コピーライティングの最奥地点

コピーライティングの最奥地点

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今日締め切りのコピーを、無事納品して、ほっと一安心しています。

書き上げたコピーをまとめて取捨選択している時に、
「コピーを書くってホント大変」
だと改めて実感しました。

ということで、今日はコピーライティングにおける最高難易度に含まれるコンセプトを紹介します。

それは、
「ビッグアイディア」
と呼ばれるものです。

このビッグアイディアについて私が記事を書くこと自体、
「10年早い」
と自分でも思います。それくらい難しい内容です。

意味としては、
「言い古されて飽々したものを、新しく、または面白おかしく伝えるための表現法」
といった感じです。

辞書でビッグアイディアなどと調べても、全く出てこない定義となります。

このビッグアイディアが難しい理由があります。

無難なコピーは、これまでの延長上で書くことはできますが、ビッグアイディアは、その延長上とは別次元のレベルとなるからです。

例えば、無難なコピーであれば、過去に上手く言っているコピー、いわゆるスワイプ(借用)ファイルから引っ張ってきて、創造的模倣をすることで、作ることはできます。
ホームランにはなりませんが、シングルヒット…くらいのコピーにはなります。
ビジネスにおいては…特に、クライアントから依頼を受けてコピーを書く以上、ホームランを打つ以上に、三振をしないほうが大事です。

そこで、オリジナリティに走るよりも、スワイプファイルを活用することが大事、ということになります。

ただ、このスワイプファイルをパクると、別の問題が生じます。
それは、
「ああ、またか」
「これ系ね」
「はいはい、もう結構」
となります。

見込み客は、そんなありふれたコピーに飽ききっているのです。

一説によれは、人は1日に目にする広告は3000件以上。
別の情報源によれば5000件を越えるとの話もあります。

それだけの広告を毎日目にし続ければ、
「またこれか」
と思うのも仕方がないでしょう。

だからといって、伝えるための本質的なメッセージは変わりません。
同じメッセージを伝えるのに、同じような伝え方をしてしまうと、飽きてスルーされます。

どうすればいいのか。

そこで、ビッグアイディアが必要になるのです。
ビッグアイディアというものは、このスワイプファイルからパクってもじったコピーとは一線を画します。

コピーライティング自体は、基本的にデータの蓄積と分析、その活用です。
情報処理技術によって書かれるものであって、決して創作されるものではありません。
小説や詩歌などとは違うのです。クリエイティブな能力や才能など必要ないのです。

ですが、このビッグアイディアだけは、
「ひらめき」
の要素が必要となってきます。

かのトーマス・エジソンは
「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」
という言葉を残しています。
これは、誤解の多い言葉で、「努力の大切さ」を説くかのように解説されています。

そこで、エジソンはこんな言葉を補足しています。
「私は1%のひらめきがなければ99%の努力は無駄になると言ったのだ。なのに世間は勝手に美談に仕立て上げ、私を努力の人と美化し、努力の重要性だけを成功の秘訣と勘違いさせている」」

つまり、天才の領域に踏み込むためには1%の才能がなければいけないようです。
これは、99%の努力では駄目だ…ということですので、冒頭に書いたとおり
「コピーライティングにおける最高難易度」
と表現しました。

ですが、才能があろうとなかろうと、それでもコピーは書かなければならないし、ビッグアイディアはひねり出さなければなりません。

歴史に名を残すような偉大なコピーを書く必要はなく、クライアントに十分な結果を残せるビッグアイディアを考えればいいのですから、結局は何とかなります。

では、このビッグアイディアはどうすればひらめくのでしょうか。

ひらめき方…なんて、チート(裏ワザ)な方法はありません。
私が苦しみながら実践している方法を紹介します。

非常にシンプルです。
伝えたいメッセージを、伝えたいメッセージを使わずに別の表現に置き換えるにはどうしたらいいか、と考え続けることだけです。

例えば、「おいしい」というメッセージを、「おいしい」と言わずに表現するにはどうしたらいいのか。
あるいは「美しい」というメッセージを、「美しい」と言わずに表現するにはどうしたらいいのか。

私が心がけているのは、たったこれだけです。
具体例としては、「おいしい」ものを「おいしい」といったところで安直過ぎます。
そこで「1年で366回食べ続けたい味」と表現する、と言った感じです。

年366日食べ続けたい→毎日1回以上食べ続けたい→それだけ食べたいほどの味→それだけおいしい

読み手の頭のなかで、最終的なメッセージに到達してもらうように心がけるのです。

別の例では、
「美しい」を表現するのに、美しいと表現しても安直です。
そこで、「これ以上の光景にお目にかかるには、あと97年必要だ」などと表現します。

あと97年必要→現在の年齢+97歳→通常の人間の寿命を超えている→文字通り一生に一度の光景→これまで生きてきた中で最も美しい

こんな感じです。

この2つのサンプルコピー、
「1年で366回食べ続けたい味」
「これ以上の光景にお目にかかるには、あと97年必要だ」
は、特殊な単語を使っているわけではありません。

「知っていれば、その言葉を使えばいい」
というレベルの話ではないのです。
そういう意味では「ひらめき」という要素が必要となります。

伝えたいメッセージを使わずに別の表現に置き換えるにはどうすればいいのか。
これは…わかりません。
あくまでも仮説です。
脳内におけるデータの絶対量に起因する、という他ありません。

つまり、日頃からたくさん読み、たくさん聞いておくこと。
これに尽きます。

結局はチート(裏ワザ)などないのです。
1%の才能さえあればいいのですが、その1%の才能も日頃の積み重ねがモノを言うのです。

最後に。
エジソンは「99%の努力」といいました。

定義【努力】
心をこめて事にあたること。骨を折って事の実行につとめること。つとめはげむこと。(大辞林)

骨を折る、という表現がされています。

定義【骨を折る】
苦労する。力を尽くす。また、いとわないで人の世話をする。(大辞泉)

苦労する、という言葉が含まれています。
つまり、努力は、大変な苦労を伴う…というニュアンスが込められているように感じます。

ですが、これは本当でしょうか。

別の定義を見てみましょう。
定義【努力】
ある目的のために力を尽くして励むこと。(大辞泉)

ここには、特に「苦労する」というニュアンスのネガティブな意味合いは出てきません。

あなたにとって「努力」とはどちらを指すのでしょうか。
それはあなたの選択です。

エジソンは…毎日毎日好きなことばかりやって、苦労など感じていなかったのではないでしょうか。
好きでもなければ向いてもいないことを必死にやるから、99%の(ネガティブな意味での)努力が必要になります。
ですが、そんな歯を食いしばって頑張ったところで1%の才能…すなわち、自分の向いている、やりたい好きでたまらないことには及ばない、ということではないでしょうか。

今日はコピーライターの立場から、ビッグアイディアの大変さについて解説しました。
でも…コピーライターでなくとも、ビッグアイディアは思い浮かびます。あなたが、あなたのビジネスを好きで、努力だと感じることもないくらいに打ち込んでいるならば、1%のひらめきは必ず訪れます。

例えば、スティーブ・ジョブズ。
彼はiPodを世に出す時に「1000曲をポケットに」というビッグアイディアを披露しました。

iPod Classic

iPod Classic


単に、「このiPodは、100GBの容量があります」などとありふれた表現でなく、です。

スティーブ・ジョブズは、コピーライターとしての訓練をし続けてきたわけではないでしょう。
ですが、それでもiPodに対する思い入れから、1%のひらめきに到達したのです。

あなたも…もし今やっていることが本当に好きで、打ち込めるならば。
1%のひらめきに必ず到達できます。

あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平

 

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