予防商品を売るために必要な「痛みのコントロール」術

予防商品を売るために必要な「痛みのコントロール」術

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先日、なかなか興味深いSNS投稿を見かけました。

茶髪に憧れる高校生に向けた投稿です。
「薬局で1000円で茶髪にできますが、全国の高校生の皆さん。リ◯ップ1本いくらか知ってますか?」

この投稿主は、高校の頃に、後先考えずに髪を染めた結果、今薄毛に悩んでいるようです。

調べてみたところ、育毛剤リア◯プは1本5000円以上掛かるようです。
たった1000円で、いきがって髪を染めた代償…それが、5000円です。
一度だけではありません。毎月毎月5000円を払い続けることになります。
そして、薄毛に悩むことす。

非常に上手い、と思ったのは
「将来の痛み」
をリアルに表現したことです。

薄毛の悩み…それは、まだ若い高校生にはリアリティがありません。
「髪を染めたら、将来薄毛に悩むかもしれないからやめたほうがいい」
などと言ったところで、通じないでしょう。

ですが、
「毎月5000円以上を払い続けることになる」
と言われれば、その代償の大きさをリアルに感じることが出来るのかもしれません。

もちろん、金額も大きさも重要です。
例えば、100円玉を握りしめて、コンビニにアイスを買いに行った幼少時代の貨幣価値。
毎月、何万円も自由に使えるようになった立場からの貨幣価値。
これは同じではありません。

大人になってからの5000円と、高校生時代の5000円では、当然価値が違います。
後者のほうが、相対的に価値が大きく感じられます。
だからこそ、このSNS投稿は威力があるのです。

この時間軸が違うことによって、同じものでも価値が変動することは多々あります。
これを、上手く見せてセールスコピーとして表現できれば、売りづらいものも売れるようになります。

例えば、保険商品。
よく、保険のような「予防商品」は売りづらい、と言われます。

なぜでしょうか。
人の行動原理はたった2つだと言われています。
1つは、痛みを避けること。
もう1つは、快楽を求めることです。
この2つを比較した場合、後者のほうが強力です。

今感じる痛みに、人はお金を出します。
ですが、お金を出すことも、痛みの一つなのです。
今感じる痛み>お金を払う痛み
なので、お金を払ってでも痛みを取り除こうとします。

ですが、予防商品の場合どうでしょうか。
将来感じるかもしれない痛み<お金を払う痛み
となります。
お金を払うほうが、かえって痛いので予防商品にお金を払おうとしないのです。

そこで、時間軸をずらす、という考え方が生きてきます。

一つは、このままでは将来起きうる痛みをきちんと表現して、
将来感じるかもしれない痛み>お金を払う痛み
と、不等式を書き換えることです。

これが、先ほどの、育毛剤の1本5000円という話です。
「将来」感じる痛みを、生々しく表現することで「今」に影響をおよぼすことです。
保険なら、「あなたが亡くなった後、保険をかけていなかったら、家族にどんな不利益が生じるのか」といった感じを伝えることになります。

これは、よく見かけるかもしれません。
一歩間違えると「煽り」とも受け取られかねない危険性もあります。

もう一つの方法。
それは、時間軸をずらすことで
将来感じるかもしれない痛み→今感じる痛み
に置き換えられないか、ということです。

例えば、有名な例としてタバコのパッケージ。
タバコは、1本吸うと、将来肺がんになる【かもしれない】のです。
つまり、肺がんになるかもしれないしならないかもしれない。
ならば、目の前の1本を吸う事によって得られる快楽を取る…というのが人間です。

ですが、仮に1本吸うことで、肺がどれだけ汚れるのかを写真で見せられたらどうなるでしょうか。
日本では見かけないのですが、海外では1本吸うだけでどれだけ汚れるのかの写真をタバコのパッケージに印刷しているのだそうです。

別の例では、アルコール。
量にもよりますが、一回の飲酒で60万個~80万個の脳細胞が死滅するのだとか。

将来アルコール依存症になるかも…という将来の痛みではなく、今この目の前の1杯で、脳にどれだけダメージを与えるか、ということを表現することで、飲酒を抑制する、というアプローチです。

保険に置き換えると何が出来るでしょうか。
入らないことで、将来起きる痛み…ではなく、保険に入ることで「今回避できる痛みはなにかないか」と考えてみることです。
その結果、「税金としてこんなにも持って行かれています。ですが、保険に入ることで、これだけ節税できるのです」という、税金という別の痛みを持ち出すことで「今の痛み」に置き換えることが出来るのです。

最後に。
「痛みを避ける」
ことと、
「快楽を求めること」
とでは、前者のほうが強いということを話しました。

つまり、将来感じる快楽を求めるのは、いちばん弱い動機付けになります。
例えば、
「将来売上アップします」
というアプローチは、この将来の快楽を求めるアプローチなので、非常に弱いことになります。

それを、痛みに置き換えるにはどうしたら良いでしょうか。
将来確実に感じる「痛み」に置き換えることができます。
逸失利益、という考え方です。

例えば、1月の時点で月商80万円の個人事業主が、売上アップ法を試して、4月に月商200万円になるとします。差額は、月商120万円です。

月商80万円×12ヶ月=年商960万円
月商80万円×3ヶ月+月商120万円×9ヶ月=1320万円
差額360万円

この差額を「本来手に入るかもしれない利益」だと表現します。
すると、売上アップという快楽ではなく、損する痛みに変わるのです。

やり過ぎはいけませんが、このような
「買わないことで被る痛み」
をきちんと伝えてあげるのも大切です。

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