売上アップの方法は次の3つです。
(1)顧客数のアップ
(2)客単価のアップ
(3)購入頻度のアップ
これは知っている人も多いでしょう。
では,この3つのうち,どれから取りかかるのが一番望ましいのでしょうか。考えてみて下さい。
一番望ましいのは,2番目の客単価アップです。
…ということを,私がコンサルティングにおいて話をすると,条件反射的に
「値上げなんてとんでもない!」
「値上げなんて出来るはずがない」
「無理」
と即答するクライアントがいます。
もしかしたら…あなたもそうかもしれません。
今日のタイトル「客単価アップの基本戦術」というものを見て,
「値上げなんてできるはずがない…」
などと思ったかもしれません。
もし本気で,心の底からそう思っていたとしたら…最初にすべきことは眼科検診です。
私は「客単価アップ」と書きました。
「値上げ」とは書いていません。
「客単価アップ」と書いて,「値上げ」とルビを振っているわけではありません。
眼科検診に行ってから,もう一度画面をよくご確認いただければと思います。
…などと,敢えて回りくどい表現をしました。
それだけ,「客単価アップ=値上げ」と思い込んでいる人が,いかに多いか,ということを表現しました。
ということで,客単価アップは,値上げとは限りません。
もちろん値上げするのも客単価アップの1つです。
言い換えると,値上げというのは客単価アップという戦略における,単なる1つの戦術でしかない,ということです。
さて,話が変わります。
興味深いFAXDMが届きました。
司法書士事務所向けに,「遺言書に関するセミナーコンテンツ」の販売に関する案内です。
繰り返します。
「遺言書に関するセミナーコンテンツ」の販売に関する案内です。
「遺言書に関するセミナー」の案内ではありません。
司法書士事務所向けといえば,ほとんどが後者のように「セミナー」や「研修」ばかりです。
私自身も何度も学びました。
ですが…今回のように「セミナーコンテンツの販売」というのは珍しく,
「なるほどな…」
と思った次第です。
なぜなら,それを買った司法書士が自分で「セミナーで講義することができるようになる」ためのツールだからです。
具体的には,顧客に「どのような」講義を展開したら良いか,という注意事項や,実際に講義をしている様子の動画,セミナーで使うPowerPointのスライドまでを提供しています。
さらに,セミナー後,個別面談の際に使う書式や配布資料まで提供しています。
これが…「客単価アップ」の,一つの例です。
単に,「セミナー開催の仕方」に関するコンテンツだけでも商品になるでしょう。
ですが…ここでは,PowerPointのスライド,配布資料等まで含めて,全部提供しているのです。
英語で言う「Done for you」つまり,「あなたの代わりにやります」というコンセプトです。
セミナーの仕方だけを解説したら,その後どうやって段取りを組んでセミナーを開催するのかは,自分で考えて実行しなければなりません。PowerPointのスライドまで作って配布資料を印刷し…などと,全部やらなければなりません。
ですが,それら全てをセットにして販売すれば,客単価を上げることができるのです。
このFAXDMは,様々な司法書士向けのコンテンツをしょっちゅうFAXDMで送ってきます。
だいたいの価格帯が5000円前後です。
しかし,このDone for youというコンセプトに基づいたオールインワンパッケージは,3万円です。
単価が6倍です。
これが,客単価アップの一つの戦術です。
つまり,上位バージョンとして「全て代行します」という商品を作り…そのダウングレード版を容易すれば,商品ラインナップが2つになります。
もし,さらに別バージョンを用意すれば,松竹梅の完成です。
客単価アップの施策の1つが,松竹梅。つまり,値上げするのではなく,上位バージョンの商品を用意すればいいのです。今ある商品をバージョンアップ版は,比較的用意しやすいのではないでしょうか。
ぜひ取り組んでみて下さい。
以下蛇足です。
…このFAXDMに「騙されて買ってしまう」人はどれだけいるのでしょうか。まあ興味はないのでどうでもいいことです。
「騙す」とは穏やかな表現ではありませんが,なかなか質の悪い話です。
もっとも…これを買った司法書士がいるならば,騙されたほうが悪いでしょう。
なぜなら,このパッケージについて,先程
「セミナーで講義することができるようになる」ためのツール
と表現しました。
「セミナー開催できるようになる」ためのツール
…とは言ってません。
つまり,セミナー開催で一番たいへんな「集客」については一切触れていないのです。
集客はできるけれど,セミナーでどうやって講義したらいいのかわからない人向けの教材だと言えます。
…そんな司法書士,いるかどうかわかりませんが。
「この教材を買えば,セミナーを開催して,遺言書作成のクライアントを獲得できる」
と信じて買う,知識はいっぱいあるけど,愚かな司法書士がどれだけいるのか。
まあ,どうでもいい蛇足でした。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
セールスコピーライター 飯山陽平
追伸
2〜3通りしか集客法を知らない。
どうしていいかわからない。そんなあなたは,一度こちらをご覧ください。