1年くらい前のことだったでしょうか。
あるビジネス戦略コーチの方が,興味深いことを行っていました。
「今から10年前に戻れるならば,真っ先に経営理念を明確にするだろう」
ちょうど,10年くらい前に,彼が独立起業した,ということでした。
つまり,経営者として…そして戦略ビジネスコーチとして,10年のキャリアを積み重ねてきた「今だからこそわかる」こと。
そして,その10年前の自分にもしアドバイスできるとしたら…。
それが,「経営理念を明確にする」ということでした。
「経営理念」
という言葉自体が,非常に曖昧模糊としていて,つかみどころのない話です。
そこで,今日は経営理念の中に含まれるであろう,一つのコンセプトについて,紹介します。
それが,
「価値観」
です。
今日のテーマである,
「一緒に仕事ができない人」
とは,価値観が合わない人です。
もちろん,何から何まで価値観が合う人など,稀でしょう。
現実的には
「価値観のすり合わせができるか否か」
ということになってくるでしょう。
具体例として…本当はこのテーマはタブーなのですが,わかりやすいので紹介します。
それは宗教です。
一神教の原理主義者は,多神教とは相容れません。
一神教ということは,世の中に自分が信仰する神しかいない,という考え方になります。
…ということは,多神教を認める,ということは「自分の信仰する神以外の神の存在を認める」ことになります。
一神教の根本が崩れます。
ですので,一神教は,基本的に多神教…どころか,他のあらゆる神を信仰する宗教とは相容れないものです。
ただ,それは,
「人は人,自分は自分」
と割り切れるなら,それはそれで,相容れるかどうかは別としても,滅ぼし合いにはならないでしょう。
ですが,原理主義者ともなれば,極端ですが全ての他宗教を滅ぼさないことには,自分の宗教の根本が揺らぐことになってしまいます。
この「人は人,自分は自分」と割り切れるか,他の宗教を滅ぼすか強制改宗させるか,という選択肢しか持ち合わせていないかが,「価値観のすり合わせ」ができるかどうか,という話です。
宗教だと,日本人にとっては少々リアリティが薄くなるので,より身近な例を幾つか紹介します。
結婚も,一つの例でしょう。
「結婚していないような人は,信用できない」
という価値観があるとします。
その価値観を,他の人とすり合わせできるなら,
「まあ,信用出来ないと言えば信用できないのかもしれないけど,今の時代は晩婚が進んでいるし,結婚【できない】のではなく【まだしていない】だけで,将来を見据えた方はいるのかもしれない」
と思えるかもしれません。
ですが,すり合わせできないのであれば,
「◯◯歳過ぎても結婚しないようなやつは話にならない」
で終わります。
別の例では子ども。
子どもという存在にそれだけ価値観として優先順位を置くかどうか。
その具体例として,
「来週の水曜日に打ち合わせしたいのですが,ご都合はいかがでしょうか」
という問いに対して,
「来週のその日は,こどもの授業参観があるので別の日でお願いします」
という回答が来たとします。
その時に,
「子どもと仕事,どちらが大事なのか。そんなに子どもが大事ならば仕事などしなければいい」
と,愛想をつかすのか。
それとも,
「あ,子どもが小さいときなんて,本当に限られていますからね。二度とない,その歳の授業参観,しっかり見に行ってあげてください」
と言えるか。
これも価値観の違いです。
前者の考えであっても,
「そんなに子どもが大事ならば…とは思うものの,まあ仕方ないかな」
と思えるのであれば,価値観のすり合わせができるでしょう。
ですが,
「ビジネスの場に【子ども】の話を持ち出すなど絶対に有り得ない」
という価値観が,一切妥協の余地のない優先順位だったら,すり合わせはできません。
ビジネスパートナーであろうと,顧客との関係であろうと,価値観の優先順位次第では,どうしても相容れなくなるのです。
そこで,それを予め
「絶対に許せない(妥協の余地がない)こと」
「あまり好きではないけど,まあ多少だったら妥協の余地はある」
「まったく気にしない」
などと,自分の価値観の「振り分け」をしておくことが必要になります。
これをやって置かなければ,相容れない人同士がビジネスパートナーとして組んで,あとで大惨事…ということも起こりうるのです。
あるいは,相容れない人を顧客に迎え入れることで,クレームの嵐になったり,返金請求の対応に追われる…ということにもなりかねないのです。
特に大切なのは,
「自分にとって絶対に相容れない価値観」
を明確にして,その人とは絶対に一緒に仕事をしない,顧客に迎え入れない,という覚悟です。
これができないと,仕事が嫌いになります。
自分の仕事を呪って,駄目にする可能性すらあるのです。
この価値観…それをもう少し抽象度をあげて,「経営理念」という形にしておくことです。
その明確になった理念の元に,一挙手一投足につながります。
一言一句が,この理念に基づくものになります。
つまり…その絶対に相容れない存在が,勝手に避けてくれるようになるのです。
では,具体的に私の例だと…下ネタを降ってくるような人は,絶対に付き合いたくないです。
お酒の席で,私の目の前で,私が聴いている前提で,下ネタの話題を展開するのは,許容範囲です。
ですが,私に対して,ネチネチと下ネタを降ってくるような人は,論外です。
あるいは,子ども。
私には子どもがいないのですが,そのことを糾弾するような人,あるいは「いないのがおかしいという前提」で話をしてくる人は,相容れません。滅びればいいでしょう。…某一神教の原理主義者みたいに,みずから滅ぼそうと能動的に活動するつもりはありませんが。
あとは,冗談だったとしても,カピバラを悪く言う人は,絶対に許せません。
わかりやすく具体的な例を挙げました。
これがなぜ必要なのか。
こうして書くことで,私と一定程度の関係性を築いてもいい,と思う人(このブログを御覧頂いているのですから,ありがたい存在です)であれば,この記事を読むことで,ネチネチと下ネタを降ってきたり,あるいは子どもがいないことに嫌味をいうような人はいないでしょう。
あるいは,このブログを読んで,それでも子どもはいつなのか…的な話題を振ってきたら,宣戦布告と解釈できます。
つまり,日頃から,自分の価値観を明確にして,それを元に行動や発信をしていれば,価値観の合わない人を避けることができるのです。
ぜひ,「絶対に相容れない存在」を明確にしてみて下さい。
きっと,仕事のストレスが2割以上は軽減されるでしょう。
最後に蛇足です。
会社員だった場合は,諦めて下さい。
責任と自由は引き換えですから。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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これは危険です。
とはいえ,どうしていいかわからない。
そんな方は一度こちらをご覧ください。