私がまだ,司法書士として過払い金返還請求の手続きを扱っていた時のことです。
ある依頼者が怒鳴り声で電話を掛けてきました。
「回収した過払い金全額がなんで戻ってこないのか」
とのこと。
回収した過払い金から,司法書士報酬や諸経費を差し引いて,残額を返します。
ですので,回収した過払い金と,依頼者に振り込まれる金額は一致しません。
それは事前に説明してあります。
…が,トラブルの元になりやすいのはよくわかっています。
そこで,
「その点については,事前に報酬についてきちんとご案内してあります」
「全部,ご説明し,納得いただき,委任契約書の裏面に,『報酬について説明を受け,理解し,納得したので依頼します』ということで署名押印をいただいております。ご確認ください」
すると,さらに罵声を浴びせてきて,
「訴えてやる,すぐに弁護士から連絡させるからな」
とのこと。
こちらとしては,
「わかりました。弁護士にその書面をきちんと見せてくださいね」
というしかありません。
当初,過払い金案件といえば,「あり得ない」出来事でした。
依頼者としては,借金漬けになって,もうどうしようもなくなってやむを得ず事務所に相談に訪れます。
破産するしかないのだろうか,一家離散,職も失って…
等と悲惨な状況になるのを想像ながら,それでもなんとか返していけるだろうか,どうだろうか…と思っていたところ,お金を返せるかどうか,ということではなく,「お金が戻ってくる」わけです。
過払い金案件を扱い始めた初期の頃は,とにかく非常に感謝されました。
「借金さえなくなればいいので,あとは先生に全部あげます」
と言われたのは一人や二人ではありません。
(もちろん,規定の報酬だけいただきます)
ですが,ある時から,
「なんで過払い金がこれしか返ってこないの?」
と言われることも増えてきました。和解する金額も,下手に譲歩すると,クレームになりかねません。非常に神経を使います。
別の案件では,そもそも過払い金が発生しないことについて,散々嫌味を言われることも増えました。
最終型が,上述の出来事です。
さて,そもそもの問題は何でしょうか。
「過払いバブル」
と言われるくらいです。バブルですので,ビジネスモデル自体がいいものではない。
これは大前提です。
その上で,今回の根本的な問題は何でしょうか。
私が考えるに,「客層の悪さ」は,ある意味どうしようもありません。
なぜなら…もともとがサラ金に手を出す方々だからです。
低所得者だから駄目,サラ金に手を出す人が駄目…レッテルを貼りたいわけではありません。
単なる感覚値です。
要するに,教育レベルが低く,上質なサービスを受けることも少なく,モラルや道徳感のある人間関係を構築できる「確率」が低い。
それだけです。
要するに,「確率」なのです。
当然ですが,高所得者でも,横柄で感じが悪い人など,いくらでもいるでしょう。
これも「確率」の問題です。
この「確率」を踏まえて,あなたはどっちがいいでしょうか。
つまり,「高所得者」を相手にするビジネス…言い換えると,高単価ビジネス。
あるいは「低所得者」を相手にするビジネス…言い換えると,低単価ビジネス。
どちらがいいか,ということです。
ネットの記事ではあるのですが,格安スマホに関して,クレームや消費者協会に対する苦情が増えているのだそうです。
コストを抑えて,単価を下げる。
そのコストの一つが,顧客教育です。十分に商品知識を顧客に周知徹底させる前に契約してしまった結果,
「こんなはずではなかった」
とクレームに繋がるのでしょう。
その背景にあるのが,十分に買い手側が思考するプロセスです。
繰り返しますが,あくまでも確率です。
つまり,十分に思考する能力がない,あるいは低い人が多い客層に対してアプローチした結果でしょう。
いいものを安く,ひとりでも多くの人に届けたい。
とても崇高で気高い思いです。
ただ…それができるのは,大企業。
それだけの資本やリソースがなければ,ただの夢物語です。
中小零細企業,個人ビジネスとして,本当にいいものを扱い,それで顧客を幸せにしていきたい…ということであれば,残された道は高単価ビジネス。
これしかないでしょう。
低単価で,多くの顧客を扱い,クレームに追われる。
これでは,ビジネスが続きません。
それ以上に,自分の人生における,非常に重要な「時間」を浪費するだけです。
クレーム処理に追われ続ける人生。
そんな生き方,したいでしょうか。
それが嫌なら,客層の良いターゲットに対して,高単価ビジネスを展開する道を探すのが一番です。
それ以外の人たちに対しては,大企業がなんとかしてくれますから,大丈夫です。
あなたが自分の人生を摩耗しながら提供する必要はないのです。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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