売り手としての義務を果たしていますか?

売り手としての義務を果たしていますか?

売り手としての義務を果たしていますか?
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少々面白い話を聞きました。

あるセラピストから聞いた話です。
そのセラピストは,1回でヒーリングを完了するのだそうです。
1回で必ず完了するのだとか。
つまり,必ず完璧に治療するのだそうです。

そのセラピストの悩みは,
「リピートしないこと」
なのだとか。

マーケティング的に考えて,
「リピートしないビジネス」
というのはそれだけ不利になります

そういう視点で考えた時に,このセラピストはリピートからの売上が入らないので困る…常に紹介を求めるばかりになってしまう…というようなことを言ってました。

そこで,
「本当に治るのですか?」
とか,
「月100時間くらい残業しても,元の状態にもどらないのですか?」
とか,いろいろ聞いてみたのですが,完璧に治る,とのこと。

その仮にその症状は完璧に治るからといって,他の症状が出るかもしれません。
…ということを聞いてみたのですが,
「そんなことを言うと,それが言霊になるからいいたくない」
のだそうです。

さらにいくつか聞こうとしたのですが,
「もういいですか」
と無理やり会話を打ち切って去っていきました。

非常に興味深い会話のやり取りでした。

少なくとも,本人は,紹介されるくらいのことは言ってましたが,私としては,この人に対しては絶対に自分の知り合いは紹介したくない…しみじみ感じました。

個人的な印象としては,いわゆる「いかに自分が完璧なヒーリングが出来るか」ということを遠回しに自慢しているだけで,リピートしないことに対する問題意識は感じていないのだと思われます。

ですが,今日の主題とは関係ないのでそれは省略します。

今日のテーマは,「売り手としての義務」です。

もちろん,不動産販売などであれば,瑕疵(かし)担保責任など,売り手側に様々な責任が課されます。
そういう意味での義務は,ここには含まれません。

売り手側の義務。
それは単純に,
「クライアント(顧客)にとって必要なものを必要な量売ること」
となります。

「売る」という表現は不適切かもしれませんが,わかりやすい例として,医師の処方する薬というものがあります。
必要な薬を必要な量売ることが大切です。

例えば,怪我の際の痛み止めを処方する場合,診断では痛みが1週間続く…と言う見立てであれば,1週間の間に訪れるであろう痛みを和らげる分を処方することが必要な量と言えるでしょう。

では,痛み止めを1回分しか処方しなかったら,必要な量を販売したと言えるでしょうか。
あるいは,3ヶ月毎日服用できるだけの量の処方をした場合,それは必要な量と言えるのでしょうか。
いずれも,「必要な量」とは言えません。

先程のヒーリングの例の場合…仮に,本当にその1回のヒーリングで完璧に治癒したとします。
では,それで売り手としての義務は果たしたと言えるのでしょうか。

確かに,その時のヒーリングでは完璧に治療されたかもしれません。
ですが,その後階段から落ちる…なんて可能性があるかもしれません。
あるいは,雪で滑って転ぶこともあるかもしれません。

どれだけ完璧なヒーリングが,本当にあったとしても,未来に起きるであろう痛みまで治せるはずはないでしょう。

だとしたら,顧客に連絡をして,
「最近,調子はいかがですか?」
とコミュニケーションを取り続け…もし何かあれば,また必要な施術を行う…というのが売り手の義務ではないでしょうか。

その人曰く,それを口にすることで「言霊が…」などと言ってますが,結局同じ人に複数回ヒーリングをする…ということは,自分が完璧ではないことに直面することになるので,それを避けたかっただけかもしれません。

もう少し視野を広げて考えると,売り手としての義務が見えてくるはずです。
例えば,腰痛に苦しんでいるとします。
その時の患者の願望は「腰痛の解消」…かもしれません。
それは,嘘ではありませんが,本当でもないのです。

例えば,腰痛が酷いと,机に向かって作業をしていても,痛くて集中できません。
ですが,腰痛が解消すると,机に向かって作業している時に集中できます。

ということは,顧客が本当に望んでいるのは,机に向かって集中すること…それによって得られること,と言えます。
会社員だったらデスクワークでいい結果を出すことで昇進…ということかもしれません。
私のようなコピーライターだったら,良いコピーを書くことで結果を出して,より多い報酬を得ることなのかもしれません。

だとしたら…そのために必要な全てを売るのが,売り手としての責任ではないでしょうか。

自分のビジネスはリピートしないから…という人は,顧客が本当に求めているものは何なのか,一歩引いて考えてみて下さい。
その人が本当に求めているものが見つかれば…他に売るべきものも見えてくるのではないでしょうか。

ブライダルとか,墓石とか,マイホームとか…複数回購入が想定されていないビジネスも,この視点を持てば,もっと相手のために提供した方がいいと思えるサービスや商品は必ずあるはずです。

ぜひ,売り手として,クライアントのために義務を果たして下さい。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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