今日、取引のある営業の方から書類が届きました。
署名押印して返送しなければいけないのですが、同封されていた、返信用封筒には92円の切手が貼られていました。
角2封筒に92円です。
さてどうしたものか。
郵便事務に慣れている方ならすぐに分かります。
料金不足です。
角2封筒は「定形外郵便」という扱いになります。
最低料金は、120円から。重さによって、料金が上がっていきます。
ということで、28円追加で貼らなければなりません。
…そんな細かい料金分の切手買い置きがなかったので、しらばっくれて小細工を1つ。
赤インクで「不足分着信人払い」というスタンプを押して、そのまま投函しました。
これで、受取人が追納してくれることでしょう。
さて、今日のテーマは切手です。
あなたは、マーケティングにおいて、どれだけ切手を使っていますでしょうか。
実は、切手は意外にもマーケティング効果が高いアイテムの一つなのです。
雑多な内容になりますが、いくつか紹介します。
1.DMと手紙の境目
自宅に送られてきたDMと手紙があるとします。
DMは開封せずにそのまま放置…なんてこともあるでしょう。時間が空いた時に処分する、という感じです。
一方、手紙は受け取ったら、すぐに開封する、ということが多いのではないでしょうか。
理由は、DMは不特定多数に送る広告ですが、手紙は私信だからです。
私信とは、自分「個人」宛に送られてきたメッセージだと言えます。
自分個人宛だと興味関心を持ち、開封します。
DMは…「その他大勢」という扱いをされることになるので、つい後回しにします。
結局は、人間は自分のことが大切ないきものです。
人から尊重してもらいたい、という感情は誰もが持っているもの。
好き好んで、「その他大勢の1人として扱われたい」と思う人などめったにいないでしょう。
だから、DMはすぐに開封しませんが、手紙はすぐに開封する、という違いが出るのです。
ではどうしたら良いのか。
DMを開封してもらうためのテクニックはいくつかあります。
その一つに、DMも私信のように思ってもらうためのテクニックがあります。
それは何か。
切手を貼ることです。
多くのDMは、メール便のシールが貼られています。
あるいは、「後納郵便」のスタンプが押されていたりします。
これではいかにも商業用という感じで、個性がありません。
ですが、そこに切手を貼るだけで、私信のように見えるのです。
もちろん、角2封筒のような、定形外郵便を送るときは、切手よりもメール便の方が安いので、ついメール便を使ってしまいがちです。
ですが…単純に切手のほうが反応率は上がる、ということは憶えておいてください。
2.サンキューレター
私もなかなかやれていないのですが、サンキューレターは大切です。
なぜでしょうか。
それは、上記1と同じです。
人は、誰もが自分のことを尊重して欲しい、注目して欲しい、気にかけて欲しいという気持ちを持っています。
そして、サンキューレターは、その気持ちに応えるためのものです。
具体的には、来店頂いたら、お礼のはがきを投函する、というもの。
この時にも、やはり大量に送る料金後納郵便などは厳禁です。
切手を貼ってください。
サンキューレターに、細かなことをたくさん書く必要はありません。
感謝の気持ちを簡単に書くだけで十分です。
それを「手書き」で、切手を貼って送る。
この積み重ねが、リピート率などに関わってきます。
是非活用してみてください。
3.記念切手
さらに、もう一手間掛けるならば、記念切手にするのも効果的です。
ワンシート(100枚)売りの、スタンダードな切手でもいいのですが、記念切手のほうが注目を惹けることは言うまでもありません。
DMなどでは、まず注目してもらって開封してもらわなければ、中身がどれほど素晴らしいセールスレターだったとしても空振りに終わります。
注目を引く、ということでは、記念切手を使うほうが効果があります。
なぜなら、普通の切手よりも目にする頻度が少ないからです。
単純に、珍しいもののほうが注目を引ける。ただそれだけの話しです。
ちなみに、記念切手は、金券ショップなどでごくわずかですが安く手に入ります。参考までに。
以上、雑多な内容ですが、強力な販促アイテム、切手について紹介しました。
冒頭のセールスマンは、それなりに付き合いの長い方。
営業の世界で長年やって来られているのですから、それなりの成績を維持している…はずです。
しかし、そんな彼でも切手のことをほとんど知らなかったようです。
ならば、切手を使えばもっと効果が出ることでしょう。
ぜひ使って、違いを実感してみてください。
最後に、蛇足。
日本の業者はありがたいことに、きちんと仕事をしてくれます。
海外のDM事情では、開封率や成約率の前に「何%配達されるのか」というところまで考慮しなければいけないようです。
日本と違って、出せば相手に配達されて当たり前、というものではないようです。
海外の業者で、DMのように「届かなくてもクレームにはならない」「相手が受け取ることを前提にしていない」郵便物は届かない事態になることがあり得るようです。
そんな時も、切手は役に立ちます。
私信に見えれば…届かなければクレームになります。サボりたい配達員も、さすがにクレームになって上司からクビだと言われるような事態は避けたいもの。
私信は優先して配達されることでしょう。
私信に見える手っ取り早い手段は切手です。
以上、蛇足でした。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平