他人事で心に響かないコピーになる原因

他人事で心に響かないコピーになる原因

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今朝、JR中央線に乗っていた時のことです。
私の前に日経新聞を読んでいる人がいたのですが、その人の持っている紙面から、ちらりとこんなコピーが目に入りました。

相続コピー
「隣は相続で揉めているらしい。他人事じゃないな」
(2015年8月4日付日経電子版より)

実際に司法書士・行政書士として相続手続や遺言書に関して携わってきた感覚でいうならば。
こんなコピーこそが、まさに「他人事」そのものです。

残念ながら、人はそこまで強いものではありません。
何を以って「強い」と捉えるか。
それは、「未来」を直視することです。

人は、なかなか未来…それもネガティブな未来は目を反らしがちです。
だからこそ、「予防商品は売りにくい」と言われる原因でもあります。

人がネガティブな未来を直視して、行動する時というのは、どういう時なのでしょうか。
それは…「【より】ネガティブな未来を避ける為」ということになります。

そのまま直視せずに迎えるであろう…できれば見ずに済ませたい、漠然としたネガティブな未来というものがあります。
ある程度、見ずに済ませたい…と言いつつも、ある程度は想定しています。
そして、見ずに済ませた結果被る不利益は、許容範囲だと想定しているのです。

その想定を超えるような、更にネガティブな未来を具体的にイメージしてしまったなら…、
「漠然としたネガティブな未来を見据えて行動したほうがマシ」
ということになるのです。

俗っぽい例ですが。
夏休みの宿題をやらない子どもに、
「宿題をやらないと先生に怒られるよ」
と言ったところで、やらない子はどうしてもやりません。
なぜなら、「先生に怒られる」程度の未来は想定の範囲内で、かつ許容できるネガティブな未来だからです。

せいぜい、ネチネチ嫌味を言われるか、大声で叱られるか…どちらかだろうか…くらいの想定しかしていません。
先生に叱られるくらいなら許容範囲でしょう。宿題をやるより先生に叱られたほうがマシ、という判断なのです。

ところが。
「夏休みの宿題やらないと、進級できないよ。1年後…友達がみんな卒業して、自分だけ年下のクラスメイトの中で、一人ぼっちな学校生活を送ることになるかもね」

これは、想定外の不利益となります。
同じ苦痛でも…想定外の不利益を被るよりも、宿題をやった方がマシ、ということになります。

話を戻します。
相続、というのはどうしても人の死が絡む以上、通常以上に直視しにくい主題です。

しかも、なんとなくですが、
「しっかりした対策をするのは、相続を直視した上で…なんか費用も掛かりそう」
と、漠然としたイメージを抱きがちです。

そんな主題を…
「(親密かどうかもわからないような)お隣が揉めているらしい」
程度で、動くのでしょうか。

このコピーは、
「他人事」
なコピーであり、広告主にとって、都合のいいセリフということになります。

ではどうすればいいのか。
それは、実際に見込み客に何人も会って、実際に話を聞いて、その人の口から実際に出たセリフを書くほうが、よほどリアリティが出ます。

より具体的に、リサーチする必要があるのです。

最後に。
広告主側からのメッセージとするにしても…より具体的で生々しい描写にしないと、人はそのネガティブな未来を直視することを避けてしまうのです。

そして…予防商品の販売は、徹底的に脅さないと、反応しないのも現実。
一歩間違えると「煽り」と誹られる覚悟で、生々しい描写が必要でしょう。

例えば。今私が10秒くらい時間を掛けて考えたコピーは。

「隣の人が出かけていった。今日も裁判らしい。あの気のいいおじいちゃんが亡くなってから3年。
まさか、あれだけ仲の良かった家族がここまで相続で揉めるなんて…」

このコピーがいいかどうかはさておき、生々しさは増したのではないでしょうか。
参考になりましたら幸いです。

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