3000万部の奥に隠された真実

3000万部の奥に隠された真実

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先日。
あるテレビ番組(のオンデマンド版)を観ました。
池上特番の「戦後70年の今、アンネの日記を読み解く!」というものです。

池上彰氏の著書
「世界を変えた10冊」
の最初に取り上げられた,
「アンネの日記」
にまつわるドキュメンタリー,解説番組です。

その中で…強烈なインパクトを受けたメッセージがありました。

アウシュビッツ強制収容所の中での出来事ではありません。
これはこれで本当にむごい話であり,目を閉じたくなり,耳を塞ぎたくなる話でした。

その先の更に別の収容所で,そこに押し込められたユダヤ人がどんなむごい殺され方をしたのか…。
これも,耐えがたい話でした。
そこで,アンネがどのような運命を迎えたのか…。
結末自体は知っていたとしても,思わず呼吸を忘れるくらいのめり込んで観ていました。

だた…これらのシーンが吹っ飛んでしまうくらいのインパクトが次にあったのです。

オンデマンド版なので,思わす戻して二度見してしまいました。

それは。
アンネの義理の姉,エバ・シュロスさんのコメントです。
彼女は,「アンネの日記を最初に目を通した一人」とのことです。
今回の番組内で,彼女に対してインタビューした結果,その彼女のメッセージを耳にすることができました。

本当にインパクトのあるメッセージだったので,そのまま紹介します。

このメッセージに,正にコピーライティングのひとつの極意が込められているのではないでしょうか。

「極意」という言葉を使うのは安っぽくなってしまうので気を付けなければなりません。
何より,「その極意さえ守れば効果が上がる」と勘違いされてしまう可能性もあるため,あまり使いたくない言葉ではあります。
ただ,他に適切な言葉が思い当たらないので,極意という他ありません。

「(アンネの日記について)初めて読んだ時は正直何も感じなかった。
アンネだけではない。たくさんの若者がそこにいた。
何百万人もの無実の人が殺された。
大人になって,アンネの日記の大切さが分かった。
子ども達にたくさんのユダヤ人が亡くなったと言っても理解できない。
でも,一人の人間の人生なら理解できる。知っている女の子が殺されれば,あなたは悲しくなるでしょう」
(テレビ東京ビジネスオンデマンドより)

終戦後,ユダヤ人は
「なぜこんな酷い目にあうのか」
と考えはじめます。
その結果,
「ユダヤ人のための国がなければならない」
という結論になります。

紆余曲折を経て,パレスチナ地区に「イスラエル」という国家を樹立します。
詳細を解説するのは本題から逸れますので,省略します。
ただ…この出来事の奥には,ユダヤ人の悲劇を全世界に知らしめ,世界から同情または追認をうけ,イスラエルという国家樹立の原動力になったのです。
数々の中東問題,戦争を引きおこし,戦後70年たった今も,紛争の火種はくすぶっています。

アンネが何を望んだのかは知るよしもありませんが…一人の少女の日記が,文字通り世界を変えたのです。

その世界を変える原動力が,上記で紹介したメッセージにあった,
「一人の人間の人生なら理解できる」
というこの言葉に尽きます。

「アンネの日記」は「日記」です。日記であれば,誰かに見てもらうことを想定したものではありません。
ですが,アンネの日記は,「キティ」という架空の少女に向かって語りかける形式になっています。

たった一人の架空の少女に語りかけた,日記という形式を通したメッセージ。
それが,結果的に,全世界3000万部発行…すなわち3000万人に届くメッセージになったのです。

より正確に表現するなら,1人対3000万人ではなく1人対1人×3000万,という考え方です。

コピーライティングの中でも本当に成し遂げるべきこと。
それは,たった1人の心を動かすことです。
特に,コピーライティングの中でも,セールスレターが当てはまります。
レターですから,手紙です。私信です。たった一人の読み手の心を動かさなければならないのです。

たった一人の心を動かせずに,10人,100人,1000人…の心を動かせるでしょうか。

アンネの日記は…結果的に,3000万人の心を動かしたということになります。

もう一度繰り返します。

「子ども達にたくさんのユダヤ人が亡くなったと言っても理解できない。
でも,一人の人間の人生なら理解できる。知っている女の子が殺されれば,あなたは悲しくなるでしょう」

仮にアンネが…エッセイ形式で,自分がどれだけ悲惨な目にあうのか…ナチスに対する恨みやユダヤ人としての自覚について,書いていたとしたら,ここまで心を動かされる人はいなかったでしょう。

たった一人の架空の少女,キティに語りかけたメッセージだから。
結果的に,読み手に語りかけるメッセージだったから…多くの人の心を動かし,世界を変えたのです。

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