一石四鳥 卒業式の奥にある本当の効果

一石四鳥 卒業式の奥にある本当の効果

一石四鳥 卒業式の奥にある本当の効果
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どういうわけか、今年はFacebookに「卒業式」に関する写真や投稿が異様に多くなっています。
去年とくらべて、友達申請の件数が激増したわけでもありません。
1年以内に「友達申請」した方よりも、1年以上前から「友達申請」済みの方が、卒業式に関する投稿をしているように感じます。

調べたわけではないので、確かな数字で出てきているわけではありません。
ただ、
「え?また卒業?今年は多いな」
と、ニュースフィードを見るたびに感じるのです。

ということで、今日のテーマは卒業です。

話は変わります。
数年前、私が司法書士として債務整理案件を大量に扱っていた時のことです。
債務整理の法律相談を、毎日毎日繰り返し行っていると、わかってくることがあります。

当時は、ろくにマーケティングとかコピーライティングなどの考え方を理解していませんでした。
そこで、当時感じていたことを今の知識で表現するならば…消費者金融というビジネスモデルがいかに優れているか、ということです。

具体的には、
「リピート率」
そして、
「顧客との継続的なコミュニケーション」
が仕組みとして出来上がっていたのです。

問題としては、新規顧客の獲得。
今でこそ「消費者金融」ですが、昔は「サラ金」と呼ばれ、後ろめたいイメージでした。
それを…テレビCMでイメージを刷新。
「む◯んくん」とか、チワワのCMなどで心理障壁を下げ、気軽に借りれるようになり…一度借りたら、もう虜です。

その結果。
毎日毎日法律相談に乗っていると、
「もう辞めよう、もう辞めよう…とずっと思っているのに、つい借りてしまって…もうどうしようもなくて」
と、疲れ果てた顔で嘆く多重債務者がそこにいます。
この異様なリピート率は、まるで麻薬か覚せい剤のようなもの。

泣きながら、
「もうどうしたらやめられるのか…どうしていいか…」
と言葉につまる人もいました。

実際、取引履歴を見ると、完済してもまた借りて、完済してもまた借りて…という状況です。

債務整理しても、この心の問題が解決しなければ、また繰り返すかもしれません。
実際、
「2度目の破産」
「◯年前に債務整理、今度は破産」
という案件もかなりありました。

そんな状況を法律以外の手段で解決するにはどうしたらいいのでしょうか。
というのも、債務整理手続自体は、法的な手続きになるので、
「やるかやらないか」
だけです。

ただ、それでも負のリピートがそこにあるのならば、なんとかしなければなりません。
…それが司法書士業務の範囲内かどうかはともかく、そこに顧客のニーズがあるからです。

考えた結果…

多重債務者は、お金を借りる

自分を責める

自分を責める

自分を責める

自分を責める

自分を責める

完済

また借りる

という感じを繰り返していたのではないか、という仮説を経てました。
つまり、自分を責めることが習慣になっており、その習慣を維持するために、お金を借りているのではないか、という考えです。

正しいかどうかはわかりません。
ただ、自分を責めるのをやめないと、この負の連鎖が続きます。

とはいえ、私はカウンセラーではないので、自分を責める、という心の問題を正攻法で解決することはできません。
そもそも、多重債務者ですから、お金がありません。カウンセラーを紹介して、そこに通うように…ということもできません。

そこで。
あることを行いました。掛ったコストは何百人の多重債務者に対して1回限り数百円だけ。

すると…債務整理の法律相談を終えて、事務所から出て行く時の、その相談者の顔が変わったのです。
笑顔で帰っていくようになりました。
債務整理を終わった後も、
「先生のおかげで、生活を立て直すことができるようになりました」
と報告をいただく頻度が増えました。

実際に、追跡調査はしていないので、その後リピート阻止率がどの程度かはわかりません。
ただ、
「辞めたくても辞められない」
というニーズには答えられたのではないか、と思っています。

では何をしたのか。
それが、「借金の卒業式」です。
プラスチックを切る為の専用のハサミをアスクルで注文。
法律相談を終え、債務整理の依頼を頂いた方には、そのハサミで、消費者金融のカードや、クレジットカードを自分の手で切ってもらったのです。

「過去を責めるのではなく、これからどうするのかが大事です。なので、借金から卒業しましょう。手続きはこちらできちんと行いますので、あとはあなたの気持ちだけです。このハサミで自らカードを真っ二つにして、借金から卒業して下さい」

といったら、泣きながら切る人、嬉しそうに切る人、恐る恐る切る人、「本当に切っちゃっていいんですか?」と不安げになり、「どうぞ遠慮なく」と背中を押して、ようやく切る人…。
反応は様々です。
それでも、最後は笑顔で帰っていくようになったのです。

卒業式の効果。
それは決別です。
例えば、学生が卒業式に出ることで、「学生気分」から決別して、意識が社会人に向かっていきます。
私には子どもはいませんが、子どもの卒業式はそのまま「子離れするための卒業式」となるのでしょう。

別の形の卒業式。それは告別式です。
告別式によって、
「もうこの人は亡くなって、二度と会うことはできない」
ということを実感するのです。

コピーライティングから考えると、卒業式は…言葉を選ばずに表現すると、非常に便利。
なぜなら、
(1)過去の自分を否定せず
(2)古い自分を脱却して
(3)新しい自分を受け入れるための準備ができる
からです。
そして…
(4)販売しやすくなる
という一石四鳥の効果があります。

人はどんな時に物を買うのか。
それは、
「感情が動く時」
です。感情が動かないかぎり、人は物を買いません。
コピーライティングで行っていることは、顧客の感情を動かすことで、物理的に顧客を動かす…行動させる、すなわち購入してもらう、ということなのです。

過去の自分を否定してしまうと、人は動かなくなります。
ですが、否定せずに、自ら新たな一歩を踏み出そうと動き始め…そこに感情が動く。
それが、卒業式なのです。
非常に、何かを売りやすいのが、卒業シーズン、ということになるのです。

だからこそ、儲け主義に走らず、顧客が本当に必要だと思えるものを売ってあげて下さい。
…でないと、自分がそのビジネスから強制的に卒業させられかねない事態になります。

 

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