Facebookのニュースフィードに,月の写真が大量にアップされています。
あまりよくわからないのですが,スーパームーンだとかで,六十何年ぶりなのだとか。
個人的には,それらの投稿で,六十何年後には,「生きている」と言っている人と,「これが最後」と言っている人の違いに,少し興味を惹かれました。
もちろん私は後者です。
興味を惹かれたのは,それだけ…でした。
スーパームーン?
そんなもの,興味などありません…でした。
妻から一緒に月を見に行こうと誘われても,面倒だから…と断りました。
ですが。
本当に興味が湧いたのは,ここから先の話です。
Facebookに,大量に月の写真がアップされているのを見ると…
その月の写真と共に,それぞれ思うことを書いている人たちの投稿を読むと…
六十何年ぶり?
コレで最後だし…?
本当に見なくてもいいのだろうか…?
このような疑問が浮かんできたのです。
この気持ちの変遷。
この根本には何があるのでしょうか。
全米屈指のコピーライターにして,「億万長者メーカー」と称賛されるマーケティングコンサルタント,ダン・ケネディによれは,
「セールスコピーのどんなパーツにも、売るための目的が潜んでいる。たいていにおいて、それは感情ファクターに結びつくものである。」
と言っています。
前後の文脈を考えずに引用しているので補足します。
どんなパーツにも,売るための目的が潜んでいなければならない,ということです。
そして,それは感情ファクターに結びついていた方がいい…ということです。
この感情ファクター。
いくつかあります。
いくつかあるうちの1つを紹介します。
それが「羞恥心」です。
人は恥をかきたくないのです。
恥をかく…恥ずかしい思いをする…これはどういうことでしょうか。
定義【はずかしい】
自分の欠点・過失などを自覚して体裁悪く感じるさま。面目ない。
いくつかある定義の1つを紹介しました。
この心理の奥に何があるのか。
それは,自分が劣っていて,他人が勝っている,という状況に対して心地よく感じないことを意味します。
仲間はずれにされたくない。
後れを取りたくない。
格好悪いと見なされたくない。
愚かと見なされたくない。
負け犬や無様に論破される側に分類されたくない。
こんな感じでしょうか。
ですので,人が流行りに敏感だというその裏にあるのは,この羞恥心でもある…と言えます。
すなわち,流行に対して「後れを取りたくない」という心理です。
スーパームーン。
全く興味はなく,寒いし面倒だから外に見に行く気はない。
…そう思ってました。
けれど,Facebookのニュースフィードに続々と上がってくる月の写真を見て,なぜか興味を惹かれて自分も外に行ってみようかな…と思ったその心理の背景。
それが,羞恥心。すなわち「後れを取りたくない」という考え方だといえます。
選挙も似たようなもの,でしょう。
浮動票が選挙を左右することがあります。
その浮動票とは何でしょうか。
誰に投票するか決まっていない…はずがないのです。
決め兼ねているわけではないのです。
情報が足りていないのです。
情勢を判断しかねているだけです。
どちらに投票しようか迷っているのではなく「どちらが勝つのか」がわかっていないだけです。
直前の形勢を見て,投票するということになります。
なぜなら,「負け犬」に投票するような,無様なマネはしたくないのですから。
今回は,ダン・ケネディの紹介する感情ファクターの1つ,「羞恥心」を紹介しました。
他にも人間の欲求や心理的原動力を解説した例はいくつもあります。
代表的な1つでもあります。
共通点は,「人間は感情で決断する」ということです。
論理的ではなく,感情です。
100%感情で決めるのです。
これを知っておけば…コピーで,論理的に説得する,という愚を犯さずに済みます。
人間は感情の生き物だから,感情に訴えた方が効果的なのです。
その感情ファクターの1つが,羞恥心なのです。
後れを取りたくないという気持ち。
多かれ少なかれ,誰にでもあります。
これを上手くコピーに取り入れてみて下さい。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
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