同じようなサービスで、どう差別化を図るか

同じようなサービスで、どう差別化を図るか

同じようなサービスで、どう差別化を図るか
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別に新千歳空港に限ったことではないのですが、多くの空港のそばに、駐車場があります。

単純に、空港まで自家用車で行き、そこに駐めて旅行なり出張なりに出かけます。
帰ってきたら、また自家用車に乗って帰れるというものです。

ありがたい点としては、公共交通機関の時間に左右されないということ。
特に、最終便を予約した場合、飛行機が遅延すると、終電をすぎてしまうこともあります。
それでも、自家用車に乗って帰ることができます。

北海道、特に私の住んでいる田舎町だと、公共交通機関は1日数本。
乗りたい飛行機の便にちょうどいい電車やバスはほとんど無いので、車が一番便利です。

そんなニーズに応えるために、空港付近にはたくさんの駐車場があります。
基本的に、駐車場から空港までは無料送迎付です。
というのも、駐車場は空港まで歩いて行ける距離にあるとは限らないからです。

いくつかの駐車場を利用しましたが、どこも無料送迎付というサービスは変わりません。
場所によって若干料金は変わります。より空港に近いほど、金額が高くなる傾向があるようです。
他にも、駐車場によっては、レンタカーサービスを利用しているところもあるようです。

レンタカーはさておき。
違いといえば、立地と料金。
立地といっても、ほとんど変わりません。空港につくまでに2〜3分変わるかどうか、程度です。
料金は、ほとんどが500円〜630円程度。

では、どうやって差別化すればいいのでしょうか。
いくつか事例を出しますので、考えてみてください。

はじめて使った駐車場ですが、送迎の際の接客で不愉快な思いをすることがありました。
職業を訊かれ、「司法書士です」と答えたところ、
「この前会社登記したけど、やたら高かったよ。なんで司法書士ってあんなにぼったくるんだろうね」
と言われました。
実際には、司法書士による登記費用(特に会社登記)は税金が高く、登記費用として請求した金額のうち、半額〜4分の3が、税金や実費だったりします。
その点をきちんと説明しなかった司法書士の落ち度なのかもしれません。

けれど、私が登記したわけでもないのに、いきなりぼったくりなどと言われていい気がするでしょうか。

駐車料金を支払った後、領収書の発行を依頼したのですが「●☓司法書士事務所」と漢字で書けなかったのでしょうか。名刺を見せたにも関わらず、
「長いし、もうこれでいいでしょ」
と事務所名の途中まで書いた領収書を渡されました。

他にもいろいろあり、さすがにうんざりしたので、その駐車場を使わないことにしました。

気がつけばある日、その駐車場が消失していることに気が付きました。
さすがにあんな接客をしていたら、倒産する他なかったのでしょう。

次の駐車場は、特に可もなく不可もなくでしたが、若干料金が高い。
1泊ならともかく、2泊3泊と日数が増えると金額の差が積み重なっていきます。
そこで、なんとなく目についた別の駐車場にしました。

その日はたまたま大雪で、30センチ以上も積もりました。
東京から帰ってきたら、やたらと積もっている雪にびっくり。

空港まで迎えに来た、若い男性スタッフは、何故か半袖。
「いや〜すごい雪ですね〜今日は朝3時から雪かきしていて、汗だくですよ」
などと、やたら爽やかな表情で話していました。
実際駐車場につくと、私の車の前は、きっちり雪かきしてあり、スムーズに駐車場から出ることが出来ました。

あまりにも爽やかな店員に好印象だったので、ずっとその駐車場を何年も使っていました。ところが、もっと近くに別の大きな駐車場が出来ました。
調べてみたら、料金は同じでした。
ならば、近いほうがいいかも…試しに使ってみようかと思ったのですが予約を忘れてしまいました。
当日朝、やたらと入力項目の多くわかりづらいフォームを入力し、予約。
念のため電話してみたら、
「前日までの予約をお願いしています。とりあえず来てみてください。満車じゃなかったら駐めることはできます」
と言われました。

そこで、
「やっぱり今までの駐車場のほうがいいな」
と思い、これまで使っていた駐車場を予約しました。
入力項目の少ないフォームなので、数秒で送信完了。
念のため電話してみたら、
「大丈夫ですよ、予約受け付けしますので気をつけてお越しください」

さて。
長々と書きました。
最初に出した駐車場は論外として。
良いサービスとそうでないサービスの違いはどこにあるのでしょうか。
どこで差別化を図ればいいのでしょうか。

シンプルに一言でまとめるならば、
「顧客の立場に立ったサービスを提供しているかどうか」
ということ。

最初の、顧客に対して暴言を吐くなどというのは論外として。
基本的に空港駐車場利用者といえば、
「忙しい」
「時間が迫っている」
人が利用することが多いと言えます。

そう考えた時に、それだけそんな顧客のことを思って行動できるかどうかに尽きます。

例えば、雪かき。
車についても、そこから車の上の雪をおろして…などとやっていたら、あという間に5分10分と経ってしまいます。
大変でも、雪おろしをしておくだけで、とてもありがたく感じるものです。
なにせ、隣の車は雪が30センチ積もっているのに、自分の車の上には雪が載っていないのです。
見た目だけでも、感謝したくなるというもの。

申し込みフォームは…言うまでもありません。
入力項目が多ければ多いほど、反応率が下がる。これはウェブマーケティングの基本です。
入力項目がシンプルで、すぐに申し込みできる方が、忙しい人にとってはありがたく感じるもの。

そしてなにより。
「とりあえず来てみてください。空いていたら駐められます」

何一つ間違っていません。確かにその通りでしょう。
ただ、これから飛行機に乗るために移動している人に、
「とりあえず来て下さい。もし開いてなかったらごめんなさい。他所へ行って下さい」
というのは、致命的な時間ロスです。
空いていなかった時に、その時点でまた別の駐車場を探し…そこも空いているかどうかわからない、などとなってしまうと、飛行機に乗り遅れる可能性が出てきます。

ならば、
「ごめんなさい、確実に1台分確保できるとは限らないので今回は他をご利用下さい」
と言ったほうが親切ではないでしょうか。

それ以上に、電話までしたのですから、
「本来は前日までが予約受付なのですが、このようにネットで申し込み頂いて、お電話まで頂いているのですから、なんとか1台分確保します。気をつけてお越しください」
などという対応までできたら…また違う展開になっていたでしょう。

私の場合、1泊2日の行程で、都内に行くことが多いもの。
1泊500円で、月に2回行きますので、1ヶ月2000円です。
前の駐車場は5年使い続けました。

ということは、60ヶ月×2000円=12万円。

この新しい空港駐車場は、電話1本で、12万円の売上を逃したということになるのです。

あくまでも結果論です。
とはいえ、
「顧客のことを考える」
という立場に基づけば、行動も変わります。
その行動が、このような違いになっていくのです。

同じようなサービスということは、言い換えると
「全く同じ」
ではありません。

細かなところで、差別化はできるのです。
電話対応1つでも差はつけられるのです。

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