間違いを拡散する本当の原因

間違いを拡散する本当の原因

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先日、ある動画コンテンツを見ながら勉強していた時のことです。
講師の話を聴きながら画面を見ていたら、
「正しくは〜です」
という字幕が表示されました。
どうやら、収録時点で、間違ったことを言ったので、訂正の字幕が入ったようです。

話は変わります。
ニュース番組などを見ていると、たまに訂正が入ります。
「さきほど〜と言いましたが、正しくは〜〜でした。訂正してお詫びいたします」
などとコメントをキャスターが言います。

間違ったことを正す。
これはとても大切なことです。

しかし、不思議に思うことがあります。
とても残念なことです。
「なぜ言葉や慣用句の誤用」
に訂正が入らないのだろうか、という点です。

先日、某国営放送を見ていた時、出演者の一人が、
「これは清水の舞台へ飛び降りるようなものですね」
とコメント。

目が点になるとはこんな時に使えばいいのでしょうか。

こちらをご覧ください。

【清水の舞台から飛び降りる】
「清水」とは、京都市東山区にある音羽山清水寺のことで、北法相宗の総本山。

清水寺には高い崖に張り出して作られた舞台があり、その崖から飛び降りると所願成就のときに怪我をせずに済み、もしくは死んで成仏できるといわれ、身を投げる者が絶えなかったという。 その舞台から飛び降りるほど、必死の覚悟で実行するという意味。 多く値段の高い物を買うときや、値段を大きくまけるときなどに使われる。
http://kotowaza-allguide.com/ki/kiyomizunobutai.html
これが由来です。
その上で、こちらをご覧ください。写真中央やや上の、せり出した部分がいわゆる「清水の舞台」です。
【どこから】清水の舞台【へ】飛び降りるというのでしょうか。
清水の舞台

 

 

 

 

 

 

専門用語は忘れました。
人は、空白を埋める能力があります。

先ほどの説明文の一部を伏せ字にしました。
ご覧ください。
「清水寺には高い崖◯張り出して作ら◯た舞台があり、その崖から飛び◯りると所願成就のときに怪我を◯ずに済み、もしくは◯んで成仏できるといわれ、身を投げる◯が絶えなかったという。 そ◯台から飛び降りるほど、必◯の覚悟で実行するという意味。 」

読んでいて、普通に意味は通じるのです。
前後の文脈から判断して、足りない部分の言葉の意味を補完できるのです。

つまり、「清水の舞台から飛び降りる」という慣用句の意味は理解できなくても、前後の文脈から、「思い切った覚悟を意味する慣用句」という推測ができます。

そして。
思い出して下さい。小さな子どもが、同じ言葉を延々と繰り返している光景を一度や二度は目にしたことがあるでしょう。
新しい言葉を覚えた時に、その言葉を覚えたことを自慢したいのか、何なのかはともかく、何度も何度も繰り返します。

これは…程度の差はあれど、大人でも同じです。
新しいことを知った時に、伝えたくなるものです。
言葉ではなく、「雑学」などに置き換えるとよくわかるでしょう。

こうして、新しく出会った言葉について、何度も使うようになります。
もし新しく出会った言葉が、間違った使われ方だった場合。
その間違ったままで広がっていくのです。

一対一ならばともかく、テレビなど一対複数のメディアで誤用されると、一気に広がっていきます。

だからこそ、言葉の使い方などについてこそ、
「正しくは〜です」
とテロップなどで訂正すべきなのです。

ここでのもう一つの問題。
それはメディアの権威性。
特に「テレビに出た」というそれだけを以って無条件に正しい…と思い込んでしまいがちです。

ですが、テレビに出ている人=権威性、とはなりません。
アホな人はどこまでもアホです。
あまりにアホで真実とかけ離れた発言を繰り返す人について、BPOに通報したこともあります。

けれど…それは、自分がそのテーマについて、正しい知識を身に着けていればこそ、
「こいつはアホなことを言っている」
と理解できるのです。

テレビほどの信ぴょう性や権威性があるわけではないですが、ネットも同じです。
儲け話のノウハウを見かける度に、
「またこれで無知な人を引っ掛けようとしているのかな」
と思ってしまいます。

正しい知識を持っていれば、買うはずがないであろう詐欺まがいのノウハウ集を見かける度に、
「こんなもの買う人はいるのだろうか」
と思い…でも、そこに広告宣伝費を掛けている以上、一定の反応率があるわけで…
騙されている人はいるわけです。

騙されるならば、まだマシです。
なぜなら、「騙された」という自覚があるからです。
つまり「これは効果がなかった」と自覚しているからです。

本当に優れた詐欺とは、「騙した人は騙されたことに気づかない」と言われます。

誰も、敢えて間違った慣用表現を使おうとは思っていないでしょう。
「これが正しい」
と思って、あやまった慣用表現を使っているのでしょう。

同じように、効果のない詐欺まがいなテクニックやノウハウを、
「これは効果がないけどね…」
などと思って広げている人は…元の売手くらいでしょう。

正しいと思い込んでいれば、
「誤っているかも」
などとは考えません。そしてそれをそのまま広げてしまう原因になるのです。

間違ったことを「正しい」と思って努力し続けることは、本当に辛いことです。
だからこそ、一度考えてみて欲しいのです。
「それって本当に正しいのだろうか」

ほんとうに正しいのかどうか。
自分で見つけるのが大変ならば、勉強会に来て、他の人の意見を聞いてみてください。

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