先日、札幌の町中を歩いていた時のことです。
興味深い看板を見かけました。
おそらく、飲み屋だと思うのですが、
「当店では原価にて提供します」
といった言い回しだったかと思います。
原価で提供…では、どこに利幅があるのだろうか。
不思議に感じました。
ところが。
ちょうど、とある報道番組で、この店のビジネスモデルが紹介されていました。
入店の際に、会費1600円を支払うのだそうです。
入店した後は、いくらでも原価で酒が飲めるとのこと。
入店料で利幅を確保しているようです。
今日、新聞を見ていたらある塗装会社が
「塗料を原価表示致します」
と言っている広告を見かけました。
これは…どこで利幅を確保しているのかはわかりません。
数年前のこと。
ダイレクトレスポンスマーケティングの黎明期を支えた、広告の神様と称えられるクロード・ホプキンスによる
「ダイレクトレスポンスマーケティングの教科書」
においては、
「この商品における当店の利益は3%です」
というコピーが大ヒットした、との話がありました。
人間の性根なのでしょうか。
売手が儲けるよりも、自分が安く買いたい…と思ってしまうもの。
3%も、原価も、いずれも
「儲けていません」
というメッセージなのでしょう。
いずれ、このような表現も、陳腐化して使えなくなっていくでしょう。
なぜなら、疑い深い見込み客が、
「原価ってそもそもいくらなのだろうか」
「ココに書いてあるのは本当に原価なのだろうか」
と疑いはじめるだろうと思われるからです。。
陳腐化するのは仕方がありません。
また、信頼を得るためのコピーを考えなければなりません。
あるいは、本当に原価だと信じてもらうための努力も必要になることでしょう。
ただ、明らかに言えるのは、見込み顧客は疑い深いということです。
聴き心地のよい話には
「何か裏があるのだろうか…」
と疑われることもあるでしょう。
対策としては、2つ。
きちんと証明するしかありません。
塗料の原価表示であれば、納品伝票を見せる、などの証明が必要になるでしょう。
その上で、足りない言葉を補うべきでしょう。
今は「原価表示致します」で事足ります。
ですが、きっとそう遠くない未来に、
「原価…?だからなに?」
と思われ、そっぽを向かれる日が来るかもしれません。
原価表示が、顧客にとって、どんなメリットになるのかをしっかり説かないといけないでしょう。
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