Windows95の時代からPCに触れ、インターネットを利用してきた身として、過去の記憶を掘り起こしながら少し書いていきます。
一昔前は、
「パソコン通信」
なるシステムがあったようですが、さすがにこの時代は経験していません。
私が体験したのは、「ダイヤルアップ接続」によるインターネット
インターネットで、最初に頑張って覚えるのが、ブラウザの使い方と、Eメールの送り方。
私も、若かりし頃は、近所に住んでいる身内に頼まれ、メールの使い方を教えたものです。
そうこうしているうちに、「メーリングリスト」なるシステムが出来ました。
FreeMLや、Yahoo!グループなど、特定のグループに登録すると、メールを1本送れば登録者全員に届くというもの
いわば、特定のコミュニティのようなものです。
そのうち、
「掲示板」
なるものをウェブサイトで見かけるようになりました。
匿名で書き込むことで、自由に他の人と交流できるようになるシステムです。
匿名故に、様々な問題もありますが、今も
「2ちゃんねる」
をはじめ、掲示板は活躍中です。
しばらく時が流れ。
ミクシィなるものが出てきました。
あくまでも私の記憶ですが、これがソーシャルネットワークと呼ばれるものの代表例でしょうか。
このミクシィ人気もすぐに衰え、今はFacebookやツイッター、ラインなどに切り替わっていきました。
その流れで出てくるのが、
「SNS疲れ」
という言葉。
例えば、ラインで、あるメッセージを送り、相手がそれを読んだら
「既読」
と表示されるのだそうです。
※ラインはやっていないので聞いた話です。
既読と表示されている以上、相手は読んでいるにもかかわらず、なぜ返信がないのか、と思われないように、既読になったら返信しなければ…という変な義務感に振り回されているようです。
または、会社の上司が友達申請してきたりとかして、その結果、気を遣って疲れてしまう…ということになってしまうようです。
…ならば、SNSなどやめればいいと思わなくもないのですが。
今度は、そんなニーズに応えるために、完全匿名性の新しいSNSもあるのだとか。
長々と書きました。
パソコン、メール、掲示板、メーリングリスト、そしてSNS。
共通する特徴。
それは、誰かとつながるためのツールだということです。
疲れてしまおうがなんだろうが、それでも誰かとつながらずには居られない。
それが人間の強い衝動であることがよくわかります。
ミクシィが廃れてFacebook。
いずれFacebookも廃れて、また違う形で何らかの、誰かとつながるためのツールが開発され…と、人が人であるかぎりずっと続いていくことでしょう。
人と人とのリアルな関係が希薄になっても、それでも誰かと繋がりたいという欲求…言い換えると、人は「絆」を求め続けているのです。
それだけクールに振る舞っていようと、一匹狼を演じていようと…どこかで、誰かと絆を感じていたい。それが人間なのでしょう。
それを、ビジネスに置き換えて考えてみると、どうでしょうか。
例えば、SNSのように、誰かとつながるためのシステムを提供する、というのもひとつの手でしょう。
ですが…顧客はSNSが欲しいのではありません。誰かとつながる、絆を感じる、という体験が欲しいのです。
ならば…そもそも自ら顧客に対して絆を感じさせるような関わりをもったらどうでしょうか。
ジェイ・エイブラハムの「卓越の戦略 上級編」には、このように書いてあります。
「自分の心が何か受け入れられたような、心が包み込まれたような感覚、 そういった感覚を思い出して、自分自身に聞いてみてほしい。どのようにしたら顧客、あるいは従業員、 取引業者にも同じような感情を経験してもらえるだろうか? 」
そのためにできることが、いわゆる「絆」をつくる、ということになるのです。
結局は、商品やサービスの価値そのものは、ある意味副次的な価値でしか無いのかもしれません。
顧客が、あなたという一人の人間と、絆で繋がりたい…そのためのツールがビジネスでありサービスである。
そんな状態にまでできた時に、まさに卓越の戦略を実践できているということなのでしょう。
人は、いつの時代も、他の人とのつながりを求めています。
そのことを意識するたけで、行動や言動の端々が変わってくるはずです。
「コレをすれば売上が上がる」
というものではありません。
ですが…かけがえのない存在になることはできます。
最後に。
ジェイは、卓越した存在になることができなければ…
「ビジネスにおいて、人生において、どうやっても満足感を得られることはないだろう。 」
と言っています。
そう、顧客だけでなく、あなた自身も人とのつながりを求めているのです。
もちろん、誰とでも…というわけには行きません。
あなたが本当に大切にしたい人とであれば、絆を結んでお互いにつながっていたいと願っているはずです。
問題は、そんな人が周りに無かったり、そんな関係ではいたくない人ばかりだったり…。
だからこそ、マーケティングが必要になるのです。
あなたが、本当に大切にしたい人とつながっていくために必要な戦略なのです。