セミナーに参加したり,セミナー音声を聴いていると…
たまに耳にすることがあります。
もちろん,セミナーだけではありません。
日常生活においても耳にすることはありますが,それは脇に置きます。
質疑応答の際に,こんな質問があります。
「素晴らしい話をきかせていただいて,とても参考になると思うのですが,〜に関してよくわからないことがあるので質問です(以下略)」
「なるほど〜ということだと思うのですが,それに関しては〜」
こんな感じでしょうか。
挙げればきりがありません。
この受講生側の質問を聴いて,気分がささくれ立つような感じがしました。
なぜかはわかりませんでした。
ただ…この質問者はうざいくらい,何かにつけて質問して,毎回同じような「喋り方」で質問をします。
2回目,3回目あたりで,明確に「何がよくないのか」が分かるようになってきました。
さて,あなたは気づいたでしょうか。
日常生活において,
「この人と話をすると疲れる」
「この人と話すと,モチベーションが下がる」
といった症状を感じることはないでしょうか。
おそらく,このセミナーの質問者と同じ仕打ちをしていることでしょう。
では,なぜ疲れるのか。
なぜモチベーションが下がるのか。
もちろん,のべつ幕なしに喋りまくって,話が長くて,オチもない。
そんな話を聞き続ければ,疲れてモチベーションも下がること間違いなしです。
ただ…今日のテーマではないので省略します。
日常生活において,あなたが何かを話すと,
「だけど,その点は(略)」
と返してくる人,会ったことがあるのではないでしょうか。
人間関係において,極めて効果的に破壊をもたらす方法。
その一つが,否定です。
例えば…私が,
「カピバラはかわいい」
と言ったとします。
それを聴いた人が,
「ネコもかわいい」
と言えば…問題はおきません。
では,私の言う,
「カピバラはかわいい」
に対して,
「ネコはかわいい」
これはこれで少々ぎくしゃくする感じはしますが,問題はおきません。
問題がおきるのは,
「カピバラはかわいい」
に対して,
「だけど,ネコはかわいいよね」
…という返しだったらどうでしょうか。
もっとわかり易い例を出します。
Aさんについてです。
(1)「Aさんは,仕事はできないけど,愛想はいいよね」
(2)「Aさんは,愛想はいいけど,仕事はできないよね」
この2つ,同じことを言っています。
では,もしAさんがこの2つを聴いた時に,どのように感じるでしょうか。
ここまでご覧いただければ,おわかりでしょう。
逆接の接続詞の使い方です。
X + (逆接の接続詞) + Y
逆接の接続詞の前を弱めて,逆接の接続詞の後を強調する効果があります。
ここでは,Xを弱めて,Yを強調します。
上記の(1)だと,「仕事はできない」を弱めて「愛想はいい」を強調します。
つまり,相手の印象に残るのは,「愛想はいい」です。
(2)は…
「愛想はいい」を打ち消して,「仕事はできない」という印象をAさんに叩きつけることになります。
よく,
「何か相手を批判・批評するときには,その前に軽い褒め言葉をいれて,批判の印象を弱めようとする」
人がいますが,まったくもって逆効果。
例えば,Bさんの仕事が遅いことに対して,批判しようとする時に,Bさんから反感を買わないように,
「Bさんは,仕事が丁寧だけど遅いよね」
などと「一応」褒め言葉を入れて言う人はいます。
Bさんにとっての印象は,
「仕事は遅い」
という嫌味だけです。
しかも…一応「丁寧」と褒め言葉を入れているので,
「悪気はないんだろうけど…」
という印象も,ほのかに混ぜていることになります。
ある意味…非常に「狡猾」なコミュニケーション手法です。
これを,意識してやっている人はたちが悪いです。
それ以上に,「無意識にやっている」ほうが,手に負えないのではないか。そう私は考えます。
私がセミナー講師として登壇している時に,受講生から毎回,
「とても参考になると思うのですが,この点について…」
と毎回ネチネチ質問されたらと考えると,気が重くなります。
逆接の接続詞は,上手く使うことで,人に好印象を当たることができます。
ただ,多くの場合,人を傷つける場合のほうが多いのです。
特に相手の意見に対して,すぐに逆接の接続詞をかぶせて話す口グセのある人は,確実に,人間関係で損をしています。
かぶせられる方は,意識できないかもしれません。ただ,何となく
「あの人と話していると疲れる」
という症状を感じます。
相手から否定をされ続けたら,メンタルに打撃を受けて当然でしょう。
「そんな人とは付き合わない方がいい」
と思うでしょう。実際に回りに,そのような症状に苦しんでいる人がいたら,その元凶の人とは関係を切ることを推奨するでしょう。
逆接の接続詞。
使い方しだいで,人間関係をぶち壊します。気をつけたいものです。
最後に。
これをコピーに使うとどうでしょうか。
(3)「この商品は,デザインはいまいちだけど,性能はピカイチ」
(4)「この商品は,性能はピカイチだけど,デザインがいまいち」
この2つ。どちらがコピーを読んだ方に対して好印象を与えるでしょうか。
言うまでもありません。(3)です。
良いことばかりを言ってると,コピーは胡散臭くなります。
ネガティブな面を入れたほうが,コピーに信憑性がでます。
だからといって,決して(4)のような使い方はしてはいけないのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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