ここしばらく,ウザい広告について,いかにウザいのかということを延々と書いてきました。
昨日も…読みようによってはかなりキツイ内容でした。
…だからこそ,もしかしたら誤解を招いたかもしれない,と思い,補足の内容を今日のブログとします。
個人的には,ウザい広告は嫌です。
どんな場合でも見たくはありません。
ですが,マーケティング的に見た時に,
「それはあり」
だと言える場合…正確には
「それは仕方がない場合」
もあるのです。
では,まず許されざるウザい広告の例を幾つか紹介します。
1.ターゲットが的外れの場合
例えば,スピリチュアル系のサービスに関する広告があるとします。
それが…延々とあなたの目につくところに,執拗に広告が出ていたらどうでしょうか。
あなたがそういったサービスに興味があれば,問題ないと思われます。
ですが…全く興味がなかったら,どう思うでしょうか。
気持ち悪く思うのではないでしょうか。
まさに,ウザい広告です。
この場合,そのウザさ広告主の責任です。
なぜなら,ターゲットにあなたが含まれてしまっているからです。
2.セグメントの失敗
例えば…あなたが36歳男性だとします。
40代男性向けの,年齢から来る衰えに関する改善策を提案するサービスがあるとします。
その広告が,あなたの目につくところにバンバン出てきたらどう思うでしょうか。
やはりウザいでしょう。
それ以上に,神経を逆撫でしかねません。
なぜなら,その不調は36歳という年齢から,そう遠くない未来に体験するかもしれないからです。
わざわざ未来の不愉快な現象を,今まざまざと見せつけられて売り込まれて…いい気になる人はどれだけいるのでしょうか。
フェイスブック広告のような場合,年齢によって広告を表示したりしなかったりできます。
ですので,やはりこれも広告主の不手際だといえます。
40代以上をターゲットにしたサービスを36歳の人に売りこんでもウザいだけです。
これはまだウザいで済みます。
18歳の男性に,お酒をバンバン売り込む広告など表示されたら,いろいろとまずいのはご理解いただけるのではないでしょうか。
3.メディアの失敗
例えば,20代男性向けに,セクシーな女性の姿も含まれるパッケージの商品があるとします。
それ自体は…特に問題はありません。適切なターゲットに,適切な商品を…ということになります。
その広告をWEB上のホームページ内の広告スペースに載せるとします。
それも問題はないでしょう…本来は。
ただ,もしそのホームページがビジネスでよく使うコンテンツを含むものだったらどうでしょうか。
例えば,電車の乗り換え案内だったり,郵便番号だったり,郵便料金だったり…日数計算だったり,あるいは西暦と和暦の換算表が出ているページ等。
仕事に使うコンテンツを開いている最中に,後ろを女性社員が通りかかって目にしたら…
今の時代はそれだけで「セクハラ」と断罪されてしまいます。
これはメディアが正しくない例だと言えます。
他にも,許されざるウザい広告,拙い広告は例を出せばキリがないでしょう。
では,逆にどれだけウザくても許されることはあるのでしょうか。
上記2のセグメントの失敗例を思い出してみて下さい。
40代男性向けに,加齢に伴う衰えからくる体調不良を解消する商品を販売しているとします。
それが,36歳の人に表示されてしまったら,許されざるウザい広告となります。
ですが…42歳の人に表示されたらどうなるでしょうか。
それでも,コピーがいやみったらしくてウザくて許せない…と思うかもしれません。
それは,「その人にとってウザくて許されざる広告」だ,ということになります。
もしかしたら,体の衰えについて,深刻に悩んでいる人にとって…いろいろ調べたけど,そういったものに対して踏み出す勇気がなくて,悩んでばかりで,ますます体調を崩してしまって…
そんな人に対しては,その商品が本当にその人の問題を解決できるのなら…繰り返します,その商品が本当にその人の問題を解決できるのなら…多少キツめのコピーであっても,その人を買う気にさせたほうがいいのではないでしょうか。買ってもらって体調不良を解消して,仕事にプライベートに,バリバリとがんばってもらったほうが顧客の幸せに貢献できるのではないでしょうか。
私はウザい広告は嫌いです。
あなたもウザい広告はきらいでしょう。
でも,それは私やあなたにとってウザいからです。
本当にその広告で販売している商品やサービスを必要としている人の為には,ウザいと謗られようと,セールスする必要があるのです。
100人中99人が「ウザい」と言ってこようと,残り1人を幸せにするために,覚悟を持って宣伝しなければいけないのです。
許されざるウザい広告…でも,100人中1人でも2人でも,本当に必要としている顧客を幸せにしたならば…そのウザさに対する免罪符となるでしょう。
ウザい広告を出すことは罪だと言えます。
それ以上に大罪なのは,広告を出す勇気を持てずに,ほんとうに必要な人に,必要なものを売ることができないことです。
100人中99人が,ウザい…と言われたとしても,残り1人の為に,覚悟を持って宣伝しましょう。
…もっとも,それくらいの覚悟があるコピーにはウザさは感じません。
とりあえずいかにだまし取ってやろうか…という意図が見え透いているから,ウザい広告に感じることが多いのも事実ではあります。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
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