これは,私ではなく,知り合いの駆け出しセールスコピーライターAさんから聴いた話です。
Aさんと親しい,Bさんから頼まれて,あるコピーを書いたときのことです。
対価をもらっての正式な依頼ではなかった…というのも一つの原因でしょうか。
書き上げたコピーを見た,Bさんは,
「起承転結がなってない」
「論理的な文章になっていない」
とのこと。
結局,自分の書いた文章を採用することにしたのだとか。
さて,今日のテーマは,セールスコピーライターの責任です。
法律用語として使うならば,
「専門家責任」
という言葉もあります。
別の話題になります。
ある人が,裁判所からの呼び出し状が届きました。
借金を返していなかったせいで,提訴されたのです。
その訴状を,友人に見せたところ,
「そんなの無視すればいいじゃん」
というアドバイスを受けたのだとか。
その通り実行した結果,欠席裁判になり,相手の言い分を全面的に認める判決になりました。
それでも無視し続けた結果…職場に給料差押え命令が届きました。
結局それが元で,職場を退職せざるを得なくなりました。
言葉を選ばずに言います。
友人のアドバイスは,アホです。
ですが,それを信じた本人の責任でもあります。
さて,話を戻します。
先ほどの駆け出しセールスコピーライターのAさんと,その親しい方でありクライアントのBさん。
ここでの問題点は何でしょうか。
先ほどの給料差押えの問題と,本質は同じです。
先ほどの同じ表現をするならば,Bさんはアホ,ということになります。
なぜでしょうか。
駆け出しとはいえ,それでも勉強しているAさんに自分で頼んでおきながら,書き上がったコピーを見て,
「起承転結がなってない」
「論理的な文章になっていない」
などと言って,自分が正しい,と思い込んでいるからです。
Bさんは,コピーについて,どれだけ勉強したのでしょうか。
どれだけ知っているのでしょうか。
少なくとも,ろくに分かっていない,ということは確かです。
なぜなら,
「論理的でない」
などと言っているからです。
ちょっと想像してみてください。
テレビを見ていたとします。
何かのバラエティか何かで,とても気になるところで,
「続きはCMの後で」
となります。
それが気になって,チャンネルを変えることができません。
…という体験,あなたもきっと何度か体験したことがあるのではないでしょうか。
では,そのCMの前までの話の展開は,
「論理的」
だったのでしょうか。
「起承転結が整っている」
のでしょうか。
起承転結が整っていたら,きちんとCMの前までに,オチまで展開します。
その結果…CMになったとたんにチャンネルを変えられる,と言うことにもなるのです。
基本的に,この手のテクニックは,相手の感情に働きかけて,
「何かをさせる」
または
「何かをさせない」
ことを意図しています。
ここでは,
「チャンネルを変えない」
または
「同じ番組を見続ける」
ことを意図して,気を引く展開にしています。
基本的に,セールスコピーも同じです。
相手の感情に働きかけて,感情を動かし,行動へつなげることがセールコピーの役割となります。
論理的な文章で,相手の感情を動かすことができるでしょうか。
例えば,新聞記事や学校の教科書を読んで,ボロボロ涙を流す人…って,想像できるでしょうか。
あまりにもファンタジーでしょう。
また,
「起承転結」
も論外です。
例えば,コピーライティングであれば,有名な型として,AIDAの法則があります。
A…Attention(注意)
I…Interest(興味)
D…Desire(欲求)
A…Action(行動)
この順番で書くことで,反応の出るセールスレターになる,というものです。この通り書くことで,感情に働きかけて,行動につなげられるのです。
起承転結で書いて,どうするのでしょうか。
セールスコピーと,単なる文章術は違うのです。
そういう意味で考えるならば,Bさんは,アホです。
先ほどの
「裁判所からの特別送達など無視すればいい」
と同じくらいのアホです。
なぜなら,専門知識が全くないにも関わらず,判断しているからです。
では,この責任は誰が取るのでしょうか。
今回は,Bさんが,自分のエゴを通したことで,自分自身が痛い目にあって,
「自業自得」
で済む話です。
ですが,仮に今回Aさんが報酬をもらっていたらどうなるのでしょうか。
ここで出てくるのが,「専門家責任」という言葉です。
法律用語としての定義は脇に置きます。
単純に,Aさんはセールスコピーライターとして,依頼を受けて報酬をもらいました。
納品した結果,Bさんが
「明らかに効果の出ない,コピーですらない,自己満足の文章」
を広告に出そうとしています。
Aさんは,それでいいのでしょうか。
報酬をもらっているのなら,
「それじゃあ効果は無いよ,なぜなら…」
ときちんと説明する責任があるのではないでしょうか。
さて,今回はわかりやすくセールスコピーライターAさんの話として紹介しました。
ですが,これは決して人ごとではありません。
例えば,あなたは家電量販店を営んでいるとします。
子どもがアレルギーで苦しんでいる母親が来店して,布団クリーナーを探しているとします。
その時に,値段の安い…すなわち,売りやすいけれど,吸引力がカスなレイコ○プを売ればいいのでしょうか。
それとも,値段は倍くらいするけれど,比較するのが失礼なくらいの吸引力を誇るダイ○ンを売ればいいのでしょうか。
家電量販店としては,顧客に対する専門家としての立場から,きちんと一長一短を説明して,明確な購買基準を示すべきでしょう。
それをせず,手っ取り早く安いレイコッ○を売ってしまった場合。
もし後から,(このブログで以前にも紹介した)この動画をクライアントが見てしまったなら…
きっと,
「なんで,ダイソ○のほうがいい,って言ってくれなかったの」
と恨まれたりクレームになるでしょう。
これが,専門家としての責任ということになります。
このように,顧客にとってよりよい未来に導けるように,十分に説明する義務があなたにはあるのです。
あなたがどんなビジネスをしていたとしても,あなたのビジネスが今成り立っている,ということは,それだけあなたの商品やサービスに価値があるということに他なりません。
ならば,その商品やサービスの専門家として,顧客を幸せにするためにも,きちんと説明しなければならないのです。
良い商品だから,ほっといても売れる…などは言語道断なのです。
追伸
専門家としてアドバイスするのは大切ですが…その前にやることがあります。
十分に注意を引くことです。具体的な内容は、こちらの「売れる広告作成勉強会」で解説します。
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