マーケッターのような話し方をしたら、ぶん殴られるだろう」

今の時代は、そんなメッセージが多すぎて、怒りを感じることすらできないのではないでしょうか。
いちいち怒っていたら疲れます。
もしかしたら、あなたはこのテレビCMを見たことがあるかもしれません。
その時に、「怒り」を感じることはなかったのではないでしょうか。
あるいは、このブログのURLをクリックして見た時に、「怒り」を感じるほどではなかったのではないでしょうか。

いちいち怒っていられないから、人は広告をスルーするのです。

今日のタイトルは「広告は嫌われる」としませんでした。

なぜなら、今となっては、
「嫌われる」
ことすらできないからです。
嫌われるほどの注意や関心を引くことすらしないのです。

私のように、ブログのネタを探しているような人からしか注意を引けないでしょう。

最後に。
考え方次第では怖い話をします。

保険とは、文字通り「いざとなったとき」のものです。
ここでは事故があったときです。当然事故があれば心身ともに酷い状況に陥ります。
そんな時こそ、誰かに話を聴いてもらったりして落ち着きたくなることもあるでしょう。
事故という、トラブルが起きてしまった時こそ、信頼できる人に助けてほしいと思うこともあるでしょう。

事故が起きて…途方に暮れながら、なんとか電話したら…
「こちらの言うことは一切無視」
「自分の言いたいことだけをひたすら言い続ける」
かもしれません。

一事が万事です。
こんなCMを流すような会社です。
事故対応でも、同じようなことをしたところで不思議はありません。むしろ納得です。

…というメッセージが、このCMから伝わるのです。
コミュニケーションは伝わったことが伝えたことです。
何がどう伝わるかわかりません。広告主の想定したものとは全く違う意図が伝わる可能性があるのです。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平

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