私は,結婚式が嫌いです。
理由は…記憶にありません。
どうやら,私がまだ本当に小さい頃の所業に起因します。
従姉妹だと思うのですが,その結婚式及び披露宴に参加したときのことです。
当時私はおそらく2歳にはなっていなかったでしょう。
親族の話を総合的に聴くところによると,乾杯の挨拶が異様に長かったそうです。
式の厳かな雰囲気に気疲れして,おなかをすかせた2歳児が,目の前に料理がずらりと並べられたまま,延々と何を言っているのか分からない話を聴かされ,待たされ続けたわけです。
ぶち切れた私が泣いて叫んで大騒ぎした…らしいです。
記憶にありませんが。
ただ,それ以来,結婚式の話になると,親族が,
「そういえばあのとき…」
と,ネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチと蒸し返しては嫌みを言われ続けました。
まあ,親族も2歳児の行動に対して,本当に嫌みを言うつもりはなかったのでしょうが…少なくとも私にとっては,結婚式=血痕式。披露宴=疲労宴と変換したくなるくらいには忌まわしいものでしかありません。
ですので,結婚式は嫌いです。
さて,この出来事の根本的な問題は何でしょうか。
一番の問題は明らかです。
結婚式に二歳児の参列を認めたことです。
子どもにとってはつまらない,苦痛でしかない時間です。
二歳児を結婚式及び披露宴に呼ぶ方が間違っています。
では,それとは別の問題は何でしょうか。
もちろん,乾杯前の,長ーーーーーーーーい,あいさつです。
あまり良い言葉ではありませんが,
「空気が読めない」
人の所業でしょう。
ビールを注いだ後であれば…泡がなくなります。
のどがかわいているかもしれません。
おなかがすいているかもしれません。
そんな参列者の…それ以上に,どれだけ疲れていても笑顔で話を聴かなければならない新郎新婦の事を考えるならば…
手短に済ませるのが人道的ではないでしょうか。
つまり…そんな状況においては,誰が何を話しても,大して興味関心を惹けないし,むしろ長話をしようものなら,蛇蝎のごとく嫌われて終わります。
これは結婚式の乾杯のあいさつを例にした話です。
もちろん,結婚式に限らず,どんな会合や懇親会,パーティでも同じです。
参加者の誰一人たりとも,そのあいさつをする人の話を聴きに来ているわけではないのですから。
集中力も落ちているし,疲れているし,他のことに気を取られているのです。
そこで,話し手が延々と自分の話したいことを話したら…嫌われて当然です。
そして,世の中の9割の広告が,これと同じ事をしています。
ちょっと想像してみてください。
一日中仕事をして,夜に家に帰ってきたとします。
疲れてぐったりしています。
食事も済んでいないので,おなかがすいています。
明日も早く起きなければなりません。
これから食事して,シャワーを浴びて…あと何時間寝られるだろうか…
ああ,明日の仕事の段取りもしないと…
…と,気が重い状態です
こんな状況下で,人は広告を目にします。
疲れていて集中力が下がって,他に気を取られている状態です。
そんな時に,延々と自分が好きなことを語り続ける乾杯のあいさつを長々としゃべる人がいたら…
手に持ったグラスを投げつけたくなる衝動と戦わなくてはならなくなるでしょう。
ですが,幸いにも目の前にあるのは,広告。
イラッとしたら,スルーすればいいのです。
むしろ,イラッとすることすらなく,視界にも入りません。
その結果,広告の反応率は地を這うがごとくの数字となります。
当たり前です。
では,何が問題なのか。
自分の語りたいことを語る広告など,誰がそれを見たいと思うのでしょうか。
誰が,それを見てチェックして,クリックしたりURLにアクセスしたりしようと思うでしょうか。
対策は,上述の通り疲れ切って,気を取られて,集中力が尽きかけているような状況でも,思わず目を留めて先が読みたくなるような広告にすることです。
テクニックや方法,ノウハウはいっぱいあります。
ですが,根本的なところでは,
「その人が読みたくなるもの」
を書かなければならないのです。
自分が言いたいことではなく,その人(顧客候補の方)が読みたくなるような文章を,です。
自分が言いたいことは,ぐっと我慢してください。
まずは,相手の興味関心に焦点を合わせて,注意を惹く。
これが全てです。
自分が言いたいことを真っ先に話し出したら…乾杯の前に,20分しゃべるアホと同類だと思うように心がけてみてください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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