市場が常に正しい

市場が常に正しい

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先日、非常に興味深い体験をしたので紹介します。

とあるセミナー…というほどのことではなく、小規模のワークショップ中での出来事です。
ある女性(おそらく中国人かあと…)が、中国国内でビジネスをする人向けのサービスについて、困っていることを講師に質問しました。

講師は、どんなビジネスをしているのか質問したところ、そのビジネスについていろいろと女性が話をしていました。

私自身はカケラほども興味が無いので、半分聞き流していたのですが、
「中国政府の支援があるから安心で…」
などと、何度も繰り返していました。

それを聞いて、「それのどこが安心なのだろうか」などとぼんやり考えていたところ、講師が
「では、顧客にどんなベネフィットやメリットがありますか」
と質問。

女性はイラッとした様子で
「だから、中国政府の…」
最後まで聞いた講師が、
「ではそれが顧客にどんなベネフィットになっていま…」
その女性は本当にイライラした様子で、今度は講師の話を遮って、同じ話を繰り返しました。

そこで。
この講師は、アプローチを変更。
「では、会場のみなさんに質問です。彼女の話を聞いて、中国でビジネスをしてみようかな、彼女のサービスを使ってみようかな、メリットを感じたなという人が手を上げて下さい」

30名弱の会場は静まり返り…誰一人手を上げません。

その様子を見た、その中国人らしき女性は、それ以降一切言葉を口にすることなく帰って行きました。

非常にわかりやすい、素晴らしい例です。
これが「市場の反応」です。

マーケティング(Marketing)は、マーケット(Market)すなわち市場へのアプローチ法です。

私達コピーライターは、市場に対してアプローチをしてテストをします。
このコピーは反応するのだろうか。
顧客に魅力ある提案ができているのだろうか。

常に市場との対話です。

この講師は、市場の声を代弁してくれていたのです。
顧客は、この女性の自慢話を聞きたいのではありません。その女性のサービスはどれだけ自分にメリットとなるのかに興味があるのです。

だからこそ、優しく
「どんなベネフィットやメリットがありますか?」
と尋ねてくれたのです。
それを、この女性は聞く耳を持たずに、ひとりよがりで
「中国政府が…」
と自慢話を繰り返すばかり。

しかたなく、この講師はわかりやすい形として会場に問いかけたのでしょう。
中国人という、メンツを重んじる国民性を理解しながら、とりようによっては「恥をかかされた」と激怒されるかもしれない、と思ったかもしれません。
それでもこの講師は、実際に市場から冷たい反応を返されて大きな損失になる前に、優しくアプローチしてあげたのでしょう。

常に市場が正しいのです。

この女性の問題点は2つ。特に2番目が致命的です。
1つ目は、
「同じアプローチを繰り返した」
のです。

講師から
「ベネフィットは何ですか?」
と2回聞かれたにもかかわらず、
「中国政府が…」
と繰り返しただけ。

原因が同じであれば、結果も同じです。
同じ質問を繰り返された、という点で、
「何かアプローチを改善しなければ」
と気づかなければなりません。

もう一つ。
これは、決定的に顧客視点が欠けていたこと。
ジェイ・エイブラハムの卓越の戦略上級編において、

「ほとんどの人は、クライアントと恋に落ちるのではなく、自分の商品、もしくは会社と恋に落ちてしまう。 (中略)あなたが、クライアントに対して、 より高いアドバンテージ、安全、メリット、人生やビジネスの豊かさをどれだけもたらすことができるのか、 そう、まさに、それだけが重要なのである。」

と述べています。
この女性は、典型的な「自分の商品に恋に落ちている」例のように感じます。

自分の商品やサービスに恋に落ちるとどうなるのか。
それはこの女性が身を持って見せてくれました。
静まり返った会場、誰一人手を挙げない、冷たい市場の反応です。

もしあなたが
「恋に盲目」
ならば。
市場から冷たい水をぶっ掛けられて冷まされる前に、この事例から学んで
「ちょっとまてよ…?」
と冷静になっていただけましたら幸いです。

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