今日のタイトルを見て,違和感があった方は,GOODです。
違和感ではなく,明らかにおかしい理由がわかるならBESTです。
解説はのちほど。
先日,あるセキュリティ関連商品のリサーチをしていたときのことです。
関係者から非常に興味深い話を聴くことができました。
セキュリティ商品は,基本的に「予防」商品です。
基本的に,「予防」商品は,なかなか売りづらい商品です。
このブログでも,何度か取り上げた話です。
ですが,その場で聴いた話は,より生々しい,リアリティのある話でした。
ちょっと想像してみてください。
あなたにとって大切な家族がいるとします。
その家族に生命保険を掛けているとします
何らかの理由で不幸が起きた場合,保険金が支払われます。
では,保険金をもらって嬉しいでしょうか。
例えば,夫婦関係において,夫が妻に生命保険を掛けているとします。
何らかの不幸で妻が死去したとします。
生命保険を掛けているので,保険金がもらえます。
では,保険金が貰えれば嬉しいでしょうか。
冷え切った夫婦仲であれば話は別です。
しかし,そうでないならば…
「叶うならば,保険金などいらないから,死なないでほしかった」
と思うのではないでしょうか。
しかし,人の死はどうしようもありません。
だから,保険を掛けるしかないのです。
では…本当に,人の死はどうしようもないのでしょうか。
そこを考えてみて欲しいのです。
もし,その死を防ぐ…あるいは確率を下げることができたら,その方がいいのではないでしょうか。
先日聴いた素晴らしい話は,
「保険金,もらってうれしいですか?」
「保険料を払って,保険金をもらえるようにするよりも,保険料に掛けるお金を回してでも,セキュリティを導入して,保険金がもらえるような事態を防ぐほうがいいのでは?」
というアプローチで,セキュリティ商品をバンバン売った,という話でした。
今日のタイトルは,明らかに誤字です。
よく警備会社などが,
「◯☓安全保障株式会社」
などという商号にしているのを見かけます。
あるいは,国際関連の用語でも,
「安全保障」
という言葉はよく見かけます。
決して,
「安全補償」
ではないのです。
【補償】【保障】【保証】の使い分けで悩むことがあるかもしれません。
基本的に【保証】は「責任」という意味合いが強い言葉です。
今日の主題から外れるので詳細は辞書をご覧ください。
【補償】と【保障】。
絶対に間違えるわけにはいかないでしょう。
補償は,何かが起きてしまった場合,その損害を埋めるための考え方です。
保障は,「何かが起きてしまう」ことがないようにするために,どうするか,という考え方です。
では,セキュリティ関連商品はどちらでしょうか。
【保障】でしょうか。
【補償】でしょうか。
いうまでもありません,保障です。
今日のタイトル「安全補償」は明らかに誤字,というのはこれが理由です。
違和感を覚えた人は正解です。
そして,何がどう間違っているのか。すなわち補償ではなく保障だ,というのがわかっていて,その使い分けまでわかっている人は素晴らしいです。
ここまでわかれば,先程のセールストークも,解釈次第では非常にエグい話だということもわかるでしょう。
なぜか。
あのトークの裏に込められたメッセージは,
「あなたが欲しいのは【補償】ですか?それとも【保障】ですか?」
という問いになるからです。
前者を選んだならば,家族などの大切である人たちの安全よりも「お金」のほうが大事だ,という選択をしたことになってしまいます。
さすがに,それでもなお【補償】のほうが大事だ,といえる強者は,あまりいないでしょう。
多くの場合は,保障がないから補償で代用するしかないのです。
もし保障があるならばそのほうがいい。それを忘れてしまっているだけなのです。
このセールストークは,それを思い出させる,という意味でも,非常に素晴らしい話でした。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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