「今日は●●に行ってきました。楽しかったです。」
「今日は■■を食べました。おいしかったです。」
子どもが無理強いして書かされる、夏休みの日記のような一文です。
センスも工夫もないも感じられないこの一文。
最近はSNSの台頭によって、たまに見かけるようになりました。
だからといって、文学作品のような、凝った…を通りすぎて、何を言いたいのかがわからない一文もあります。
有名な例では、夏目漱石の
「月が綺麗ですね」
でしょうか。
その言葉の由来を知っていれば通じますが、そうでなければ、文理解釈することで意味不明な状態に陥ります。
さらに、この一文に対しては、別の一文があり…それで返すのが様式美のようです。
男「月が綺麗ですね」
女「死んでもいいわ」
…文理解釈すると、全く意味がわかりません。
このような、凝った表現はもはや意味不明になりうる可能性もあります。
だからといって、冒頭の小学生のような表現も避けたいところです。
コピーライティングにおいては、いくつかの目的があります。
当然ですが最終的には「行動」してもらうこと、となります。
ですが、その前段階として、いろいろな目的があります。
例えば、「信じてもらうこと」がその一つ。
コピーで、どれだけその商品やサービスの良さを主張したところで、信じてもらえなければ、次の「行動」には繋がりません。
いかに信じてもらえるかどうか。
そこで問題になるのが、冒頭の話なのです。
小学生の日記のように、単純に
「今日は…楽しかったです」
「今日は…おいしかったです」
では、信じでもらえません。
特に、小学生に売り込むのではなく、大人に売り込もうとする時に、このような一文があったら、信ぴょう性は一気に無くなります。
だからといって、凝った言い回しをすれば…それもまた怪しいというものです。
文学作品のような、何を言いたいのかわからないような、読み手に高い教養を要求するものも、コピーとしては不適切。
ではどうすればいいのか。
一つの方法があります。
先日、テレビCMで、こんな一言がありました。
ある映画の宣伝です。
観た人の感想を一言。何人かの感想が述べられていました。
そこで
「楽しかったです」
「おもしろかったです」
などと言ったら…【言わされている感】たっぷりで、よほどつまらない映画だったんだな、という印象になるでしょう。
ですが、この何人か感想を述べたうち、最後の一言に圧倒されました。
CMなので、適当に聞き流していたのですが、最後の人の一言。これはコピーライターが考えて思いつくようなレベルの一言ではありません。
それは。
「コンタクトが3回外れました」
実際に、一字一句このような表現をしたかどうかは覚えていません。
概ねこのような表現です。
とはいえ、この一言は圧倒的な説得力がそこにあります。
どこかの総理大臣が
「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」
と言って有名になりました。
これはこれでインパクトはあったでしょう。
ですが、映画の感想で
「感動した!」
と言っても、ここまでの説得力はありません。
しかし。
「コンタクトが3回外れました」
というのは、本当に感動した、ということが暗黙のうちに伝わります。
実際、このコンタクトが外れた方は、それだけ感動したのでしょう。
けれど、「感動した!」と言わずに「コンタクトが3回外れました」の方が説得力があります。
なで、ここまで説得力があるのでしょうか。
それは、
「事実」
を伝えているからです。
意見や感想ではなく、事実を伝えているのです。
「感動した」
というのは、解釈次第では「事実」かもしれませんが、非常に主観的です。
個人の意見のように聞こえるでしょう。
ですが、
「コンタクトが3回外れた」
のは、事実です。
なぜ3回外れたのか。
それは、涙を流したからです。
なぜ涙を流したのか。
それは映画を見て涙を流したからです。
このような背景を、
「コンタクトが3回外れました」
という事実を伝えることで、一気に伝わるのです。
信ぴょう性を生むコピー。
それは、ひとえにどれだけ事実を伝えられるか、ということです。
自分の主観や感情をそのまま伝えていないでしょうか。
もう一度見なおしてみてください。
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