「感動のサービス」という吐きそうなほど気持ち悪いコンセプト

「感動のサービス」という吐きそうなほど気持ち悪いコンセプト

「感動のサービス」という吐きそうなほど気持ち悪いコンセプト
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10年以上前のことです。
東京都港区青山に,ある「感動系レストラン」に行ってきました。

感動系…とは,そこのお店はサービスが行きどといて…を通り越して,想定を越えるサービスで感動してもらえるようなサービスを心がけているようです。

そのレストランのオーナーの著書を読んだことがあります。
報告事項は,
「今週は何人の顧客を(感動で)泣かせたか」
だけ,だそうです。

実に気持ち悪い方針です。

当時,マーケティングを学んでいた仲間,約10人くらいと,
「あの有名なお店に一度行って,実際に体験してみよう」
ということになり,私もそのイベントに参加しました。

感動してもらうことを期待する…ということは,極めてハイリスクです。
なぜか。
「感動」とは,相手の想定を遥かに大きく上回ることになるからです。

数値化できるわけではありませんが,わかりやすく数値化します。

一般的なお店で10のサービスを想定して,お店に言ったとします。
実際に10のサービスを受けたら,どうなるでしょうか。
「想定通り」です。
不満にもならなければ良い印象にもならないでしょう。

仮に11のクオリティのサービスを受けたら,
「思ったよりちょっと良かった」
サービスとなります。

15以上だったら,想定を大きく超えた…と言ってもいいでしょう。

一方10を想定して9だったら…「残念な店」という印象になるでしょう。

では,感動系を目指すことのなにがハイリスクなのでしょうか。
「感動」を売りにする,ということは期待の想定値が,初期段階から高いのです。
50くらいの期待を想定して来店する顧客が当たり前,という状況になりえます。

10の期待に対して15というのは,1,5倍です。
10の期待で来店した場合は,相手の期待を+5上回るだけで十分に想定外になります。

ですが,50に対して55というのは,1.1倍です。
+5でも,ただの誤差程度でしょう。
きっと,
「思ったほどのサービスではなかった」
という印象になることでしょう。

もう一つ大きなリスク要因があります。
はじめから50の期待をもって来店する…ということは,それだけ高いレベルのサービスが要求されるのです。
50の期待を上回る…ということは,他の全てが完璧で,それ以上に上積み要因がある,ということでもあります。

…ということは,何か本当に些細な事でも,マイナスな事があった場合,普通の店では気にしないことでも,
「感動なんて言ってるけど,所詮この程度のこともできないのか」
と言うことになります。

他の店では,1の減点にならないようなことでも,このような感動系のお店では,ー30くらいの減点要因になるでしょう。
つまり…致命傷です。

何から何まで完璧で,一切ミスすることが許されず,さらに上積み要因が必要。
そんなサービスを目指すのは,本当にハイリスクです。

例えば,私の場合,その感動系レストランに行って,不愉快なことがありました。
入店時に,荷物となるカバンは預けるように言われたのです。
日頃から荷物が多く,何かと出し入れする頻度も多い身としては,預けたくありませんでした。
そこで,預けるのを拒否して,そのまま入店。
座席の下にカバンを置いて,食事をしていました。

親しい仲間10人と一緒の来店です。
お手洗いまでカバンを持っていこうとまであ思わなかったので,座席の下にカバンを置いて,そのままお手洗いへ。

戻ってくると,カバンが無くなっていました。

真っ青になって,両隣の友人に聞くも,特に注意を払っていなかったようで,カバンの有りかはわかりません。
右往左往していると店員が寄ってきて,
「お鞄ですが,こちらで預からせていただきました」

その店員に向かって,
「この泥棒が!」
と怒鳴りたくなったのは,10年以上経った今もよく覚えています。

「感動系」の何が気持ち悪いのか。

ネット上で,「フラッシュモブ」に関して有名な逸話があります。

あるカップルが結婚式を挙げる際,新婦さんは「フラッシュモブは嫌いだから絶対にやめて欲しい」と言っていたにも関わらず,新郎の判断で,フラッシュモブを決行。
離婚になったそうです。

フラッシュモブは,サプライズの感動演出です。
多くの場合は,喜んでもらえると思って実施するのでしょう。
ですが,嫌な人はどこまでも嫌です。
ですが「きっと相手(新婦)は喜んでもらえるに違いない」と思って,決行したのです。
これは感動ではなく,ただのエゴの押し付けです。

感動を売り物にすることは実に気持ち悪いものです。
なぜなら,
「感動とは顧客個人が感じるもの」
です。それを【売り物】にされると,お店から感動をお仕着せさせられるようなものです。

極端な言い方をすれば,
「あなたはどんな人かわからないけど,でもとりあえずこうしておけば喜んでもらえるよね」
ということのシステム化の行き着いた先が,
「感動を売り物にする」
ということではないでしょうか。

結局のところ,お店のエゴを押し付けられているだけ。
実に気持ちが悪い。
二度と行きたくないし,その店が話題になるたびに,
「あ,あの店はやめたほうがいいよ」
と言うようにしています。

ではどうしたらいいのか。

感動を目指す前に,
「何があっても不快な思いをさせない」
方が,何十倍も大切です。

例えば…私の誕生日に,家族と食事に行きました。
いつもより少し贅沢なお店で,和食を食べに行きました。

非常に個人的な話ですが,私は「温かいうどんや蕎麦」は大嫌いです。
本当に嫌いで,そんなものは食べないほうがマシです。
かけうどんやかけそばは,30年以上食べたことがありません

注文したメニューに「うどん」も含まれていたセットメニューだったので,当然,冷たいものを指定。
ですが,なぜか温かいものが出てきました。

これは極めて不愉快です。
(1)間違って注文したかな,と自分を疑う
(この場合であれば,【この私】が温かいうどんを注文するはずがない,という確信はあります)

こともあれば,
(2)店員が間違ったのであれば,その対応そのものが不愉快
です。

それ以上に不愉快なのは
(3)お金払って大嫌いなものは食べたくない。けれど,作り直しさせたら,このうどんは捨てられる。食べ物を無駄にすることに対して罪悪感を覚える。自分が我慢して温かいうどんを食べれば無駄にしなくてすむ。けれど,温かいうどんなど絶対に食べたくない
という葛藤に陥ることです。

やむを得ず,交換してもらいましたが…
「あの店には二度と行かない」
と心に決めました。

良いサービス以前に,注文したものを正確に届ける。
こちらのほうが優先されるべきことです。

感動を呼ぶ前に…まずは,不快な思いをさせない。
その積み重ねが,いつか「感動」にたどり着くのです。
感動を売る。それはお店のエゴであって,唾棄すべきものでしょう。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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