お互いに気づかずに人間関係をぶち壊す現象

お互いに気づかずに人間関係をぶち壊す現象

お互いに気づかずに人間関係をぶち壊す現象
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今日は私の恥ずかしい失敗談を紹介します。

例えば,りんごを知っているAさんとBさんが,りんごを目にして,

A「これはりんごだね」
B「そうだね,りんごだね」

ということ自体はごく普通のことでしょう。

ただ,もしかしたら,

A「これはあおりんごだね」
B「いや,普通に赤いりんごでしょ」
A「いやいや,あおりんごでしょ,目がおかしいんじゃない」
B「これがあおりんごだなんて,目か頭がどうかしている」

と争いになるかもしれません。
この場合,どちらかが,色覚異常ということになるでしょう。

別の例え話です。
ネットで見た,ある記事があります。

小学校のテストで,ピーマンの絵がモノクロで印刷されています。
それが何かを書かせる問題です。

ある小学生が,ピーマンではなく,
「パプリカ」
と書いて,☓を付けられ,「ピーマン」と赤文字で訂正されていました。

定義【パプリカ】
トウガラシの栽培品種であるピーマンの一種。赤・黄・オレンジ・紫などさまざまな色があり、肉厚で甘味が強い。オランダ-パプリカ。カラー-ピーマン。

定義【ピーマン】
トウガラシの栽培変種。果実は大きく中空状で、辛みがない。緑色の若い果実を食用とする。ピメント。

要するに,それが「緑」であれば,ピーマン。
「緑」ではなく,赤や黄色,オレンジ,紫などであれば,パプリカということになります。

そして,モノクロ印刷された絵について,「パプリカ」ではなく「ピーマン」と指摘する。
これは黒く印刷された絵を「緑」だと判断すべし…という出題者または採点者の凝り固まった悪意の結晶…あるいは,思考の異常の兆しの可能性があります。

さて,この場合前提にあるのは,知識です。
繰り返します。
「緑」であれば,ピーマン。
「緑」ではなく,赤や黄色,オレンジ,紫などであれば,パプリカ。

赤い「現物」を手にして,
「これはピーマン」
と言ったら間違いです。

あるいは,緑の「現物」を手にして,
「これはパプリカ」
と言ったら,やはり間違いということになります。

もし,赤い「現物」を手にして,
「これはピーマン」
と言っている人がいたら,
「ピーマンは緑の場合であって,赤だとパプリカだよ」
などと言えば,上述の教師のような思考異常者でなければ,誤解が解けるでしょう。

さて,世の中,得てして見た目では判断が付くかどうかがわからないものがいっぱいあります。
例えば,性別。
綺麗に女性風に着飾った男性を見て,男性ではなく女性に見える…ということも多々増えてきているようです。

あるいは,国籍。
これは完全に目に見えません。

アメリカに行った時に,
「韓国人か?」
と訊かれたことがあります。
アメリカ人に,アジア人の顔の違いの識別というのは難易度が高いのでしょう。

問題は,その「誤解」に気づかない場合です。
つまり,異様に完成度の高い女装をしている男性を,
「男性」
と見破って,それが決定的に確信している人と,まったく気づかない人との間では,会話にズレが生じるのはなんとなく分かるのではないでしょうか。
呼称ひとつとっても,「あれ?」という現象が起きるはずです。
具体的には,その女装した男性を「彼」と呼ぶか「彼女」と呼ぶか…という違いが起きることでしょう。

あるいは,
「日本人」
という前提で話をするのか,別のアジアの国籍の人として話すのかで,まったく会話の中身が変わってくるでしょう。

必ずしも見た目ではわからない時に,
「理解にズレがある可能性」
に気づかないと,大きな問題に発展する可能性があるのです。

あるセミナーで知り合った方と話をしていました。
そのセミナーに出た,ということは,そのセミナーで紹介された内容は,相手も理解しています。
ですので,それを前提に話をしていて…

まったく話が通じない。

なぜここまで話が通じないのか,いろいろ考えたところ…
「セミナーの内容を,完璧に理解しているとは限らない」
ということにやっと気づきました。

正確には,
「誤解していることに気が付かない」
ということです。

誤解というものはおそろしいものです。なぜなら,
「誤解していることに気づいていない」
のですから。
その結果,もっとも恐ろしい事態として,
「相手を否定する」
ことに繋がります。

「パプリカ」
と書いて☓を付けられた小学生はどんな気分だったのでしょうか。
何の根拠もなく,
「否定」
されたことになるのです。

誤解は,
「自分が正しく,相手が間違っている」
という観念を押し付けることです。

誤解は,人間関係を一撃で叩き壊すこともあるでしょう。炎上すらも引き起こしかねません。

今回は,相手が間違って理解していることに私が気づきませんでした。
コピーライターとしては,「言葉の理解」を誤解していることが恐いので,なるべく辞書を引く癖付けを心がけています。
ですが,その行き着く先は,自分が「正しい言葉の定義」を理解しているからといって,「相手が正しく理解しているとは限らない」のです。

言葉の定義ではれば,それほど問題はないでしょう。
辞書の定義を見てもらえば,
「いやその辞書の定義が間違っている。私が正しい!」
という人はまれでしょうから。

ですが,辞書という確固たる基準もない状況では,「どちらが正しいのか」で揉めることもあるわけです。
背後にあるのが,誤解です。

常に,
「自分の理解は正しいのだろうか」
そして,
「自分が正しく,相手が間違っている」
と思う時に,相手を否定と言う名の「断罪」せずに,正しい理解に繋げられるかどうか。

ここに熟練することを心がけたいものです。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平

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