チラシにはいくつ商品を載せるべきか

チラシにはいくつ商品を載せるべきか

読んで役に立つ,学びがあったと思った方は「いいね」やシェアをお願いします。

新聞の折込に、通販生活のチラシが入っていました。
かの日本トップクラスのコンサルタント、神田昌典氏も
「通販生活は商売人の教科書」
と述べています。

チラシの中身一つ一つを見ていくと、ずば抜けたコピー、ということではありません。
ちょっと残念に感じるコピーもあります。
あるいは、
「ここで、コレを書いたらダメでしょう」
というチラシの箇所もあります。

それでも、全体的にみたら、
「ああ、さすが通販生活」
と感じる内容になっています。

通販生活では、独自のガイドラインを設定して、様々な商品を売っています。
しかも、他所では手に入らない独自商品も多数。
特に、贈り物をするときなどに活躍しています。

そんな通販生活の、数多くの商品の中から、今回のチラシで販売している商品はいくつあったのでしょうか。

素晴らしいと思った点。
それが、この数。
たった1つです。
(厳密には、雑誌「通販生活」も紙面上で販売しているので1つとは言い切れないのですが…)

数多くの商品の中で、たった1つ、掃除機だけを販売しているのです。

電器店などのチラシでは、紙面上に、無数の商品を大量に掲載。
値段と商品の写真、商品名くらいしか載っていない…そんなチラシをよく見かけます。
特に、金曜日や土曜日などに、大きなB3版の大きなチラシなどで、大量に商品を載せているチラシばかりです。

ところが、通販生活では、たった1つしか商品を載せていません。

この1つに絞り込む。
たったこれだけのことですが、これができていないチラシがほとんど。

チラシで反応率を上げる、シンプルな対策は、商品やサービスを1つに絞り込むこと。
たったこれだけです。

広告には浸透率というものがあります。
その広告のメッセージがどれだけ相手に届いたか、という考え方です。

1つのチラシで1つの商品にした場合、浸透率を仮に100とします。
(100%浸透する…などありえないのですが…あくまでも仮の話です)

2つの商品を掲載した場合、それぞれの商品について、浸透率は50,50となるのか。
そうはならないのです。
より減衰してしまうのです。

それぞれが20とか10とかまで減衰します。

複数の商品を載せても、それだけ相手の印象には残らないのです。

それでも大型電気店などでは大きな紙面にたくさんの商品を掲載します。
その理由は何なのでしょうか。
大型電器店のマーケティング担当者と話をしたことがあるわけではないので、その理由はわかりません。
あくまでも推測です。

理由は2つあります。
1つは、「たくさんの品揃えがある」ということをアピールしたいこと。
もう1つは、「たくさん掲載すれば、それを見た顧客が欲しいものにヒットする確率が上がる」だろうと考えていることです。

確かに、これはこれで一理あるのかもしれません。
ただ、ちょっと考えてみてください。

あなたはチラシを見る時に
「この中に私が欲しいものはあるだろうか」
と考えてチラシを見るでしょうか。

おそらく無いのではないでしょうか。
「最近、洗濯機の調子が悪い。買い換えるならいくら掛かるのだろうか…」
といった、具体的に興味のある商品があって、初めてチラシを見るのではないでしょうか。

この大型電器店のチラシは、
「欲しいものがある」
という前提に立って作られているのです。
独りよがりな考え方です。

一方。
通販生活では、
「4月から一人暮らしを始める大学生、新社会人にもおすすめ」
と明確にターゲットを決めています。
そのターゲットに対し、その掃除機がいかにこれらの人にとってメリットのある商品なのかをアピールしています。

では…どちらがより印象に残るのか。
通販生活のチラシは、
「4月から一人暮らしを始める大学生、新社会人」
ではない人にはまったく印象に残らないかもしれません。
ですが、それでいいのです。

結局、大型電器店のチラシは、そういったアピールの仕方しかしていないので、最終的には値段勝負に鳴ってしまうのです。
資金力があり、値下げで対応できる企業の売り方、ということになるのです。

そうではなく、商品が「その人にとってどれだけベネフィットがあるのか」をアピールして、「その人に」適正価格で買ってもらう。
それには、きちんと文字数を費やして説明しなければなりません。
だからこそ、1つのチラシに1つしか商品を掲載できなくなります。
ですが、それでいいのです。

余談です。
チラシの1枚目に、お客様の声として2人の写真が。
一人は98歳の老婆。
もう一人が中年の女優。

「4月から一人暮らしを始める大学生、新社会人」
向けに、この2人をお客様の声として起用するのは…そこは残念です。
98歳の老婆にとってのメリットが、若い人向けのメリットにはならないでしょうから…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください