さて、今日のテーマは競合です。
あなたの会社の競合はどこでしょうか。
この競合がどこか、と話し始めると長くなります。
さらっと最低限のことを確認しておきましょう。
あなたの思う競合と、顧客があなたと比較する他社は一致するとは限りません。
例えば。
牛丼チェーンの吉野家。
吉野家の競合はどこでしょうか。
基準を吉野家に置くと、牛丼チェーンということなので、すき家や松屋、なか卯などが牛丼チェーンとして競合店になるでしょう。
ですが、実際にこの競合は顧客の頭のなかでこういった競合は起きているのでしょうか。
「今日のランチは、吉野家か松屋か、すき家かなか卯、どれにしようかな」
などと考える人はどれだけいるのでしょうか。
おそらく考えるのは、
「今日のランチは何を食べようかな」
ではないでしょうか。
そう考えると、非常に競合の範囲が広くなります。
何を食べたいか…寿司を食べたいかもしれないしカツ丼を食べたいかもしれない。
サンドイッチを食べたいかもしれないし、パスタを食べたいかもしれない。
このように競合の範囲が広がっていくのです。
すると、コンビニや各種ファストフード、ハンバーガーチェーン。
あるいは弁当屋など非常に熾烈な中で、牛丼という選択肢にたどり着く、ということになる以上、同じ牛丼チェーンを横目に見ているだけでは競合に勝てることはあったとしても、ランチという競合には勝てない、ということになるのです。
さて。
競合の前提を確認した上で。
競合を敵に回さず、自らの利益にするためにはどうしたらいいのでしょうか。
一つの例として。
セブンアップという炭酸飲料の話があります。
セブンアップ…という炭酸飲料、聞いたことがあるでしょうか。あるいは飲んだことがあるでしょうか。
全く初めての炭酸飲料を売り出すにあたって、認知してもらうためにどれだけ手間暇コストがかかるでしょうか。
これを、うまく競合を活用したのです。
次のようなコピーで宣伝しました。
「これはコーラではない」
つまり、コーラではない…ということで、コーラの競合商品だ、と位置づけることを目的としています。
コーラの競合である以上、同じような炭酸飲料だ、ということになります。
このように、コーラの知名度を活用した、という方法が一つあります。
もっと直接的な方法もあります。
手っ取り早いところで、競合に
「見込み顧客リスト、使わせて下さい」
というジョイントベンチャーを持ちかけるのです。
たとえるならば、ウェブデザイナーA社がが、他のウェブデザイナーB社に対して
「見込み顧客リスト、使わせて下さい」
と申し出るようなもの。
…一歩間違えたら、B社は激怒するかもしれません。何が悲しくてライバルに自らの顧客リストを使わせなければならないのか、というもの。
とはいえ、見込み顧客が実際に顧客になるのは10%程度、と考えた時に、90%の見込み客リストは無駄になっており、活用できていない資産です。
その活用できていない部分であっても、その資産を手に入れるためにコストはかかっています。
ならば、ジョイントベンチャーを組んで、何らかの対価をもらう、という活用法をしたほうが、少しでも利益になるというものです。
競合は打ち負かすだけの存在だとは限りません。
場合によっては手を携えて他のライバルを倒す仲間になるかもしれません。
あるいは、うまく活用することで、自らの利益にできるかもしれないのです。
そんな視点で考えてみたならば、あなたの…あの目の上のたんこぶな、あの会社はどうやって活用できるでしょうか。