最近は使っていませんが、以前の名刺にこんなコピーを書いていました。
「あなたはきれいなデザインなだけのチラシが必要ですか?
それとも、売れるコピーが書かれたチラシが必要ですか?」
見れば見るほど、デザイナーに喧嘩売っているコピーです。
では、デザインと売れ行きの因果関係は、実際のところどうなのでしょうか。
例えば、セールスレター出れば、全くデザインは反応率とは関係ない、と言われています。世界屈指の実力派コピーライター、ダン・ケネディがこのように言っているのですから、ある程度は反応率を測定した上で検証結果に基づいた考え方なのでしょう。
私自身は、デザインが全く出来ないということに対する正当化の要素として、このダン・ケネディの発言を受け入れています。
とはいえ、実際のところ、
「デザイン性がなくてもコピーの反応率には影響がない」
ということと、
「デザイン性があれば、コピーの反応率に影響する」
ということは、イコールではないように感じます。
2パターンの例を紹介します。
1つ目はこちらの電子書籍。
本のタイトルやテーマとは全く無関係に、カピバラの写真が使われています。
カピバラ好きの私には、思わず反応してしまうものでした。
とはいえ、だからといって、この本は買うでしょうか。
カピバラの写真が見たくて買うならば、この本ではなく、カピバラの写真集です。
よって、デザインは、反応率には影響したかもしれませんが、成約率には直結しない、ということになります。
一方。
誰もが一度は見た事があるであろう、亀の子たわし。
100年以上前から同じデザインで売り続けてきたのですが、最近になって、形や色を替えて売りだしたことによって、新規顧客開拓に成功した、という話を聞きました。
お客様の声、として、若い女性が
「これまでの亀の子たわしは、絶対使いたいとは思わなかった。でもこの新しいデザインは可愛いから使ってみたいと思った」
とのこと。
この場合は、デザインが、成約率に直結していることがわかります。
あるデザイナーいわく、
「デザインが可愛くなければ、コピーがどれほど優れていても、チラシは見ない」
とのこと。
コピーライターの私が、
「成約率にデザインは関係ない」
と思うのと同じように、デザイナーとしては
「デザインが可愛く無いと…」
と、お互いに自分に都合のいいことを主張するだけです。
正しい、間違っている、と白黒つけることにさほど意味はありません。
…もちろん、白黒決着つける方法としては「市場が常に正しい」わけですから、テストしてみるのが一番でしょう。
上記の例全てからわかること。
それは
「ターゲット次第」
という他ありません。
というのも、私の書くセールスレターは、基本的に文字ばかり。
デザイン性、可愛らしさはカケラほどもありません。
私としては、「実利よりも可愛さが大事」などという人は願い下げですから、これはこれで大丈夫でしょう。
一方、可愛らしいデザインを売りにしているデザイナーに
「可愛さなんでどうでもいいから、とにかく売上を上げてくれ」
などと言うのもお門違いな話です。
転んで怪我して血まみれになっている人が、外科ではなく内科に行くようなもの。
本のテーマは重要だと思う人であれば、表紙がカピバラだろうがアルパカだろうが買います。
亀の子たわしですが、どう考えても従来のデザインの方が使いやすく、丈夫で長持ちするだろうと思うのですが、そのたわしを置くキッチンをイメージして、たわしではなくインテリアとして扱うのであれば、リニューアルしたたわしのほうがいいでしょう。
ということで、まとまりはないですが、
「デザインと売上の因果関係は、常にターゲット次第」
という身も蓋もない結論になります。
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