ここ数日,あまりの歯痛に夜眠れない日が続いていました。
数ある痛みの中でも,歯痛というのは…なんというか格別です。
コピーライターらしく,もう少し気の利いた言い回しができればとは思いますが,痛みを情緒的に表現しても意味はないですので,話を戻します。
日頃から,肋間神経痛,腰痛,頭痛の三重苦を抱えている身。
ある程度痛みには悪い意味で慣れてしまい,鈍くなっています。
だから,
「痛くて眠れない」
という現象は,ある意味非常に新鮮な体験でした。
…二度と体験したくないのですが。
そして,今日もこの後痛くなる可能性は十分にあるのですが。
さて。
今日はコピーライティングらしく,痛みについて掘り下げて思ったことを書いていきます。
歯が痛い,ということはどんな問題があるのでしょうか。
単純に「痛いこと」そのものが問題であることは言うまでもありません。
しかし,問題の本質はそこにはありません。
歯が痛いことが,どんな問題を引きおこすのでしょうか。
例えば。
私は昨日久々にセミナーを開催しました。
受講生の前でいろいろと話をしました。
歯が痛いと言うことは,普段ほどは呂律が回りません。
しゃべる仕事において呂律が回らないのは信用問題です。
どこかの政治家みたいに,呂律が回らなかったことを理由にひたすらマスコミのバッシングにさらされるということはないでしょうが,困った事態ではあります。
または。
セミナーをするということは,ある意味質疑応答などがあった場合,その場で回答しなければなりません。
セミナーコンテンツならば事前に用意できますが,個別具体的な事例に基づいて質問があった場合は大変です。
文字通り公開コンサルティングに近い現象が起きます。
そんな状況に,歯痛を抱えたまま臨むハメになるのです。
あるいは。
歯が痛いと,ビジュアル的に問題を抱えることになります。
タダでさえいい年したおっさんな見た目です。
そんな私が,顔を腫らして人前に立つわけです。
これもセミナー講師としては問題でしょう。
セミナーだけではありません。
他の仕事をしていたとしても,仕事の精度が下がったり,思考能力が低下したりします。
何よりも,何かをする意欲が下がります。
そして何より。
夜眠ることができないのです。
夜眠れなければ寝不足のまま仕事をすることになります。
コピーライターにとって,睡眠不足は大敵です。
生産性に直結します。
これ以上書いても仕方が無いのでこれくらいにします。
ざっくりまとめると,歯痛に自分の注意力の大部分が持って行かれることになります。
そこで。
話を戻します。
「歯が痛い」
ということは,痛いことそのものの問題では済まされないと言うことになるのです。
そして。
歯科医の仕事は何でしょうか。
例えば「虫歯の治療」ということがひとつです。
これが一番基本でしょう。
今やコンビニよりも数が多いと言われる歯科医。
何処の歯医者も虫歯を治療するのはある意味当たり前です。
何処の歯医者も「虫歯を治療します」などと言っていたとしたら,全く差別化できなくなるのです。
そこで,歯痛の本質に掘り下げた上で,歯科医が解決できる問題とは何でしょうか。
先ほどの例ならば,
「仕事における生産性の低下を防ぐ」
ということになります。
ならば,
「仕事における生産性の低下を防ぐ」
為に,歯科医がどんなサービスを提供している,と謳えばいいのでしょうか。
やることは「虫歯の治療」です。ここまでは同じです。
でも,例えばこのような打ち出し方をしたらどうでしょうか。
「当院はビジネスパーソン専用の歯科医院です」
「忙しいビジネスパーソンの為に,生産性低下を防ぐためにできることをします」
「予約時間通りにお越しいただいた方には,必ず5分以内に治療を開始します。待ち時間はビジネスパーソンにとって無駄でしかないからです」
「治療中に痛みを感じさせない,というのは不可能ですが,当院の外で痛みを感じさせないことを中心に治療方針を立てます」
「定期歯科検診を事前に予約いただいた方には,●%割引します。虫歯になって生産性を落とさないために努力をしているビジネスパーソンの心構えに敬意を表して,割引させていただきます」
オフィス街でこんな広告宣伝したら…多少腕がイマイチでも,行きたくなります。
特に待ち時間が5分以内,というのは非常に魅力的です。
このように,自分の提供しているサービスが何なのか。
単に
「虫歯の治療」
で終わらせずに,その奥にある本当の問題は何なのかまで踏み込んで考えること。
本質を知ることが,差別化に繋がるのではないでしょうか。
最後に。
同じような宣伝文句をされたら差別化できないのではないか,と思うかもしれません。
ですが,確率論的にそれはまずあり得ないでしょう。
実際にこのブログを読んで,そのまま実行する歯科医が複数いる…あまりにも非現実的です。
結局,ほとんどの人が
「やればいいと分かっていながら行動できない」
のです。
そんな中でやった人だけが,これまでと違う「結果」を享受できるのです。