今日も、FAXDMが届いていました。
アスクルの代理店からです。
毎回届く度に、妙な疑問を抱いていました。
今回も届いたFAXを見て、何か違和感があり、すっきりしない感じです。
しばらく眺めていて、ようやく気付きました。
文字通り「宣伝」でしかない、ということです。
私のような、ダイレクトレスポンスマーケティングという、顧客から直接反応をしてもらうようなコピーを書く身としては、なんとも酷い違和感に苛まれます。
なんで、申込用紙を記入しないのだろうか、と。
商品の絵や商品説明があるのですから…しかも、その受信先会社名まで全て印刷されているのですから。
そのまま、
「注文数」という欄を作って返送先FAX番号を書くだけで、注文書の一丁あがりです。
アスクルは、もともとカタログを見て、商品番号を申込用紙に書いてFAXして…というシステムでした。
今はネットでも注文を受けられるようになっていますが、もともとは手書きでFAX申込書に記入するのが原則だったはずです。
おそらく、そこには商品番号の書き間違えで、無駄なオペレーション作業が発生したことも多々あったことでしょう。
ならば、FAXDMで宣伝するのですから、はじめからFAX申込書にして、宣伝したほうが早いでしょう。
私のような、ある意味「関係ない」者でも考えればたどり着く答えです。
なぜ、わざわざFAXで宣伝しておきながら、注文を受ける枠を用意しないのでしょうか。
これが、今日のテーマである、
「誰もが聞きたくない、地味でつまらない売上アップ法」
です。
本当に地味でつまらない話です。
ただ、FAXDMを送るときに、申込枠を作れ。
ただそれだけです。
面白くもなんともありません。
このような、地味でつまらない作業を繰り返し、
「売上を下げる要因」を取り除いていくこと。
これが売上を上げるために必要な作業となるのです。
似たよう例として、このブログで何回か書きました。
それは、「返信用封筒を同封する」というものです。
あるいは、
「自分で実際に申し込みフォームから注文してみる」なんてものもありました。
マーケティング戦略などといった、高尚なものでも何でもありません。
ただ、顧客が買うのを妨げていないかどうか。ただそれだけです。
ネットでは、黒バックに白抜き文字だと見難い…とか。
社名がアルファベットの英単語だから読めない…とか。
本当に挙げれば切りがありません。
それら、一つ一つを見つけて潰す。
改善をひたすら繰り返す。
本当に地味でつまらない売上アップ法です。
だからこそ…なかなかやらない人がほとんどなのです。
そして、それをやったところをが強いのです。例えばトヨタのように。
どこで聞いたのかは覚えていませんが、一つある話を紹介します。
世界的なインターネットマーケティングの権威で、「グルズグル」と呼ばれる戦略構築家、リッチ・シェフレン。
彼は、友人でビジネスパートナーである世界ナンバーワンマーケティング・コンサルタントのジェイ・エイブラハムと公私共に仲良くしているそうです。
週に1回、ジェイからリッチに電話がかかってきます。
そして、ジェイは、リッチに尋ねます。
「どうだい?ビジネスは上手く行っているかい?」
リッチは、
「もちろん、上手く行っている」
と答えます。実際に数字や状況も伝えているのでしょう。その上で。
ジェイは、更にこんなことを言うのだそうです。
「それでなぜうまく行っていると思うのかい?」
もちろん、リッチは優れたマーケティング戦略家です。
実績も実力も世界トップレベル。
彼のビジネスが上手く行っていることは言うまでもありません。
…と、私も含めた凡人なら思うことでしょう。
ですが、世界ナンバーワンにしてみたら、まだまだのようです。
彼は、リッチのビジネスが「最適化」すなわち、「今行っていることの全てが最大化」されているかどうかを尋ねる意味として「うまく行っているかい?」と尋ねているのでしょう。
そして、リッチの答えに、もちろん数字自体はうまく行っているにしても、それでも更なる改善の余地があることをジェイは読み取って、
「それでなぜうまく行っていると思うのかい?」
すなわち、
「もっと上手く行くためにできることがあるのではないか?」
ということを行っているのでしょう。
この2人のような、文字通り世界トップレベルとは言わないまでも…それでも、返信用封筒をつけるとか、申込欄をつけるとか…といった改善なら、きっとあなたもできるはず。
決してやっていて面白い作業ではないでしょう。
最新のマーケティング手法を学んで実践していたほうが楽しいしやりがいも感じるでしょう。
だからこそ、他の人がやらないのです。
あなたがやったらどうなるのか。
ぜひ確かめてみてください。
あなたがよりアップスタッツな明日になりますように。
飯山陽平