何と比較することで割安に感じるか

何と比較することで割安に感じるか

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価格のプレゼンにおいて、よく
「りんごとみかん」
という喩えが出されます。

りんごを安く見せるために、他のりんごと比較してはいけません。
みかんと比べることで安く見せかける、という話です。

考え方としては、何と比較することで、安く見せかけることができるのか、ということです。

メールボックスに、なかなか興味深いオファーのセールスメールが来ていました。

iPad Air 2(64GB)に、日経ビジネスDigital2年分の購読料で、88,800円、というオファーです。

ちなみに、iPad Air 2(64GB)の価格が、税込69,984円。

88,800円ー69,984円=18,816円。
この金額が2年分の購読料、ということになります。

24ヶ月で割ると、784円。

通常の日経ビジネスDigitalの年間購読料が22,000円ですから、まあ割安といえば割安です。

とは言え、月額784円の固定金額支払いともなると、人によっては高いと感じるかもしれません。

では、こんなアプローチはどうでしょうか。

「煩わしいローン申込みや審査を経ることなく、カード枠を使うこともなく、分割金利手数料無料で、iPad Air 2(64GB)を24回分割で手に入れられ、かつ月額315円で日経ビジネスDigitalが読めます」

例えば、あるカード会社で、69,984円の買い物を24回分割すると、分割手数料として、11,253円(年利14.75%で計算)掛かります。
購読料18,816円ー11,253円=7,563円。

7,363円÷12ヶ月=315円。
この金額が、実質的な月額購読料ということになります。

今はもう過去の話ですが、315円という数字は、300円に消費税5%の金額です。
ある意味非常に馴染みのある金額です。
税抜き300円の月額課金アプリを利用している、という印象になるでしょう。

ここでの比較は、金利です。
金利の本質は何でしょうか。
一つの考え方ですが、「我慢料」となります。
つまり、一括で支払うためにお金を貯める代わりに、「今」手に入れる代償です。

我慢の裏にあるのが欲求。
「今欲しい」という感情を満たすために、我慢料を支払うのです。
そして、「今」手に入れてしまったら、残るのは金利。

多くの人は、
「金利を払ったお陰で今手に入れられるのだからありがたい」
などと思うことはないでしょう。
「金利…高いよなぁ」
と思う人のほうが多いのではないでしょうか。

つまり、金利はいくらであっても高いのです。

そこで、
「金利を払う代わりに日経ビジネスDigitalを読めます」
という表現をすることで、
「りんごとみかん」
の比較、ということになるのです。

個人的には、今使っているiPadが問題なく使えているので、さほど魅力は感じません。
ですが…2〜3日以内に、iPadを割ってしまった…などという事態になったら、慌てて申し込むくらい、なかなか魅力的なオファーだと感じます。

「日経ビジネスDigital」
というブランドイメージの関係か、あまりエグいオファーの出し方はできないのかもしれません。
ですが、金利と比較した表現をすれば、もっと申込は増えるのではないでしょうか。

いつもの癖で、オファーが本当に得かどうか、つい電卓を叩いてしまった結果、購読料としてはあまり魅力は感じませんでしたが、金利を払わず、ローン審査もいらない、という点には魅力を感じました。
同じように感じる人もいるのではないでしょうか。

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