「佐川」という名の売上抑制システム

「佐川」という名の売上抑制システム

「佐川」という名の売上抑制システム
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あるリース契約を締結しました。
私が関東にいた10年以上前からつきあいのある業者です。
今回も,今使っているある機材について、「3年経ったので新しくしませんか」というオファーを受けての契約です。

とはいえ,相手は東京で,私は北海道。
書類のやりとりは,「郵送」ということになります。

定義【郵送】
郵便で送ること。

定義【郵便】
信書やその他郵便法によって定められた物を国内外に送達する通信制度。日本では,従来の飛脚にかわって,前島密の提案により1871年(明治4)国営事業として発足。

ということで,いわゆる「郵便局」を使って書類のやりとりをすることになります。
…が,先方は書類を佐川急便で送ってきました。
それは仕方が無いことです。

ですが,書類の返信用封筒に,佐川急便の着払い伝票が貼られているのには参りました。

実際に,私がその書類を発送するまでの手間は次の通り。
(1)伝票に書かれた集荷専用の番号に電話→「地域限定」とのことでつながらず。
(2)ネットで,地元の佐川急便の集荷番号を調べる
(3)電話をする。
(4)住所電話番号,氏名を伝える。
(5)「本日の集荷は終わりました」と言われる(その時点での時刻は15時半)。翌日のスケジュールを確認する。
(6)「明日集荷をお願いします」と再度依頼する。
(7)「明日,ドライバーから集荷時間の連絡をします」と言われたので,その時間を予定に織り込む。
(8)翌日,15時過ぎても電話が来ない。再度電話。
(9)営業所経由で,ドライバーから連絡を受ける。
(10)時間を確認して,集荷時間を指定。受け取ってもらう。

これだけの手間がかかります。

特にイライラするのが,(5)と(8)です。
15時の時点で受付終了とのこと。
ビジネスにおいて,営業時間が15時で終わる,なんて業種はどれだけあるのでしょうか。

そして,電話する,といったにも関わらずかかってこない。
これで,平気で「本日の集荷は終わりました」などと言われかねないのが佐川クオリティという他ありません。

また,集荷時間は,事務所を留守にできず,その時間が拘束されます。
中断されるのが分かっているのですから,生産性の高い仕事を始めるわけにもいきません。

一方。
仮に,返信用封筒に切手が貼ってあったらどうだったでしょうか。

(1)事務所から歩いて30秒の場所にあるポストに投函する

以上。

そこで。
2回目に書類を送るときは,
「不在で再配達に時間がかかるので,佐川急便で送るのはやめて下さい。普通郵便が一番早いです」
「返信用封筒も切手を貼っておいて下さい」
とお願いしたところ,普通郵便で書類が届きました…しかし、返信用封筒には佐川の着払い伝票が。

つきあいが長い相手です。
これで頭にきて契約破棄…などということにはしませんが…

「切手を貼って下さい,とお願いしましたよね」
「佐川だと時間が掛かるって言いましたよね」
「それでも佐川の伝票を貼った,ということは,急がない,という理解でいいということですね」
「来週中には送ります」

と連絡しておきました。
来週末までには,1回くらい…佐川から荷物が届くこともあるでしょう。

これまでに書いてきたとおり,売上を上げるには2つの考え方がある,という話をしました。
一つは,売上を上げることをすること。
もう一つは,売上を下げることをやめること。

佐川を利用する,ということは,確実に後者の例に該当します。
それでも,佐川が生き残っている理由…それは,価格が安いから,ということでしょう。
ここに,悪魔のスパイラルが発生します。

(1)価格が安いから佐川を使う
 ↓
(2)売上が下がる
 ↓
(3)売上が足りないので,安い佐川を使わざるを得なくなる
 ↓
(4)売上が下がる

佐川側も,
(1)サービスが悪いから値引きする
 ↓
(2)従業員教育にコストを掛けられなくなる
 ↓
(3)サービスが悪化。約束した電話1本掛けることすらできないクオリティになる
 ↓
(4)上記(1)に戻る

まさに,売上抑制システム…それが佐川の姿です。

さて,ではどうしたらいいのでしょうか。
佐川がだめなら,クロネコヤマトでしょうか。
それとも,郵便でしょうか。

どちらがいいのでしょうか。

…という発想自体に,一つの問題がある,ということです。

今回のセールス担当者の問題。
それは,会社で佐川と契約しているから,佐川を当たり前のように使う,という発想にあります。

つまり,自社の「システム」を優先している,ということに気付いていないのです。

顧客には,佐川を見るだけでイラッとするかもしれない,と考えず,「当たり前」のように佐川を使っているのです。

ではどうすればいいのか。
単純です。顧客に聴いて下さい。

「返信用封筒は,着払いで佐川とヤマトではどちらががいいでしょうか。あるいは,普通郵便で送れるように切手を貼った方がいいでしょうか」
という感じです。

何から何まで,顧客の都合に合わせる…ということが正しいとは限りません。
ですが,配送方法に特別のこだわりがないなら…これくらい聴くのも手ではないでしょうか。

ここでのポイント,それは
「顧客に尋ねる」
ということです。

顧客に聞けば
「佐川を見るだけでイライラする」
なんて声がいくつか集まるかもしれません。

すると,
「あ,佐川を使うとヤバいんだな…」
ということがわかります。

分かれば…佐川を使うことは回避できます。
これにより,1つ
「売上が下がることをやめる」
ことができた,ということです。その結果、売上は改善します。

売上自体は単なる数字です。
数字を見ていれば,売上が上がったか下がったかはわかります。

ですが,売上が下がった時に,
「なんで売上が下がったのか」
という理由は,数字を見ているだけでは分からないのです。

そんなときの1つが,顧客に訊くことです。
今,当たり前のようにやっていることについて,不平不満がないかどうか,聴いてみて下さい。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平

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