今月はどういうわけか,司法書士業務の相続案件を多く受注。
司法書士を15年くらいやっていて,こんなに受注したのは久しぶりです。…今となっては司法書士を「副業」と言い切り,コピーライターやマーケティングコンサルタントを「本業」と捉えているのに,です。
立て続けに法律相談…という名の下のセールスを繰り返していると,いろいろ思うことがあります。
顧客の価格(報酬)に対するリアクションが,やたらと薄い時があるのです。
きちんと報酬の根拠や理由などを説明しているのですが,それでも「高い」という人はいます。
それはそういうものです。反論処理してまで受注しょうとする気はならないので,お引き取りいただくだけです。
また,「安いですね」という人は…2年に1人くらいはいますが,基本的はいません。
残りが,価格を聞いて,何らかの形で納得したから依頼をいただく,ということになります。…なるはずです。
ところが,納得以前に,価格そのものに対して「無関心さ」を感じる時があるのです。
そんな案件をいくつかピックアップして,共通点を検討してみました。
あくまでも仮説です。
お金の出処,要するにフトコロ次第ではないか,と思われます。
例えば,親がなくなり,めぼしい資産は不動産だけ。
その不動産の名義変更手続きは,相続人である子が負担します。この場合「司法書士報酬を支払う」という感覚が強くなるので,「高い」と言われる頻度が上がります。
一方,価格に無関心な例は,遺産に預貯金がある場合です。
司法書士報酬を立替えたとしても,預貯金から賄えばいいので,報酬への関心が薄くなります。
むしろ,戸籍取寄せなどの,面倒なことをしたくない…というほうに気持ちが傾いているので,クロージングが非常に楽です。
このように,お金を支払う「痛み」の感覚が薄くなると,価格への抵抗も薄れるので,セールスの成約率が上がるのです。
ということは…はじめから,そういった価格に対する抵抗感の少ない客層に対するサービスに特化して,思いっきり値上げする…というマーケティング戦略は,ありかもしれません。
士業としての職業倫理上の問題は生じますが。
士業はさておき,価格帯を変えることで,フトコロが変わる,という考え方があります。
実際に聞いたことがある話です。
学生向けの英会話スクールがあるとします。
月額5000円くらいの受講料だったら,フトコロはどこになるでしょうか。
学生が小遣いだったり,仕送りから自由に使える範囲だったり,バイト代から…となります。
要するに学生のフトコロから出ます。
自由にお金を使える範囲が狭い,学生を相手にするのは大変です。
では,フトコロを変えるにはどうしたらいいでしょうか。
例えば,月額5万円の英会話レッスンにすればいいのです。
すると。
フトコロは親から,となります。
親が5万円を納得して支払ってもらえるように,サービスの内容も合わせます。
例えば,海外留学向けの内容にする。外交官等への志望者をターゲットにする,等。
客単価10倍で,支払い元が親なので,滞納も少なくなります。
労力は10倍にはならないでしょう。
顧客数は減るかもしれません。ですが,利益率や時間効率は一気に上がります。
これが,フトコロ戦略を見据えた,価格戦略です。
こういった例は,他にも考えてみれば,まだまだあるでしょう。
具体的には,高齢者向けに,孫が買って喜ぶような商品を販売してみる…とか。
他には,アップセルやクロスセルは,購入の意思決定が済んでおり,かつ一貫性の法則が働くので,価格への抵抗が弱くなります。
どんどん試してみて下さい。
価格に対する抵抗感を,販売する側が感じているならば…
慣れるまで気合と根性で頑張ってみるのも一つの手です。
同じように…顧客が価格に抵抗しないようなターゲット層に対してマーケティングを展開するのも一つの手です。
後者ばかりを選ぶと,セールスの腕が落ちるので,あまりオススメはしません。
ただ,顧客のうち,一定割合は,こういった層にアプローチできると,かなりセールスだったり,売上に対する考え方が楽になります。
是非,一度フトコロ具合から,価格戦略を考慮してみてください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
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