絶対にやってはいけない値段設定

絶対にやってはいけない値段設定

絶対にやってはいけない値段設定
読んで役に立つ,学びがあったと思った方は「いいね」やシェアをお願いします。

こんにちは。
札幌市近郊を中心に活動する集客代行業,
アップスタッツ経営研究会,
セールスコピーライターの飯山です。

 

 

何年も前のことです。
ある工作物を作っている人に、
「それいいですね」
という話をしたら…

 

それを「注文」したように誤解を受け、
「頼まれたとおり作ってきました」
とのこと。

 

まあ、それはそれで良かったのですが、
問題は値段。

 

私の
「いくらですか?」
という問いに、
「ご自身で思った金額を払って下さい」
とのこと。

 

 

先日、テレビである温泉旅館の特集を組んでいました。
その旅館は、宿泊料金を顧客が決めて支払うとのこと。

 

 

旅行会社を通して予約した場合は、
1万3000円〜2万円程度とのことでした。

 

ただ、その旅館に直接予約をすると、
値段は自分で決める事になります。

 

これまで払った金額のうち、
最低金額は100円から、
最高金額は8万円。

 

 

実際、その旅館に泊まったお客様の声として、
「困る…」
という意見が多々ありました。

 

 

さて、今日のテーマは、
「絶対にやってはいけない値段設定」
です。

 

それは、値段設定を顧客に委ねるということ。

 

なぜいけないのでしょうか。
3つの理由があります。

 

1.顧客に苦痛を与える

旅館とは違う別の例で解説します。
アレンジメントされた花束。

 

その花束を
「この花束について値段は自分で決めて下さい」
と言われたらどうなるでしょうか。

 

 

まず、その花の種類がわかりません。
せいぜい、
薔薇っぽい花を「これは薔薇だな」
くらいしか判断できません。

 

それぞれ1本あたりの
仕入れ価格がいくらするのか。

 

季節変動がどの程度あるのか。
全部で何本あるのかも数えなければわかりません。

 

花束を作るのに包装するための紙なども
いくらするのかわかりません。

 

 

そして、
アレンジメントしてもらうにあたっての、
その人の報酬もどれくらいが妥当なのか、
さっぱりわかりません。

 

 

これを書いている私自身、
花のアレンジメントなど全くわからないので、
他にも考慮すべきポイントがあるのかもしれません。

 

 

それらの前提知識が全く無い上で、
「これ、いくらだと思いますか?」
という問いは、
顧客に対してあまりにも酷い仕打ちという他ありません。

 

 

顧客にかぎらず、
人は考えるという作業を苦痛に感じます。

 

発明王トーマス・エジソンは、
「人は考えるという真の労働を
避けるためならどんなことでもする」
という言葉を残しているくらいです。

 

 

それくらい考えるという作業は苦痛なのです。

それを、
前提知識が全く無い顧客に強いるのは、
非人道的という他ありません。

 

 

旅館も一緒です。

 

宿泊において、
必要なコストはどれくらいなのか。

 

何人くらいの人が雇われていて
その人達の人件費はどれくらいなのか。

 

タオルやシーツなどの
クリーニング料金はどの程度なのか。
料理の仕入れ価格はどれくらいなのか。

 

 

まったく知識がない状態で
判断しろ…と言われても、
判断しようがありません。

 

それでも「考えさせられる」のですから、
苦痛です。

 

 

旅館の価値とは何でしょうか。

 

その旅館で
「ゆっくりくつろいだ時間や体験、その思い出」
ではないでしょうか。

 

その旅館の顧客に苦痛を与えるというのは、
言語道断です。

 

 

2.絶対評価

上記1とほぼ似たような話ではあります。
人は、何かを判断する時に、
「比較」します。

 

 

例えばラーメン。
このラーメンは食べて旨い、
いまいち…などと判断する時に、必ず

「あの大好きな〜店の〜ラーメンと比較してイマイチ」
「この前食べたあの酷い〜ラーメンよりは、ずっとマシ」

などと比較します。

 

 

人は比較する生き物なのです。

 

しかし、価格は比較ではなく絶対評価です。

1万円なら1万円、2万円なら2万円、という、
数字になるのです。

 

 

顧客は、
1万円という価格提示
に対して、それを高い低いで判断します。

1万円という価格提示に対して
「低い」と感じれば…すなわち1万円を安い、
と感じればこそ、
それを「(価格に対して)良いサービスだ」と
判断するのです。

 

 

その前提たる価格を顧客に判断させるのは…
本末転倒という他ないでしょう。

 

 

3.詐欺罪

例えば、
コンビニで、1000円の買い物をする時に、
5000円札を手渡したとします。

 

店員が、
1万円札を受け取ったものと勘違いして、
お釣りを9000円渡してきたとします。

 

それを「ラッキー」と思ってそのまま持って返ってきたら…
それは刑法の詐欺罪に該当します。

 

※気が付かずに、
そのまま9000円持って返ってきてしまったら、
詐欺罪ではありません。

 

 

5000円多く受け取っていることに気付いていながら、
返さなかったことが、
刑法上の規定に抵触するのです。

 

 

さて。
例えば、
旅館側で1万円が妥当…
と考えているにも関わらず、
顧客に値段を決めさせたとします。

 

その結果、顧客が3万円を支払ったとします。

 

 

これは、顧客の無知につけ込んで、
より多くのお金を巻き上げる
「詐欺」同然の行為ではないでしょうか。

 

 

もちろん、
旅館は嘘を付いているわけではないですから、
騙しているわけではありません。
詐欺罪は成立しません。

 

ですが、
それは刑法上の規定に該当しないだけであって、
顧客の無知につけ込んでお金を巻き上げている、
ということ自体は何ら否定出来ません。

 

 

そのような、
人の道から外れた行為は許されるのでしょうか。

 

 

以上、
顧客に値決めをさせてはいけない
3つの理由でした。

 

 

もちろん、
マーケティング・リサーチの一環で、
「いくらくらいが妥当だと思いますか?」
などと聞かれることはあるかもしれません。

 

それは,あくまでもマーケティング・リサーチです。

その回答に「責任」はありません。

 

ですが…
自分で価格を決めて、自分で払う…
というのは,経営者側が値決めの責任を
顧客に転嫁しているだけなのです。

 

 

今後、
もし顧客側に値段を決めさせられる場面に遭遇したら…
自信を持って1円玉1個手渡して下さい。

 

 

どんな価値があろうと、
顧客に苦痛を与えている慰謝料と相殺すれば、
1円でも高いくらいです。

 

 

今日のテーマに関連する記事はこちらです。
あわせてご覧ください。

 

価格に関するアプローチ3つのポイント

価格設定に関する1つの間違い要素

パッケージ料金のススメ

アップセル・クロスセルをする真の目的とは何か

値引きに必要なリアリティという考え方

 

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
 

 

 

アップスタッツ経営研究会のブログを
メールで受け取りませんか?

ブログ記事の内容を,メルマガで配信いたします。
また,メルマガ読者限定のご案内もあります。
今すぐ下記フォームよりご登録ください。

メールアドレス *
お名前 *
全角文字で入力してください。

 

ブログに感想やコメントをいただけませんか?

ブログの感想,意見,あるいは,
こんな記事を読みたい,
「○×について,どう思いますか?」
といった質問やリクエストなどを,
お気軽にお寄せください。

 

コメントの方法は2つ。

1つは,このページ一番下の投稿フォームにコメントしていただくこと。
もうひとつが,コメント投稿フォームに入力いただくこと。

 

いただいたコメントを元に,
今後の記事執筆に反映させていきます。
「よくわからなかった」「おもしろかった」「むずかしかった」「参考になった」
など,一言でもいいので,お気軽にコメント,お待ちしております。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください