ネットの,ある記事を見ていたときのことです。
違和感を覚えました。
内容は,
・士業
・コンサルタント
・コーチ
・カウンセラー
・セラピスト
・インストラクター
といった仕事は,商品を手にとって見てもらえるわけではないので,ホームページでは売りにくい。
こういった趣旨のものです。
だから,セミナーを開催して,そこできちんと説明する…という流れでした。
形のないものをホームページでは売りにくい,ということであれば,セミナーも売りにくいわけであって…
セミナー集客も形がないものだからホームページではやりにくい以上,セミナー集客は大変。
…というまさに鶏卵のような愉快な論理展開に,思わず吹き出しそうになりました。
ただ,違和感の原因は,この鶏卵の論理ではなさそうです。
この,
「あれ?」
と思った瞬間,それを放置せず,きちんと考え続けることが,思考力を鍛える訓練になります。
ぜひ挑戦してみて下さい。
ということで,あなたも,この
「形がないものはホームページでは売りにくい」
ということについて,何かがおかしいか気付くでしょうか。
考えてみてください。
全米屈指のコピーライターにして,「億万長者メーカー」と賞賛される,ダン・ケネディ。
彼は「ガシー・レンカー社」から仕事を受けて,コピーを書いています。
ガシー・レンカー社の商品といえば…あなたもご存知かもしれません。
ニキビケア商品のプ□アクティブです。
残念ながら,直接見たことがなく,伝聞です。
ダンは,
「思春期の女の子が,『どこにも行きたくない』と言って部屋に引きこもっている」
という内容のコピーを書いたそうです。
ニキビケア商品なのに,
「女の子が部屋に引きこもっている」
という内容のコピー。
これはどういうことでしょうか。
想像してみて下さい。
思春期の女の子といえば,友達と楽しく話をしたり,遊んだり…
私のような,おっさんにしてみれば想像もつかないような,「二度と戻ってこない,輝かしい時代」のはずです。
ところが,そんな1分1秒すらも輝いているはずの女の子が,部屋に引きこもってどんよりしているわけです。
これはなぜでしょうか。
顔にニキビができてしまい,その顔を友達や気になるボーイフレンドに見せたくないから,引きこもるしかない,という流れのようなのです。
単に,ニキビケア商品として売り出せば,
「ニキビのケアができる」
というだけのものになります。ベネフィットは,ニキビが早く治ります,とかそういった程度のことだけでしょう。
ですが,それだけです。
当時はニキビケアというカテゴリがなかったので,塗り薬を「ニキビのケア」という効能に特化して売り出したのはガシー・レンカーがはじめてだ,ということです。
ですが,いずれ競合商品が大量に出てくれば,埋もれていきます。
コモディティ化していきます。
だからこそ,ダンは,女の子の輝かしい時間を演出する,というベネフィットにしたのでしょう。
ニキビケア商品は,形のあるものであり,手にとって見ることができます。
ですが,それだけを見て,
「女の子が青春時代を謳歌するためのサポート」
というベネフィットは出てくるでしょうか。
ということで,先程の問い,
「形がないものはホームページでは売りにくい」
というものに対する違和感です。
いろいろ考えてみたところ,
「逆」
ではないだろうか,と思い至りました。
どういうことか。
形のあるものであったとしても,そのベネフィットは形がなく,目に見えないもの。
つまり,形のあるものであっても,形のないものと同様に,真剣に効果効能良さやメリットベネフィットを伝えないと,完全にコモディティ化(市場に流通している商品がメーカーごとの個性を失い,消費者にとってはどこのメーカーの品を購入しても大差ない状態)して,売れなくなっていく,ということです。
形があるものが,売りやすい。
形がないものは,売りにくい。
そんな時代は,もう終わったのです。
これだけ物が溢れた時代において,形から想像できる効果効能だけをアピールしたところで,コモディティ化して安く買い叩かれて終わります。
形のあるものこそ,その奥にある形のないベネフィットをきちんと描かないと,売れないのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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