日に日に日が短くなって,秋から冬に移り変わっていくのを肌で実感できる今日このごろ。
いかがお過ごしでしょうか。
さて,今日のテーマは賞味期限切れです。
定義【賞味期限】
定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日(3か月を超す場合は年月)。
法律上では,「品質保証期限」「消費期限」「賞味期限」の区別があるようですが,法律の話をしたいわけではないので,詳細は省略します。
賞味期限は,言い換えると「おいしく食べられる期限」ですので,転じて「比喩的に使い物になる期限、価値を保ちうる期限などの意で使うことがある」そうです。
冒頭で書いた,
「〜今日このごろ」
という言い回しは,文頭に使う表現として,完全に手垢が付きすぎています。
賞味期限切れです。
賞味期限切れの言葉を使うと,
「あ,またコレね」
と思われます。
「またコレね」
と思われたら,興味や関心が,一気に薄れます。
コピーライティングにおいて,興味や関心を惹けないのは,致命傷だと言えます。
そこで,賞味期限切れの言葉は使わないようにすることが大切です。
では,どんな言葉が賞味期限切れなのでしょうか。
2つほど紹介します。
1.流行した言葉
流行した言葉は,賞味期限が短くなる傾向にあります。
流行語大賞にノミネートした言葉を使うと…賞味期限をとっくに過ぎて,むしろ腐敗臭が漂ってくる感さえあります。
例)ゲス不倫 保育園落ちた日本死ね 神ってる トランプ現象 など。
2.誰もが安易に気軽に簡単にとりあえず使う言葉
上記1と違って,とりあえず使う言葉です。
コピーなどではよく見かけるのですが,みんながみんな使うので,非常に価値が暴落して,賞味期限がとっくに切れてしまっています。
例)成功 安心 安全 誠意 信頼 美しい 綺麗 おいしい こだわり 笑顔 自信 など。
おそらく,セールスコピーという観点から1の例の使用頻度はあまりないでしょう。
深刻なのは2です。
言葉の定義そのものから,ネガティブな意味合いはほとんど含まれていないため,とても使いやすい言葉となります。
だからこそ,多くの人が「とりあえず」使う言葉でもあり,劣化してしまうのです。
なぜでしょうか。
食べ物を売っている人は,とりあえず「おいしい」と書いておけば無難でしょう。
美容業界であれば「綺麗」とでも書いておけば無難でしょう。
この「無難さ」は,より適切でよりふさわしい言葉を探して当てはめるのが面倒だから,とりあえず使ってしまうのでしょう。
対策は,結局のところ面倒でも自分で考えて,よりふさわしい適切な言葉を探す他ありません。
いくつか具体例を紹介します。
この2の具体例の中でも,非常に厄介な言葉。
それが「成功」です。
「成功」という言葉について,このブログで過去に紹介しました。
「成功」という言葉は,辞書的な本来の定義から外れ,全く別の「象徴」となりました。
そして,多くの人がその「象徴」を目指すことはいいことだ…という「洗脳」を受けました。
何気なく「成功」という言葉を使う頻度が増えました。
…本来,人間が本当に目指したい夢や目標は,人の数だけあるはずです。
ですが,その夢や目標をきちんと考えて見据えることをせずに,とりあえず「成功」という言葉を使ってしまう。
そんな,短慮な人たちに向けで,やはり「成功」というキーワードで釣ろうとする人がいる。
この繰り返しで,どんどん「成功」という言葉が劣化していったのです。
では,どうすればいいのか。
「成功」という言葉を使わずに「成功」を表現すればいいのです。
コピーライティングにおいては,明確なターゲットが決まっているはずです。
そのターゲットが「成功」と感じる【具体的事実】を書けばいいのです。
例えば,飲食店で「成功」といえば,たくさんのお客にあふれている状態です。
これを…別の表現で「行列のできたお店」などと言い回しをすることがあります。
この「行列」という言葉もだいぶ陳腐化してきました。
だからこそ,また別の表現を考えればいいのです。
この2の賞味期限切れの言葉を使うと,さまざまな副作用があります。
伝えたい意図が曖昧になること。
興味や関心が薄れること。
退屈でつまらないコピーになること。
胡散臭いコピーになること。
他にもあるでしょう。
賞味期限切れの言葉を使ってもいいことはありません。
一手間掛けて,別の言葉に置き換えてみて下さい。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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