エゴイスティックな宣伝の末路

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何かのきっかけで,テレビを付けたときのことです。

なかなか興味深いCMを見かけました。

商材は,清掃用品。
床を,モップで拭くと,ゴミが取れてきれいになる。
そんな商品です。

レンタルして,定期的に交換するモップをイメージしていただければわかるでしょう。

CMでは登場人物の主婦役の芸能人が
「こんなに(床が)綺麗…」
といったことを述べ…それに対して,
「見えている以上に綺麗にしている」
といったナレーションが入ります。

さて,ここで問題です。
「見えている以上に綺麗にしている」
というのは,どんなベネフィットになるでしょうか。
考えてみてください。

あらためて,復習です。
ベネフィットとは,用語的には「便益・恩恵」などと訳されます。
ただ,それだとわからないので,平たく表現するならば,
「それを買うことで,どんないいことがあるのか」
あるいは,
「それを買うことで得られる変化や結果」
といった意味で考えてみてください。

コピーライティングにおいて,基礎の基礎であり…そして深淵にたどり着く道が,
「ベネフィットライティング」
だと考えています。

その商品について,どれだけ「欲しい」と思ってもらえるかどうか。
それがコピーの鍵だとすれば,その「欲しい」と思ってもらうために必要な技術が,ベネフィットライティング…すなわち,その商品やサービスを買うことで,「あなたにとってどんないいことがあるのか」を明確に描くことに繋がります。

コピーライティングといえば,ヘッドライン(キャッチコピー)ばかりが大切であるかのように思われています。
確かに,どんな素晴らしい広告であっても,見てもらえなければ意味がありません。
ですが,見てもらっても,ほしいと思われなければ,やはり意味は無いのです。

そして,多くの場合,素晴らしいキャッチコピーを考えるよりも,ほしいと思ってもらうためのベネフィットライティングの方が,簡単にできる…はずなのです。

…はずなんですが,今回のこのCMも含め,ほとんどの広告宣伝で,何か勘違いをしているようです。

先程の問いです。
「見えている以上に綺麗にしている」
ここに,どんなベネフィットがあるのでしょうか。

これだけでは,ベネフィットでも何でもありません。
ただの,商品の特徴でしかないのです。

別に,考えるまでもなく当たり前です。
見えている以上に綺麗にしている…ということは,より「綺麗」になっている部分が「見えていない」ことに他ならないからです。

見えないところがきれいになることに,どんなベネフィットがあるのでしょうか。

汚れに無頓着な私としては…見えないところがきれいになったところで,何か違いを感じることはありません。

先程紹介したとおり,ベネフィットとは,
「変化や結果」
です。
すでに,登場人物の主婦役の女性は,
「綺麗」
と言っています。
そこに対して,何か変化や結果があるのでしょうか。
「より綺麗にしている」
と言っている以上,より綺麗になっているのかもしれません。

では…それを知覚できるでしょうか。
目に見えないレベルで綺麗にしたところで,より良い変化や結果を感じることができるのでしょうか。

これだけでは「ベネフィット」にはなりえないのです。

もし,これをきちんとベネフィットに変化させるなら…
「誰にとってどんないいことがあるのか」
という観点から考えてみるのが一つの手です。

例えば,掃除している主婦にとって,見えない以上にさらに床が綺麗になっているのなら…
「赤ちゃんが床をハイハイしても全く問題ありません」
と一言付け加えるか,CMですので,実際に床の上を赤ちゃんが這い回っている様子を映せばいいのです。

ここまでやって,はじめて,
「安心」
というベネフィットに繋がるのです。

自社の商品がどれだけ優れいているか。それをアピールしたいがための,単なる独りよがりなCMでした。
芸能人まで使って,テレビCM枠まで確保して,莫大な予算をとって…この惨状です。

何とも,もったいない…あるいは贅沢な話です。

私達のような中小零細企業は,基本的にテレビCMということはあまりしないでしょうから,少ない広告予算で,しっかりと定石通りの宣伝を心がけたいものです。

1つの集客法で7割以上を集客している。
これは危険です。
とはいえ,どうしていいかわからない。
そんな方は一度こちらをご覧ください。

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