先日、あるメルマガで私の名前が書かれたものが送られてきました。
開いてみたら、私の名前が書いてあって、何事だろうか…と驚きました。
読んでみると、私が何ヶ月か前に書いた、ある商品の「お客様の声」でした。
私が「お客様」として書いた感想です。
まさか、書いた当時は覚えていたのですが、すっかり忘れたころに目にしたので、かなり意表を突かれました。
では、この時なぜ私が「お客様の声」を書いたのでしょうか。
その時は、その商品シリーズの中で、どれが一番人気なのか、その人気投票だったのです。
人気投票で、
「お客様の声」
を書いた人には、特別のプレゼント…というものもありました。
そのプレゼント欲しさに、
「どうすればこの商品の良さが伝わるだろうか…」
などと、コピーライティングモードで書いた感想だったのです。
残念ながら、私の投票した商品は4位でした。
さて、これは非常に上手いマーケティングの例です。
いくつ、「策」が仕掛けてあったでしょうか。
1.オファー
これは非常に直接的なものです。
当時発売したばかりだった、iPadProが「抽選で1名」当たる、というオファーでした。
当たるわけないよなぁ…と思いつつも、
「いい感想」
を書けばもらえるかもしれない…そう思ったのを覚えています。
このオファーひとつとっても、幾つかのネタが仕込んであります。
発売されたばかりのiPadProを賞品にした、という時点で、注目を引くことが出来ます。
アップルやマスコミ各社の報道によって獲得したその注目度を、上手く活用したのです。
あとは、商品自体に魅力があること。これが、同じiPadでも型落ちしたものではそこまで魅力的ではなかったでしょう。
2.お客様の声
上記のように、魅力あるオファーを提示することで、たくさんのお客様の声を獲得することができます。
私のような賞品欲しさに、その商品の良さをきちんと伝える、使いやすいお客様の声を獲得できれば、それを継続的に使いつづけることが出来ます。
iPadProの出費は1台分です。
ですが、そこで獲得したお客様の声を使って、いくらでもその商品を売ることが出来るのです。
3.ゲーム性
どの商品に投票するか。
これは一種のゲーム感覚です。自分の気に入った商品を応援したくなるものです。
このゲーム性を使って、顧客を行動に促すことが出来ます。
有名な例としては、AKBの総選挙とかがまさにこのゲーム性の活用でしょう。
あそこまで行くと、もはや「カルト」気味な感じですが…
4.売り込み臭の払拭
このように、ゲーム性を活用して楽しんで参加できる仕組みを作ることで、売り込み臭さを消すことができます。
具体的な数は覚えていませんが、仮にエントリーした商品が10個あったとします。
この場合、自分の投票したい商品を見る過程で、残り9個の商品も目にしてもらうことができるのです。
5.単純接触効果
投票するときに、その10個の商品を目にしてもらうことができるのは、上記のとおりです。
ですが、それだけではありません。
投票する…ということは、その投票結果を見ることになります。
そこで、またあその10個の商品を目にしてもらうこともできるのです。
さらに、「途中経過」と称して、更に数回今の状況を報告することで、見てもらうこともできるのです。
これにより、単純接触効果として、他の商品を見てもらう頻度を増やすことで、その他の商品を買ってもらう確率も上がるのです。
以上、ざっと気がついた限りにおいて5つほど挙げました。
一つの策で5つ。
なんとも賢いマーケティングキャンペーンです。
優れたマーケティングキャンペーンは、一つではなく、複数の要素が絡み合って、相乗効果を生み出します。
ですが、その前提として、ひとつひとつの要素も優れていなければ話になりません。
例えば、オファーがiPadProじゃなかったら…
アップルというブランドイメージでレバレッジを掛けることができません。
ということは、2から5までの策が不発に終わる…なんてことにもなりかねません。
まずは、ひとつひとつの打ち手の精度を高めて、それから重畳的に活用することで相乗効果を高めていく、ということになります。
一度に5つ…はともかく、2つでも3つでも、できそうなところを模倣してみるのも一つの手でしょう。
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